季刊地理学
Online ISSN : 1884-1252
Print ISSN : 0916-7889
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68 巻 , 2 号
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研究ノート
  • 平野 能子, 塩川 亮
    原稿種別: 研究ノート
    68 巻 (2017) 2 号 p. 87-99
    公開日: 2016/09/15
    ジャーナル フリー

    近年における釜山港・上海港など東アジア諸港湾の著しい台頭により,かつて東アジアのハブ港として発展してきた京浜港・阪神港など日本の主要港湾は,相対的にその地位を低下させている。そこで,日本政府は,主要港湾の国際的な競争力の強化を目的として,「選択」と「集中」という港湾政策を打ち出した。本研究は,上記のような状況下で,地方港の中でコンテナ取扱量の多い清水港について,そのコンテナ貨物流動の実態を,内陸通関拠点や他港との関連で分析を試みた。
    まず,清水港の外貿コンテナ流動について,1980年代と2010年代の比較を行い,静岡県内で京浜港の影響力が低下し,清水港が京浜港のフィーダー港から脱却する傾向が見られるようになったことが明らかになった。次いで,静岡県内の港湾を利用している製造企業を対象としたアンケート調査により,コンテナ流動の実態について分析し,県中部地域は地理的に近い清水港からの積出が多いが,県西部地域は名古屋港の影響を大きく受けていること,貿易相手国が北米からアジア各国が主になったこと等が明らかになった。
    「選択」と「集中」を理念として,主要港湾を中心に高度化・効率化をめざした港湾政策の下で,清水港は生き残りのために独自の展開をしている。

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  • 手代木 功基, 藤岡 悠一郎, 飯田 義彦
    原稿種別: 研究ノート
    68 巻 (2017) 2 号 p. 100-114
    公開日: 2016/09/15
    ジャーナル フリー

    トチノミ食文化に関する研究では,これまでトチノミの加工技術やトチノミ加工食品の地域的な差異が明らかにされてきた。一方で,トチノミ加工食品は都市住民も含めた観光客の需要に応えるなかで商品化が進み,自家消費を中心とした利用形態から変容している。本稿では,地域の特産品などを販売し,全国の山間地域に数多く分布する道の駅に注目し,トチノミ食の地域的な分布状況を明らかにした。道の駅販売所への電話調査およびアンケート調査の結果,従来から全国的に利用が知られるトチモチが広範囲で販売されていることが明らかとなった。また,トチノミセンベイやトチノミカリントウ,トチノミアメといった多様な商品が販売されていた。生産者に注目すると,トチモチが個人や組合による生産が多い一方,他の製品は企業による販売が多い傾向がみられた。そして,トチノミ加工食品はトチノミ食文化が根付いていた地域で販売される傾向があったが,食文化が根付いていない地域においても販売されていた。

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  • 杉浦 直
    原稿種別: 研究ノート
    68 巻 (2017) 2 号 p. 115-130
    公開日: 2016/09/15
    ジャーナル フリー

    本論文は,カリフォルニア州サンノゼ市における日本人街(サンノゼ日本町)の生成と歴史的展開を,特にその空間構成,すなわち商店を中心とする各種施設の構成とその空間的配置の変容に着目して分析・検討し,この日本人街の地理的・歴史的性格及び日本人街としての存続理由を考察したものである。同日本町は,19世紀末から20世紀初頭にかけてサンタクララ平原の日系人農業労働者コミュニティの中心として生成し,1910年代までには小売り業,サービス業,コミュニティ施設などのバランスのとれた日本人街として成長した。その後,戦中の中断期を経て戦後の日系人再定住期に再建され,現在は再活性化策などの影響もあって施設数が増加し,中心部に小売り店舗,特に日本食レストランが集中する盛り場として存続している。総じて,空間的構造の大きな変化は見られず,小規模な日系エスニック・タウンとして今日まで存続してきたと言える。大規模な再開発を経ずに存続できた理由としては,ホスト社会との良好な関係,都市計画のダイナミズムの弱さ,コミュニティ組織との協同を重視する再開発公社の方針など外的要因,諸組織の協力体制の構築など内的要因が複合的に働いたことが考えられる。

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  • 甲斐 智大
    原稿種別: 研究ノート
    68 巻 (2017) 2 号 p. 131-147
    公開日: 2016/09/15
    ジャーナル フリー

     本研究では,保育労働力の供給構造に関する地域的差異の発生実態を,保育労働市場における労働力需給の状況および,家庭内での保育者の位置づけ,保育職に対する家庭内での評価を分析することから明らかにした。
     対象地域は保育サービスが充実しているとされる石川県とし,人口が減少傾向にある能登地域と人口が増加傾向にある加賀地域に分けて分析を行った。
     能登地域においては,保育ニーズは縮小しており,保育施設が地域内の女性の就業先として重要な雇用機会となっている。また,能登地域の保育者は,3世代同居世帯に属す者の割合が高い。そのため,家族からの就業継続のための支援が得られやすい環境にあり,正規雇用で長期間,勤務を継続する保育者の割合が高くなっている。その結果,新規学卒者に対する労働力需要が小さくなっている。
     他方,加賀地域においては,保育ニーズが高まっており,保育者は多様な雇用形態での勤務を選択することが可能となっている。また,加賀地域では,家事や子育ての負担が大きく,正規保育者として長期間勤務することが難しい現状におかれている保育者の割合が高くなっている。その結果,新規学卒者に対する正規保育士としての労働力需要が大きくなっている。
     以上のように,保育労働力の需給構造の地域的差異が,保育者の年齢構成の大きな地域的差異をもたらしていることが明らかになった。

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