季刊地理学
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44 巻, 2 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 安藤 一男, 渡辺 満久
    1992 年 44 巻 2 号 p. 79-92
    発行日: 1992/05/20
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    黒目川谷底平野~荒川本流低地において, ボーリング資料, 14C年代測定値および珪藻群集の推移に基づき, 埋没地形と古環境変遷史を明らかにした。
    本地域には, 2つの埋没段丘面が存在する。これらは, 最終氷期後半の20,000~30,000y. B. P. までに形成されたと考えられる。その後の海面最低下期には, 荒川低地ではさらに下刻が生じたのに対し, 黒目川に沿ってはこの時期に顕著な下刻は起こっていない。繩文海進期に入ると, これらの地形は埋積されていった。当地域で海面高度が最も高くなったのは, 約7,000y. B. P. である。海進の初期の堆積物は, 主に荒川低地にみられる。海面の上昇とともに, 黒目川の谷口部から1.7-2kmまでが内湾化した。大量の土砂供給を得ることのできた谷口部は, やがて自然堤防ないしは三角州地域へと移行していった。しかし, 谷口部が閉塞されて水深の深い湖水域が形成された形跡はない。より上流側の谷中では, 干潟が拡大し, 徐々に海退が進んだ。海退後には, 多くの場所で沼沢湿地が形成されて現在に至った。
  • 小元 久仁夫
    1992 年 44 巻 2 号 p. 93-100
    発行日: 1992/05/20
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    鬼首盆地の湖成層の堆積年代と, 河成段丘や扇状地の形成年代を明らかにするため野外調査を行い, 試料を採取し14C年代測定を行った。その結果, 次の様な年代資料が得られた。
    1) 鬼首湖成層から採取して最初に測定された試料の年代は27,100±2,270 1,745y. B. P. であった。しかし, その後に鬼首湖成層から採取された10試料の年代は, いずれも測定装置の上限年代である30,740~35,810y. B. P. をこえた。よって鬼首湖成層は少なくとも35,810年以前にすでに堆積していた。2) 荒雄川は4段の河成段丘を形成している。このうち第3段丘である原面と最低位の久瀬面から採取した試料の14C年代から, 原面は1,100~1,400年前に, また久瀬面は約800年前にそれぞれ形成されたことが分かった。3) 盆地南部や西部には小規模な合流扇状地がみられる。盆地南部では合流扇状地を開析する浅い谷があり, この中には黒色土が堆積していた。その下部の14C年代から, 合流扇状地は5,200年前にはすでに形成されていたことが明らかになった。
  • 古谷 尊彦, 阿子島 功
    1992 年 44 巻 2 号 p. 101-106
    発行日: 1992/05/20
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    モンゴル北東部ビンデル付近の氾濫原性低地内に発達する現成アースハンモックは, 旧河道沿いに堆積している粘土質砂層の分布に対応して形成されており, 粘土質砂層の厚い所ほど盛り上がりも大きくなっている。ここでは, アースハンモックの形成は, 母材の堆積環境および微地形を反映した母材の粒度と水分条件によって規定されている。
  • multiple slump の一事例
    八木 令子, 宮城 豊彦, 八木 浩司
    1992 年 44 巻 2 号 p. 107-114
    発行日: 1992/05/20
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    宮城県鬼首盆地の地すべりについて, 微地形とその運動様式, 活動時期を明らかにし, 発生条件については内外の事例との比較を試みた。
    鬼首盆地北滝北西部には, 軟質な細粒堆積物で構成される小起伏の緩斜面を切って, 水平面積15haの地すべりが認められる。地すべり地は, 主滑落崖とその前面のいくつかの Block と二次的な崖によって構成される。これらは, 複数の Block の後方回転, multiple slump によって形成された。これらの地すべりは, 北滝周辺に分布する軟質かつ膨潤な細粒堆積物が, 下刻などで横方向の拘束を失い, 極めて不安定となった結果, 発生したものと考えられる。
    鬼首盆地北滝の地すべりは, 地すべり地内で得られた木片の14C年代値や, 地すべり堆積物と低位段丘面との関係などから, 完新世中期以降, 4,000~3,000y. B. P. 頃から活発化し, その後も活動が継続していることが明らかとなった。
  • 韓 柱成
    1992 年 44 巻 2 号 p. 115-128
    発行日: 1992/05/20
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    韓国忠清北道における市外バスの路線網の展開とバス会社間の競合を分析した結果, 次の諸点が明らかになった。(1) 道内の運行路線は主要都市, とりわけ清州 (道庁所在都市, 道内の最大の都市) と忠州を結ぶ区間に集中して開設されている。なお, 道南部における報恩・沃川間報恩・永同間には郡内バスが運行されているために, 市外バスの路線は開設が最も少ない。(2) 道間路線の多くは, 道内路線を隣接道の主要都市にまで延長したものである。また, 道外の市外バス会社の道内への乗り入れは, 市外バス会社間の路線譲渡によるものである。各社は路線の許認可取得のとき路線縁故度などにより特定路線について既得権をもっている。(3) 忠清北道における, バス会社間の競合は清州・忠州間では忠清北道の市外バス会社間において, 南部地方では忠清南道の市外バス会社と忠清北道の会社の間で, 北部地方では京畿道・慶尚北道の市外バス会社と忠清北道の会社の間でみられる。これは, 忠清北道の地理的位置, 旅客発生が多い京畿道の市外バス会社の運行路線の延長, 大田の存在, 忠清北道の人口の減少などに基因している。
  • 大津 高, 曽 晴賢, 水野 寿彦, 佐藤 五郎
    1992 年 44 巻 2 号 p. 129-131
    発行日: 1992/05/20
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1992 年 44 巻 2 号 p. 132-135
    発行日: 1992/05/20
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1992 年 44 巻 2 号 p. 136-137
    発行日: 1992/05/20
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1992 年 44 巻 2 号 p. 137-140
    発行日: 1992/05/20
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1992 年 44 巻 2 号 p. 142a
    発行日: 1992年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1992 年 44 巻 2 号 p. 142b
    発行日: 1992年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1992 年 44 巻 2 号 p. 142c
    発行日: 1992年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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