季刊地理学
Online ISSN : 1884-1252
Print ISSN : 0916-7889
67 巻 , 3 号
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論説
  • 阿部 和俊
    原稿種別: 論説
    2015 年 67 巻 3 号 p. 155-175
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/01/14
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は,経済的中枢管理機能を指標として日本の主要都市を位置づけ,その都市システムを検討することにある。対象とする年次は2010年である。経済的中枢管理機能とは,通常,民間大企業の本社と支所のことであり,本稿では2010年の上場企業2,442社を民間大企業とする。まず,本社から主要都市をみると,東京は1,072(全企業の43.9%)の本社を持ち,大阪がこれに次ぎ,309(12.7%)の本社を持つ。しかし,複数本社制を考慮し,第2本社の方を実質的な本社とみなすと,東京の本社数は1,189(48.9%),大阪のそれは259(10.6%)となり,両都市の差は大きくなる。支所数においても,最多都市は東京であり,大阪,名古屋がこれに続く。その差は本社数ほど大きくはない。また,業種・上下関係・テリトリーを分析すると,支所数多数都市ほど「鉄鋼諸機械」部門が多いことが指摘できた。上下関係からは,東京・大阪・名古屋・福岡・仙台・広島・札幌・高松の各都市が上位にあること,そしてこれらの都市が広域のテリトリーを持っていることが指摘できた。さらに,本社と支所の従業者数を考慮して,各都市の経済的中枢管理機能量を算出した。これと企業の支所配置から日本の主要都市の都市システムを提示した。
研究ノート
  • 阿部 智恵子, 若林 芳樹
    原稿種別: 研究ノート
    2015 年 67 巻 3 号 p. 176-190
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/01/14
    ジャーナル フリー
    本研究は,従来は注目されることが少なかった大都市圏外の地方都市を対象にして,子育て支援センターでのサービス供給と利用の両面から,子育て支援へのニーズの地域的特徴と課題を明らかにした。対象地域である石川県かほく市における子育て支援センターの利用者は,多くが専業主婦で,閉じこもり予防,親子の友達づくり,ストレス解消を主たる目的として利用していた。とくに,共働き世帯が多いかほく市では,専業主婦は少数派であるため,孤立を防いで当事者同士が交流する場として子育て支援センターを活用している。利用者の中には,市外の施設も含めて複数の子育て支援センターを使い分けているケースも少なくない。これは,市域が狭く自家用車の利用者も多いため,市内での移動が比較的容易であることも背景となっている。そのため利用者は,職員の対応や雰囲気によって施設を選んでいる面がある。一方,支援する側の職員に対する調査からは,子どもだけを預かる保育所とは異なり,親のケアに関する専門性も求められるため,戸惑う職員が少なくないことが明らかになった。
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