胆道
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7 巻, 5 号
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  • 高田 忠敬
    1993 年 7 巻 5 号 p. 555-559
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
  • 水本 龍二
    1993 年 7 巻 5 号 p. 560-570
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
  • -良性との鑑別および胆管長軸方向浸潤診断に対する有用性について-
    菊地 浩之, 菊池 俊之, 長島 通, 磯野 可一, 山本 宏
    1993 年 7 巻 5 号 p. 571-579
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    胆管癌に対する,Slow injection dynamic CT(SI-CT)の有用性について検討した.胆管癌のSI-CT像を,形態と濃染度により分類した.形態は腫瘤形成型と壁肥厚型に分類し,濃染度は肝と比較して3段階に分類した.腫瘤形成型は癌としての診断は容易であるが,壁肥厚型の診断には胆管壁の評価が必要で,壁の厚さと濃染度を指標として行なった.壁肥厚型胆管癌は,胆管壁の濃染肥厚像により,良性胆管狭窄や炎症などとの鑑別が可能であった.また,SI-CTは胆管癌の胆管長軸方向浸潤診断に対しても有用で,左右肝管,膵内胆管への浸潤に対するaccuracy rateは,それぞれ78.9,94.1%であった.SI-CTは,胆管癌の鑑別診断および胆管長軸方向浸潤診断に対して有用であった.
  • 上辻 章二, 權 雅憲, 今村 敦, 山田 修, 上山 泰男, 辻 正純
    1993 年 7 巻 5 号 p. 580-583
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    胆石症患者において,胆嚢内胆汁中CA19-9を測定したところ,血中濃度に比べ高値を示したため,胆汁中CA19-9の臨旅的意義を明らかにする目的で,胆汁中および血中CA19-9値を測定した.また,胆嚢組織中CA19-9染色も行った.その結果,胆嚢炎の程度により,胆嚢炎が高度になるほど,胆汁中GA19-9値が高くなった.組織学的には,Rokitansky-Aschoff sinusに一致してCA19-9が染色された.以上の結果から,胆嚢炎の程度が高度になるほどCA19-9は胆嚢上皮から分泌され,胆汁中や時には血中へ放出されるものと考えられた.
    CA19-9は腫瘍マーカーとしてのみならず,胆嚢の炎症マーカーとしての意義があると考えられた.
  • 神沢 輝実, 伊沢 友明, 江川 直人, 鶴田 耕二, 岡本 篤武, 小池 盛雄
    1993 年 7 巻 5 号 p. 584-586
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    十二指腸乳頭部癌39例を対象とし,他臓器悪性腫瘍の重複例について検討した.乳頭部癌39例中7例(18%)に重複癌を認めた.重複癌症例の平均年齢は70.1歳で,非重複癌症例の63.7歳より高く,性別は全例女性であった.合併病巣は,4重複癌1例と3重複癌2例を含む11病巣で,同時性4病巣,異時性7病巣であった.合併重複癌は,早期胃癌3例,子宮癌3例,大腸癌2例,十二指腸癌,胆管癌,白血病各1例であった.
    膵胆道系の癌のなかで,比較的予後良好な乳頭部癌において高率に,他臓器悪性腫瘍の合併がみられ,本症の診断,術後follow-upにおいて注意を要する.
  • 加藤 裕治郎, 田中 淳一, 梅澤 昭子, 宮崎 賢一, 明石 建, 関 仁史, 佐藤 泰彦, 浅沼 義博
    1993 年 7 巻 5 号 p. 587-593
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    当科で過去8年間に経験したPTBDおよびPTGBD72例(延べ97件)の,ドレナージのチューブ逸脱について検討した.チューブ逸脱は,16件,17%にみられたが,その要因は以下のごとくである.穿刺部位別にみると,経前腹壁より経右側胸壁で,また,チューブの胆管内留置距離の短い場合に逸脱率が高かった.チューブ形状では,pigtail型よりもballoon付きチューブの逸脱率が高かった.チューブ逸脱の誘因は,患者の体動や不注意などのほかに,検査に伴うものも多くみられた,また,ドレナージ後早期の逸脱例では,胆汁性腹膜炎により緊急手術を要した.したがって,チューブの逸脱を防止するには,pigtail型チューブを用い前腹壁から穿刺し,胆管内留置距離を長くする工夫が必要であり,さらに施行後早期には,体動を伴う検査は行わないのが望ましい.
  • 中川 国利, 臼井 律郎, 豊島 隆, 佐藤 寿雄
    1993 年 7 巻 5 号 p. 594-598
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    腹腔鏡下胆嚢摘出術では,胆汁の漏出や胆石の逸脱により,腹腔内や創部の感染が危惧される.そこで,当科で施行した250例を対象として,術後の感染について細菌学的に検討を行なった.250例中209例で細菌検査を行ない,27例(12.9%)で39株の細菌が検出された.23株(59.0%)はグラム陰性桿菌で,グラム陽性球菌は13株を占めた.胆嚢結石症例194例中26例(13.4%)で細菌が検出され,とくにビリルビンカルシウム石症例では高率で検出された.また,病理組織学的には,炎症程度が著明な症例ほど細菌検出率が増加した.術後感染症は250例中3例に生じ,ビリルビンカルシウム石症例2例では腹壁創感染をきたした.他の1例は著明な急性胆嚢炎症例で,腹控内膿瘍を形成した.胆汁が漏出しても腹腔内や腹壁創部をよく生食水で洗浄すれば,重篤な感染症は防止できることが判明した.なお,著明な急性胆嚢炎症例や汚染胆汁の漏出例では,腹腔内にドレーンを留置する必要があると考えた.
  • 新海 宏, 大谷 泰一, 山形 誠一, 丸山 嘉一, 佐田 尚宏, 北山 丈二, 元吉 誠, 松村 健三, 杉山 政則, 黒田 慧, 武藤 ...
    1993 年 7 巻 5 号 p. 599-606
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    35例の胆嚢結石症例に対し,上方アプローチ(仰臥位照射)および誤照射防止機能(エコートリガ照射機能,以下,ETMと略)を併用した体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)を行い,その有用性・安全性につき検討した.
    従来からの方式である下方アプローチ(腹臥位照射)と上方アプローチ(仰臥位照射)との違いおよびETM使用の有無によっては,結石の破砕・消失効果における有意差こそ見られなかったが,ETM使用群において,少ない照射数で若干高い消失率が得られた.また,臨床上問題となる合併症はほとんど認められなかったものの,照射直後の胆嚢壁の肥厚をみると,腹臥位照射群での30.8%の発現率に比べ,仰臥位照射・ETM使用群では16.7%と,その発現頻度は低い傾向であった.
    以上より,仰臥位照射・誤照射防止機能などの付加機能を併用することによって,さらに安全で効率的な体外衝撃波結石破砕療法を可能となしうることが示唆された.
  • 大塚 将之, 宮崎 勝, 伊藤 博, 海保 隆, 安藤 克彦, 安蒜 聡, 林 伸一, 郷地 英二, 高西 喜重郎, 永井 基樹, 外川 明 ...
    1993 年 7 巻 5 号 p. 607-614
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸(閉黄)を伴う肝門部胆管癌2例に対し,それぞれ肝右三区域切除・尾状葉亜全摘除・胆管切除・門脈合併切除再建・左肝管空腸吻合術および拡大肝右葉切除・尾状葉全切除・胆管切除・左肝管空腸吻合術を施行した.しかし,術直後より高ビリルビン血症が遷延,血漿交換等を施行したが,術後56日目,92日目に肝不全死した.その剖検肝組織には,胆汁欝滞像や肝細胞の変性壊死像とともに,同部を中心とした著明な好中球浸潤が観察された.これは,閉黄を伴う広範肝切除術後の肝不全発生に,好中球が大きな役割を演じている可能性を示唆する所見と考えられ,今後この観点よりの研究の必要性があると判断される。
  • 丸川 治, 後藤 司, 北村 彰英, 原 均, 仁木 正己, 金川 泰一朗, 田中 慶太郎
    1993 年 7 巻 5 号 p. 615-621
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    胆道系奇形のうちでもきわめて稀な,重複胆管の1例を経験した.症例は31歳,女性.主訴は心窩部痛・嘔吐で,繰り返す急性膵炎を契機に,Endoscopic Retrograde Cholangio Pancreaticography(ERCP)にて重複胆管と診断して手術を施行した。術中の精査により,異常胆管が胆嚢管から総胆管の背側を交差して高位で膵管に合流しており,膵・胆管合流異常を呈する重複胆管のうちでも,きわめて稀な病態であった.異常胆管を切除し,膵・胆管合流異常を解除することにより以後症状は消失し,胆道系悪性腫瘍などの発症も認めていない.重復胆管の発生,診断,病態,治療について,本邦報告例の文献的考察を含め報告する.
  • 藤野 幸夫, 村田 宣夫, 村田 戒, 高木 俊二, 藤岡 正志, 小林 正幸
    1993 年 7 巻 5 号 p. 622-627
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    胆嚢摘出術後の遺残胆嚢管内に発生した,縫合糸胆石の1例を経験した.症例は38歳女牲,主訴は心窩部痛である.9年前,他院にて胆石症のため,胆嚢摘出術を施行された.ERCPで,遺残胆嚢管結石,総胆管結石と診断し,総胆管切石術,Tチューブドレナージを施行した.遺残胆嚢管内の結石はコレステロール胆石で,内部に結紮された縫合糸があった.この糸は,赤外吸収スペクトル法による分析で,ナイロン糸であることが判明した.1979年から1992年まで,縫合糸を核とした胆石の本邦報告例は本症例を含めて28例あるが,ナイロン糸を核とした縫合糸胆石の報告は初めてである.再発胆石を作らないために,胆嚢管の結紮には吸収性縫合糸を用いるべきである.
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