超々臨界圧ボイラの主蒸気管,再熱蒸気管や熱交換器管等に広く用いられているGr.91(火STPA28, 火STBA28)などの高強度高Crフェライト鋼管は,高温強度,特に溶接継手の長時間クリープ破断強度の低下対策が喫緊の課題である。次世代ボイラー用9Cr鋼管:SAVE12AD(9Cr-3W-3Co-V-Nb-Ta-Nd-B)は、高ボロン(B)添加することによって溶接継手の長時間クリープ強度の低下を軽減することを目的に開発された。試作したSAVE12AD大径厚肉管と小径管の機械的性質,長時間クリープ強度,耐食性,溶接性は良好であることを確認した。SAVE12AD鋼管はASME規格にCode Case 2839として登録が決定した。今後、国内の実缶試験等で性能実証するとともに,母材と溶接継手の長時間クリープ特性を検証する。
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