炭素
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2021 巻, 298 号
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論文
  • 南里 佳寿, 和田 拓也, 吉谷 博司, 福井 弘司, 中壽賀 章, 津村 朋樹, 豊田 昌宏
    2021 年 2021 巻 298 号 p. 87-94
    発行日: 2021/06/15
    公開日: 2021/07/17
    ジャーナル フリー

    Preparation of few-layer graphene with a low oxygen content and having a large area was attempted by the exfoliation of stage-1 K-THF-graphite intercalation compounds by adding alcohol solvents, where the effect of the alkyl-chain length of the added primary alcohol on the exfoliation behavior was investigated. Ultraviolet and visible absorption spectroscopy for the solvents after the exfoliation indicated that the longer the alkyl-chain length of the added alcohol, the more few-layer graphene was produced. Raman spectroscopy, transmission electron microscopy, and X-ray photoelectron spectroscopy revealed that exfoliation using 1-decanol produced few-layer graphene with the lowest oxygen content and a large area. The average thickness and area of the obtained few-layer graphene were 2.4 nm and 73 µm2, respectively, which were almost the same as those (2.4 nm and 76 µm2) we reported for few-layer graphene prepared using an aldehyde such as 1-decanal.

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  • 石川 弘通
    2021 年 2021 巻 298 号 p. 107-109
    発行日: 2021/06/15
    公開日: 2021/07/17
    ジャーナル 認証あり

    グラファイトの炭素(C)の一部をホウ素(B)やチッ素(N)で置き換えた材料を本論文ではヘテロ原子置換型炭素材料と記述している。その中でも,BとNの両元素で置換した材料をB/C/N材料,Bのみで置換した材料をB/C材料と呼び,これらの材料を総称してB/C/N系材料と記述した。B/C/N系材料は,グラファイトと同様に金属や金属イオンをインターカレートさせることができるが,グラファイトとは異なった挙動を示すことがわかっている。例えば,グラファイトではナトリウム(Na)やマグネシウム(Mg)のインターカレーションが困難であるが,B/C/N系材料では電気化学法や気相法によりこれらの金属をインターカレートしたという報告がある。B/C/N系材料がNaやMgのインターカレーションに成功した要因として,B/C/N系材料のCの最低非占有軌道(LUMO)が置換されたBの影響により,グラファイトのCのLUMOより低エネルギーになることが影響していると推定されていた。しかし,このような電子状態について,Bの影響でB/C/N系材料のLUMOが低エネルギーになることについて詳細な検討はされていなかった。

    本研究では,(1) B/C/NおよびB/C材料のインターカレーションに関わるLUMOのエネルギーについてX線吸収微細構造(XANES)測定による実験的手法と第一原理計算から得た状態密度を比較し,B/C/NおよびB/C材料のLUMOが下がる要因を解明する。(2)これまで詳細に調べられていないB/C/N系材料に対する,カルシウム(Ca)のインターカレーションを行いインターカレーションが可能であるか,また層間化合物が得られた際にはそのステージ数を調べる。(3) B/C/NおよびB/C材料のLUMOのエネルギー,言い換えると伝導帯の底のエネルギーとCaのインターカレーションとの関連を考察する。上記3点を明らかにすることを目的とした。

    本博士論文は,1∼6章からなり1章はB/C/N系材料や炭素材料へのインターカレーションの過去の研究について述べている。2章では,実験方法について記載している。本稿では,B/C/N系材料の電子状態とインターカレーションに関係する以下の3∼6章について述べる。

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