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植田 正 , 大栗 誉敏, 阿部 義人 , 村上 茂
2018 年 4 巻 1 号 p.
6-8
発行日: 2018年
公開日: 2019/11/11
ジャーナル
オープンアクセス
還元変性ヒト型 Fab、還元変性ニワトリリゾチー ムの再生効率にタウリンが効果的であった。この理 由について、多核 NMR などの方法により解析した 結果、球状タンパク質内部に存在し蛋白質が変性し た際に露出する Phe 残基や Trp 残基に、タウリンが 優先的に相互作用し、蛋白質の凝集を抑制すること を示唆した。
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川岸 郁朗 , 田島 寛隆, 山本 健太郎 , 西山 宗一郎
2018 年 4 巻 1 号 p.
9-12
発行日: 2018年
公開日: 2019/11/11
ジャーナル
オープンアクセス
私たちは、コレラ菌が胆汁の構成成分であるタウ リンに対して誘引されることを見出し、タウリンお よびアミノ酸走性を媒介する受容体を同定した。つ ぎに、その受容体のリガンド結合ドメインの立体構 造を解明し、各リガンドが共通の残基で認識される こと、リガンド結合ポケットが開口部をもつことが 多様なリガンドを受容できる構造基盤であるという 知見を得た。さらに、蛍光標識アミノ酸が Mlp37と 結合することを示した。この系により、走化性受容 体とリガンドの結合を、菌が生きたまま観察するこ とに初めて成功した。
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宮﨑 照雄, 佐々木 誠一 , 豊田 淳 , 白井 睦 , 池上 正, 松﨑 靖司 , 本多 彰
2018 年 4 巻 1 号 p.
13-16
発行日: 2018年
公開日: 2019/11/11
ジャーナル
オープンアクセス
タウリンの最も確立された生理作用の1つとし て胆汁酸抱合作用がある。また、タウリンには、胆 汁酸合成律速酵素の発現を高める作用もある。その ため、タウリンには、高コレステロール血症の改善 効果が、齧歯類で多く確認されている。しかし、ヒ トでの効果は不明瞭である。その理由として、胆汁 酸組成や合成、代謝制御において、ヒトと齧歯類で 大きく異なっていることが挙げられる。本研究では、 ネコの胆汁酸組成やタウリン抱合比について、ヒト や齧歯類と比較し、タウリン欠乏食供与により作製 したタウリン欠乏モデルにおける胆汁酸組成やタウ リン抱合比の変化について検討した。
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伊藤 崇志
2018 年 4 巻 1 号 p.
17-18
発行日: 2018年
公開日: 2019/11/11
ジャーナル
オープンアクセス
タウリントランスポーター欠損マウスは心臓にお いてタウリンが欠乏する。本研究では、タウリンに 抱合された代謝物を網羅的に探索することを目的に 質量分析装置(LC-MS)を用いたメタボローム解析 を行い、タウリントランスポーター欠損マウス及び 野生型マウス間で代謝物を比較した。その結果、グ ルタミルタウリンをはじめとしたアミノ酸―タウリ ン抱合体を野生型マウスの心臓に見出した。
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時野 谷勝幸, 吉田 保子, 菅澤 威仁, 森田 将平, 竹越 一博
2018 年 4 巻 1 号 p.
19-21
発行日: 2018年
公開日: 2019/11/11
ジャーナル
オープンアクセス
我々は主に骨格筋におけるマイオカインに対する 応答をタウリンが刺激するかを目的として ex vivo による解析を行った。その結果、タウリンの負荷に よって、マイオカインの遺伝子発現が上昇した。そ の応答は、特に速筋線維タイプである長指伸筋で鋭 敏であった。IL-15、Irisin、FGF-21 といった糖代 謝に関わるマイオカインの遺伝発現の上昇が得られ た。本研究は、骨格筋の機能を解析するために ex vivo での検証を行ったが、今後は in vivo における タウリン蓄積の影響や臓器間のクロストークを想定 してマイオカインの動態を追いたい。
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羅 成圭
2018 年 4 巻 1 号 p.
22-24
発行日: 2018年
公開日: 2019/11/11
ジャーナル
オープンアクセス
本 Short Review では、タウリンの「投与期間」 や「投与による組織中タウリン濃度の変化」の 2点 に着目し、スポーツ科学分野におけるタウリン投与 が運動パフォーマンスに及ぼす効果についてまと めた。本レビューでは、一過性のタウリン投与は血 中タウリン濃度を増加させるものの運動パフォー マンスを向上させることは難しいということ、また 慢性投与によって骨格筋のタウリン濃度を高める ことで運動パフォーマンスが向上する可能性が高 いということが示された。「タウリン投与」に関す る研究は現象論レベルの報告が多く、これから「な ぜ」「どのように」タウリン投与が運動パフォーマ ンスを向上させるのか更なる研究が望まれる。
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髙堂 裕平
2018 年 4 巻 1 号 p.
25-28
発行日: 2018年
公開日: 2019/11/11
ジャーナル
オープンアクセス
磁 気 共 鳴 ス ペ ク ト ロ ス コ ピ ー (Magnetic resonance spectroscopy, MRS)は、生体内の代謝物 濃度を非侵襲的に測定する手法であり、脳を対象に 盛んに用いられてきた。MRSは脳内濃度の高いグル タミン酸やγ-アミノ酪酸に加え、タウリンも測定す ることができる。比較的古くから知られる手法であ るが、近年の測定装置性能およびデータ解析技術の 向上に伴って代謝物濃度測定の精度があがり、これ までにも増して広く神経科学研究に用いられるよう になってきている。 本稿では、MRSによる脳内代謝物測定について概 論を述べたのち、MRSでタウリン濃度を測定し得た 先行研究を紹介することでタウリン研究における MRSの有用性を伝えたい。
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森内 将貴, 中野 義雄, スイコ メリーアン, 首藤 剛, 甲斐 広文
2018 年 4 巻 1 号 p.
29-31
発行日: 2018年
公開日: 2019/11/11
ジャーナル
オープンアクセス
線虫は個体モデルでありながら、そのシンプル な体の構造と分子シグナル伝達系を持つことから、 薬や病気のメカニズム解析に用いられている。筆 者らのグループは、線虫を用いた taurine の作用 メカニズムに関する解析により、taurine が TRPV1を阻害し、酸化ストレス抑制作用などの薬 理活性を発揮する事を明らかにした. また、 taurineは、定常条件・酸化ストレス条件下におけ る線虫の寿命を延長する事も明らかにし、そのメ カニズムに、上記 TRPV1 阻害作用が関与するこ とを明らかにした。
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山下 剛範 , 加藤 俊宏 , 磯貝 珠美 , 具 然和, 馬 寧
2018 年 4 巻 1 号 p.
32-34
発行日: 2018年
公開日: 2019/11/11
ジャーナル
オープンアクセス
がん治療や原発事故は放射線被ばくの危険につな がる。電離放射線への曝露は照射された細胞で ROS とフリーラジカルを生成し、フリーラジカル生成は 酸化的ストレスにつながる。電離放射線への曝露は、 放射線誘発細胞傷害を引き起こす可能性がある。放 射線誘発細胞傷害の原因は、サイトカインと ROS に関連した炎症過程が関与しているとの報告がある。
タウリンは、抗酸化活性、抗炎症活性および細胞 内カルシウムレベルの調節を含む、いくつかの重要 な生理学的機能を有する硫黄含有有機酸である。タ ウリンは、放射線防護剤および放射線緩和剤として 使用するための魅力的な候補であるように思われる が、現時点では放射線誘発細胞傷害をどのように保 護するかは知られていない。
今回は、放射線による細胞傷害とタウリンの放射 線防護効果および放射線緩和効果について我々自身 の知見を含めて説明する。
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村上 茂, 川﨑 安都紗 , 小野 鮎子 , 伊藤 崇志
2018 年 4 巻 1 号 p.
35-37
発行日: 2018年
公開日: 2019/11/11
ジャーナル
オープンアクセス
魚介類に豊富に含まれるタウリンは、海藻にも存 在し、浸透圧調節等の役割を果たしていると考えら れる。われわれは、海藻の中でも紅藻類のフノリが タウリンを特に多く含むことを見出した。海におけ るフノリの生育環境を考えると、タウリンが乾燥や 浸透圧変化、紫外線、温度変化などの環境変化に対 応するために利用されている可能性が推察される。 また海では、さまざまな生き物が解毒や代謝にタウ リンを利用しており、海洋生物の体内のタウリン量 には食物連鎖が大きく関わっている。海藻をはじめ とする海洋生物におけるタウリンの役割を解明す ることは、哺乳類やヒトにおけるタウリンの作用の 理解につながる。
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加藤 俊宏, 山下 剛範 , 伊藤 崇志, 馬 寧
2018 年 4 巻 1 号 p.
38-40
発行日: 2018年
公開日: 2019/11/11
ジャーナル
オープンアクセス
タウリンは含硫アミノ酸の一種で、タウリントラ ンスポーターノックアウト(以下、TauTKO)マウ スは野生型マウスと比較して骨密度が低下してい る。TauTKO マウスならびに野生型マウスの大腿 骨を用いて、骨微細構造の検討を行った。TauTKO マウスの骨組織は野生型マウスと比較して、骨量・ 骨表面積に低下がみられ、骨形成が低下している可 能性が示唆された。
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松村 正隆, 小峰 昇一, 小林 春輝, 小林 雄晟, 城本 淳, 宮川 俊平, 大森 肇
2018 年 4 巻 1 号 p.
41-43
発行日: 2018年
公開日: 2019/11/11
ジャーナル
オープンアクセス
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大森 肇, 水島 隆規, 時野谷 勝幸, 青木 海, 小峰 昇一, 今野 雅生, 小林 雄晟, 石倉 恵介, 宮﨑 照雄, ...
2018 年 4 巻 1 号 p.
44-46
発行日: 2018年
公開日: 2019/11/11
ジャーナル
オープンアクセス