季刊地理学
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47 巻, 2 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 青山 高義
    1995 年 47 巻 2 号 p. 91-102
    発行日: 1995/06/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    後氷期に異なった植生変遷をたどったと考えられている。ヒノキアスナロとスギの寒冷環境に対する性質を, 現在の天然分布と気候環境を比較することによって検討した。東北地方において, ヒノキアスナロとスギは, 同じ地域に成育することもあるが, ヒノキアスナロは北上山地などのより乾燥した太平洋側に, スギは日本海側のより湿潤な地域に分布している。特にヒノキアスナロの高度限界は, このような水文環境に関連して, 乾燥側で上昇し, 匍匐形で森林限界を越えるという性質を持っている。すなわち, ヒノキアスナロは年水過剰量700mm, 冬3ヶ月の降水量200~300mmで, 暖かさの指数25℃・month の気候環境で成育することができる。
    最終氷期の温度低下を7℃程度とすると, スギは東北地方が北限地域となって北海道では成育不可能であるが, ヒノキアスナロは降水量が減少した条件下で, 渡島半島で標高約200m, 東北地方で標高約500mまで成育可能で, レフユジアを形成し得たと考えられる。
  • 渡辺 二三彦
    1995 年 47 巻 2 号 p. 103-118
    発行日: 1995/06/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    静岡県西部, 袋井市南部に位置する太田川低地の地形形成過程をボーリング資料の分析, 14C年代測定結果, 遺跡分布, 条里型土地割, 古地図に基づいて考察した。その結果, 以下のような特徴が認められた。
    1) 太田川低地の形成過程において, 西側から天竜川の堆積物が運搬されていたことが明らかになった。この堆積物は約6,000年前に, 内湾化していた太田川低地南部を閉塞し, 低地の潟湖化を促進させた。
    2) 縄文時代から弥生時代にかけての遺跡分布状況の変化を, より詳しくみていくことにより, 約1,900~1,700年前の海水準変動が, 明らかにできた。太田川低地の弥生時代後期の遺跡が, 中期に比べて台地, 丘陵, 低地北部に多く認められるようになることや, 後期の貝塚に鹹水産の貝類が多く産出することなどから, この時期に海水準の小上昇があったことが推定された。
    3) 条里型土地割の分布を調べた結果, 太田川低地南部に条里の空白部分が存在することがわかり, 南部地域は条里制施行後, 陸化したことが推定できた。
  • 横尾 実
    1995 年 47 巻 2 号 p. 119-134
    発行日: 1995/06/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    近代工業が発達する以前の八戸における土地利用パターンの形成過程を明らかにし, その要因を考察する。1930年代半ばの時点で, 江戸時代に起源を持つ旧城下八戸, それと隣接する港町の小中野, 湊, 白銀および鮫では, 街道や港を中心に商店街, 商工混合地区と住宅地区が形成され, 細長い連担市街地が出現した。経済的側面では, 19世紀末以後鉄道が開通し, 港の復興と修築が進行するとともに, 1920年代には漁獲量, 魚粕生産量が増大し, セメント生産と鉱石輸送も加わって産業発展の胎動期に入った。後段では漁業, 工業, 駅そして港を取り上げ, それらが八戸の土地利用パターン形成に対して果たした役割を検討する。
  • チャタリジ テボスリ
    1995 年 47 巻 2 号 p. 135-143
    発行日: 1995/06/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Based on detailed observation of slope form and regolith characteristics, this paper discusses the spatial changes of slope processes and their differences in intensity and frequency on both segments seperated by the lower convex break of slope in a small watershed in the Omatsuzawa Hills. The detailed observation of slope morphology and grain-size analysis of regolith reveal that slope processes are prevalent both on the upper and that lower slope segments in the recent past and more frequent and intensive slope processes were prevailed on the lower slope segment. The lower convex break of slope designated as the Postglacial Dissection Front is a result of more active erosion on the segment lower than the break, but it does not mean non-occurrences of slope processes on the segment upper than the break.
  • 菊地 立
    1995 年 47 巻 2 号 p. 144-147
    発行日: 1995/06/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 消えたカタクリ
    三浦 修, 前川 玲子, 平塚 明
    1995 年 47 巻 2 号 p. 148-151
    発行日: 1995/06/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 47 巻 2 号 p. 152-156
    発行日: 1995/06/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 47 巻 2 号 p. 157-159
    発行日: 1995/06/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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