季刊地理学
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55 巻, 2 号
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  • 榊原 彰子, 松岡 恵悟, 宮澤 仁
    2003 年 55 巻 2 号 p. 87-106
    発行日: 2003/06/30
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ここ数年わが国の主要都市の都心部では分譲マンションの開発が活発化し, 都心居住を選択する住民が増えている。それら都心部のマンション居住者の実態把握は, 今日の都心空間の変容を解明するうえで重要である。本研究では仙台市の都心部に新規立地した分譲マンションの居住者を調査し, 次のことを明らかにした。(1) 居住世帯は高学歴のホワイトカラーが多く, 世帯類型別では核家族世帯は半数に満たず単身女性や夫婦のみ世帯の多いことが特徴であった。(2) 多くの世帯は都心部近接性のの高さを評価し, 都心内部における移動または郊外からの向心的移動により入居していた。ただし近接性の評価基準は, 若い共働き世帯にとっての従業先, 高齢世帯にとっての医療・文化施設など, 世帯類型により相違がみられた。(3) 居住世帯は都心部における定住意識が強く, 過半は都心居住を継続すると予期される。つまり, 仙台都心部の分譲マンションは, 一定以上の経済力をもち, 近接性や利便性といった機能面を重視する多様な形態の世帯が集住しており, それら都心を志向する世帯の受け皿となっている。
  • 伊藤 修一
    2003 年 55 巻 2 号 p. 107-121
    発行日: 2003/06/30
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    本研究では, 千葉県の都市名とその位置の認知要因の解明を試みた。調査は千葉市の中学生に実施し, 309人から有効回答を得た。千葉県内の31都市の名称とその認知理由, その位置について調査した。その結果, 名称と位置の認知はともに, 基本的に居住地からの距離減衰傾向を示すことが明らかとなった。さらに, 名称と位置の認知率をそれぞれ被説明変数とした重回帰分析結果は, 名称と位置の認知ともに, 経路距離が最大の影響力を示している。実際に, 生徒は生活圏外の都市名を身近な人から都市名を認知しており, 身近な人からの情報が少ない県の北西部の都市はあまり認知されていない。また, 南房総などの観光地を抱える都市は, 居住地からの距離の割に訪問を通じて認知されており, これらの例外的な都市がその距離減衰傾向を弱めている。位置認知では, 県域の末端的位置による視覚的効果が大きく影響しているが, 面積や市界線の形状といった他の視覚的効果の影響は弱い。これは, 生徒が地図を利用する際に市界線を意識していないことに関係している可能性が高い。この結果は, 都市の名称と位置がそれぞれ異なる影響を受け, 異なる過程を経て認知されていることを表している。
  • 渡部 寿郎, 八木 浩司
    2003 年 55 巻 2 号 p. 122-131
    発行日: 2003/06/30
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    本論は, 白神山地東部の湯ノ沢川上流域に位置する地すべり地形を対象とし, 個々の地すべり地形内における一次すべり, 二次すべりあるいはそれ以降に形成された地すべりブロックごとにそれらを覆う火山灰の堆積, 変形状況を観察することで, 各地すべり地形の発達史を明らかにした。調査の結果, 本地域では尾根の末端や稜線直下からすべり落ちたような大規模な一次すべりが最終氷期全盛期~晩氷期には既に形成されていたことが明らかになった。また本地域における地すべり地形のうち, 完新世に形成されたものの多くは現河床に沿った二次, 三次的なものである。
  • 2003 年 55 巻 2 号 p. 132-134
    発行日: 2003/06/30
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 2003 年 55 巻 2 号 p. 135-137
    発行日: 2003/06/30
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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