35例の胆嚢結石症例に対し,上方アプローチ(仰臥位照射)および誤照射防止機能(エコートリガ照射機能,以下,ETMと略)を併用した体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)を行い,その有用性・安全性につき検討した.
従来からの方式である下方アプローチ(腹臥位照射)と上方アプローチ(仰臥位照射)との違いおよびETM使用の有無によっては,結石の破砕・消失効果における有意差こそ見られなかったが,ETM使用群において,少ない照射数で若干高い消失率が得られた.また,臨床上問題となる合併症はほとんど認められなかったものの,照射直後の胆嚢壁の肥厚をみると,腹臥位照射群での30.8%の発現率に比べ,仰臥位照射・ETM使用群では16.7%と,その発現頻度は低い傾向であった.
以上より,仰臥位照射・誤照射防止機能などの付加機能を併用することによって,さらに安全で効率的な体外衝撃波結石破砕療法を可能となしうることが示唆された.
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