季刊地理学
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52 巻, 4 号
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  • カンザス州南西部カーニー郡を中心として
    仁平 尊明, 二村 太郎, 斎藤 功
    2000 年 52 巻 4 号 p. 251-271
    発行日: 2000/12/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    本研究はカンザス州カーニー郡を事例に, 農地保全政策CRPがハイプレーンズの穀作農業地域にいかなる効果をもたらしたかを, 農業の発展過程と土地の耕作条件をふまえて明らかにした。1986年から施行されたCRP (保全留保計画) は, 耕地を休耕にして自然植生を回復させる代償として, 農家に補償金を支払う政策である。CRPは穀物価格の低迷に悩まされていた穀作農業地域に普及したが, とくに, オガララ帯水層の涵養量が少ない州境地帯は, CRP契約地が最も集中する地域となった。ここは, 降水量の変動が大きい上に, 土壌侵食の危険度が高いため, 夏季休閑や土壌保全対策を必要とする乾燥農業が広く行われてきた。
    カーニー郡におけるCRP契約地は, 谷の周辺などの土壌侵食の危険度が高い場所に加えて, センターピボット灌漑耕地の角地など, 農業生産活動が盛んでない場所に分布する。CRPの補償金は近年減少を続けているが, いまだ休閑を伴う穀作の収入やドライランド (非灌漑耕地) の地代に匹敵する。これらCRPは本来の目標である土壌保全や農家収入の安定ばかりでなく, 野生動物が増加するなど, その環境保護的な効果を発揮している。
  • 高橋 信人
    2000 年 52 巻 4 号 p. 272-282
    発行日: 2000/12/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    季節風に伴う降水量が多い日本海側地域において, 冬季降水量の年々変動の地域性を検討した。まず降水量の年々変動の地点間相関によって日本海側地域を「北海道」,「東北」,「北陸」,「山陰」の4つの地域に区分した。次に, 季節風については日本付近の1,000hPa高度場の東西高度差を Monsoon Index (MOI) として, 低気圧活動についてはその出現頻度を指標とし, それぞれの地域の降水量変動との対応をみた。その結果,「北海道」と「北陸」については季節風「東北」は日本海低気圧,「山陰」は関東沖低気圧の変動が降水量の年々変動の主たる要因となっており, それぞれの地域の降水特性が明らかになった。また,「北海道」と「北陸」の降水量変動の違いは,「北海道」においては副次的に日本海低気圧の影響を受けるためであることがわかった。各地域の降水量と地上気圧場や500hPa高度場の関係を調べると, 季節風や低気圧活動の変動と調和的な結果が得られた。
  • 佐々木 明彦, 苅谷 愛彦
    2000 年 52 巻 4 号 p. 283-294
    発行日: 2000/12/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    三国山地平標山の亜高山帯斜面に分布する泥炭質土層の生成開始期を検討するために, 48地点で土層断面を調査した。その結果, 鬼界アカホヤ (7,200cal y BP), 浅間平標山第3 (6,600cal y BP), 妙高赤倉 (6,600cal y BP), および浅間平標山第2 (6,300cal y BP) などの完新世中期のテフラを挟む泥炭質土層が斜面の随所に分布することが明らかとなった。テフラの年代と分布深度から見積もられる泥炭質土層の平均堆積速度から, 各試坑における泥炭質土層の生成開始年代を推定すると, 早いところで9,000cal y BP頃, 一般には8,000~7,000cal y BPであることが判明した。これは, 他の日本海側多雪山地における泥炭質土層の一般的な生成開始年代と調和的である。一方, 完新世後半に生成し始めた泥炭質土層も存在するとみられるが, その分布は化石残雪凹地の中心部のごく狭い領域に限られる。
  • ロンドン北部緑地の自然
    若生 達夫
    2000 年 52 巻 4 号 p. 295-298
    発行日: 2000/12/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 2000 年 52 巻 4 号 p. 299-301
    発行日: 2000/12/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 2000 年 52 巻 4 号 p. 302
    発行日: 2000/12/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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