季刊地理学
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50 巻, 2 号
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  • 大竹 秀則, 青柳 光太郎
    1998 年 50 巻 2 号 p. 105-118
    発行日: 1998/06/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    本稿では, 東北地方における水田転作の対応方式とこれを規定する地域の農業生産構造との関連について, 正準相関分析を用いて分析を試みた。
    正準得点に固有値をかけて重み付けを行い, 市町村の類型化をした結果, 8タイプに分けることができた。(1) 果樹作地帯の果樹作拡大, 強化指向型, (2) 肉牛, 乳牛飼育地帯の飼料作物対応型, (3) 水稲作への執着が強い水田地帯の他用途利用米対応型, (4) 専業農家率が高い畑作地帯の永年性作物対応型, (5) 大規加模水稲作地帯の集団転作及び麦対応型, (6) 小規模水稲作地帯の個別転作対応型, (7) 市部及びその周辺の野菜産地の野菜作強化, 管理預託対応型, (8) 野菜に重点があるものの転作野菜率が低い管理預託対応型。
    転作に対する取り組みが, 地域に適した作物, 転作対応方式を選定しようとする姿勢が表れている。
  • 岡崎 清市
    1998 年 50 巻 2 号 p. 119-125
    発行日: 1998/06/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    砕波帯相似パラメーターで近似される, 波の砕波区分図を用いて, ビーチサイクルにおける波の波形勾配とビーチフェイス勾配の関係のモデル的な考察を試みた。ビーチフェイス勾配の経験式より, 波の周期および底質粒径を一定とすると, 沖波波高が大きくなれば, ビーチフェイス勾配は小さくなり, 沖波波高が小さくなるとビーチフェイス勾配は大きくなる。この関係は, 砕波区分図上で, 反時計回りのループとして表すことができる。また, 砕波帯相似パラメーターにより, 砕波型式, 波の反射率, 相対打ち上げ高さが, ビーチサイクルに関連付けられる。
  • 近年の良食味米の事例
    林 秀司
    1998 年 50 巻 2 号 p. 126-138
    発行日: 1998/06/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    近年育成されたいくつかの水稲うるち米の良食味品種の普及を, GISソフトの Arc/Info を使って作成した作付比率の分布図を用いて, 地域的普及の視点から明らかにした。
    多くの品種の普及地域は育成道府県に限定されているが, あきたこまち, キヌヒカリ, ヒノヒカリ, ひとめぼれは比較的広範囲に普及した。あきたこまち, ヒノヒカリ, ひとめぼれには育成県とその周辺で高い普及率を示す距離減衰的な普及パターンを示すと同時に, 飛地的な普及パターンが認められた。一方, キヌヒカリは明確な普及の中心がみられず, 分散的に普及した。このような水稲品種の普及には, 奨励品種の指定等の政策的要因が影響していることが考えられる。
  • 青山 高義, 長谷川 典夫, 柳瀬 訓
    1998 年 50 巻 2 号 p. 139-153
    発行日: 1998/06/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    東北地方の果樹栽培地域の気候条件を, ソーンスウェイトの方法による可能蒸発散量, 水不足量, 水過剰量を用いて検討した。対象とした果樹は, 温帯性落葉果樹であるリンゴ, ブドウ, モモ, カキである。
    東北地方の果樹栽培地域には, 福島盆地, 山形盆地, 津軽平野南部などの他, 馬淵川中・上流域, 北上川中流域, 横手盆地などがある。これらの地域は, いずれも相対的に可能蒸発散量と水不足量が大きい地域となっており, 乾燥して温度的にも恵まれた地域である。
    全国的に裁培されている北部温帯果樹のリンゴと中部温帯果樹のブドウについて, 主産地における単位面積当たり収量と可能蒸発散量の関係から, それぞれの果樹のポテンシャル収量を明らかにした。最も収量が多くなる可能蒸発散量は, リンゴは約680mm, ブドウは約780mmで, 100mmの違いが認められる。地域的に見た場合, 単位面積当たり収量が最も多くなるのは, リンゴは山形県, ブドウは山梨県である。
    山形県を例として果樹の収量と可能蒸発散量および4月~9月の水過剰量の関係を求めた。ポテンシャル収量は, いずれも可能蒸発散量が680mm~690mmで水過剰量が小さな, 乾燥した条件下で最も多くなる。ポテンシャル収量が最大となる4月~9月の水過剰量は, 果樹によって異なり, リンゴは177mm, カキは95mm, ブドウは29mm, モモは6mmと, リンゴが最も湿潤な条件に, モモが最も乾燥した条件に適応している。水過剰量がこれより大きく湿潤な場合には, いずれも収量の減少が著しいことが明らかになった。
  • 渡辺 信孝
    1998 年 50 巻 2 号 p. 154-156
    発行日: 1998/06/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 金 〓哲
    1998 年 50 巻 2 号 p. 157-159
    発行日: 1998/06/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1998 年 50 巻 2 号 p. 160-163
    発行日: 1998/06/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1998 年 50 巻 2 号 p. 164-167
    発行日: 1998/06/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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