季刊地理学
Online ISSN : 1884-1252
Print ISSN : 0916-7889
65 巻 , 2 号
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論文
  • 杉浦 直
    2013 年 65 巻 2 号 p. 69-89
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/03/12
    ジャーナル フリー
    本稿は,カリフォルニア州サンノゼ日本町における「エスニックな場所の再構築」過程を,エスニック表象分析に重点をおいて検討・考察したものである。まず,1)当該日本人街における近年のシンボル創造を中心としたエスニックな自己表象の媒体(記号表現)及びその提示経緯を分析・記述し,2)それらの表象が発するメッセージ(記号内容)を解読する。さらに,3)それら表象行為が進行する社会的及び文化・心理的な文脈を検討し,表象によって進展する「エスニックな場所の再構築」過程の性質と,それがエスニック都市空間(エスニック・タウン)の現状や将来にとってもつ役割と意味を考察する。
     サンノゼ日本町では,1980年代から90年代初頭にかけての再活性化計画と2000年代に入ってからのランドマーク・プロジェクトによって,日本町の存在とアイデンティティを表象する豊富なシンボル群が創造された。これらのシンボル群は,強い政治的メッセージを欠く文化的次元のものに留まっており,Rowntree and Conkey(1980)の「ストレス-シンボル化」理論に照らすとき,なお初期相の段階にあると言える。しかし,これらは日本町の範囲と構造を目に見える形で示し,この空間のエスニシティの再確認・再強化に寄与している。
研究ノート
  • 田村 俊和, 瀬戸 真之
    2013 年 65 巻 2 号 p. 90-98
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/03/12
    ジャーナル フリー
    湿潤温帯低山地に位置する福島県御霊櫃峠の風衝砂礫地での観察・観測に基づき,このような景観が,局地的な強風,凍結・融解だけでなく,その他の作用も含む地表環境のバランスによって維持され,またそのバランスの変化で少しずつ移動している過程を考察した。
  • 曽根 敏雄, 瀬戸 真之, 田村 俊和
    2013 年 65 巻 2 号 p. 99-106
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/03/12
    ジャーナル フリー
    寒冷地斜面の地表面における礫の移動量観測は,これまで各地で行なわれてきた。しかし軽便な観測装置がないことから,連続的な観測はほとんど行なわれていなかった。そこで連続的な観測が可能である礫の移動量記録装置を試作した。この装置は回転式ポテンショメーターを用い2 mまでの移動を観測できる。野外観測時の温度変化に対する本装置の安定性を確認するため,室内試験を行なった。その結果,本装置の温度依存性は0.2 mm/10°C程度であり,移動量観測には十分な安定性と精度を持つことが確かめられた。この装置を用いて,風衝砂礫地の分布する福島県御霊櫃峠において2008∼2009年冬と2009∼2010年冬に野外観測を行なった。その結果11∼4月の間に表面礫が合計40∼50 cm移動しており,数cm以下の小規模な移動が分散して生じていることが判明した。礫の移動の多くは,凍土もしくは霜柱の融解時に生じたと考えられ,礫の移動時期,移動量に加えて,移動様式を議論できる資料を得ることが出来た。
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