マンガン造影MRI法(manganese-enhanced magnetic resonance imaging, MEMRI)は、神経投射描出のみならず、Caチャネル活動に基づく脳, 神経活動部位を積分値で描出できる新しいMRI撮像法である。その撮像原理は、マンガンイオン(Mn^<2+>)が陽性MRI造影剤であること、Caチャネルを通過して細胞内に取り込まれ局所Mn^<2+>濃度が増加すること、および軸索内部を順向性に移動することを利用している。従って、従来のfunctional MRIのようなデオキシヘモグロビンの濃度変化に基く血管, 血液反応を測定するのではなく、脳, 神経活動に直接基づく画像を得ることができる。MEMRIはまだ完成した技術ではなく、より感度の高い撮像条件や高度な応用法について、現在研究が進められている。本稿では、MEMRIの原理と応用について述べた後、我々の実験データについて解説する。磁気共鳴画像装置(magnetic resonance imaging, MRI)を使うことにより、脳の構造と機能(賦活化)を調べることができる。
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