天理医療大学紀要
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最新号
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  • ―リベラルアーツの旅―夏の終わりに
    奥村 和夫
    原稿種別: エッセイ
    2023 年 11 巻 1 号 p. 60-64
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/11/02
    ジャーナル フリー
  • ―現場における工夫と実際―
    山本 慶和, 金井 恵理
    原稿種別: 検査技術報告
    2023 年 11 巻 1 号 p. 51-59
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/11/02
    ジャーナル フリー
     適切な医療の遂行には,正確で精度が高く施設間のばらつきのない安定した検査データが不可欠である。病院内臨床検査室や衛生検査所では高い検査精度を保つために内部精度管理や外部精度管理が実施されている。天理よろづ相談所病院の臨床検査室では,正確性の伝達の確保・保証(標準化),Xbar-Rs-R管理図法を用いた測定系の管理,患者個人における測定値の管理などを通して検査精度の向上に努めてきた。また検査情報室の設置などを通して,分析時の精度管理だけでなく検体採取から検査報告までを含めた総合的精度保証にも取り組んでいる。本稿では精度管理の実際と現場での工夫について報告し,最後に外部精度管理の現状についても紹介する。
  • 戸田 好信
    原稿種別: 検査技術報告
    2023 年 11 巻 1 号 p. 45-50
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/11/02
    ジャーナル フリー
     患者さんより採取した生検組織標本作製において, 的確な病理診断を行うには最適な固定, 包埋, 薄切, 染色を施した病理標本が重要になる。また病理標本作製工程においては経験豊富な病理臨床検査技師の技術に委ねるところも多くある。本稿では生検組織標本作製の実際と重要なポイントについて報告する。
  • 金井 恵理
    原稿種別: 総説
    2023 年 11 巻 1 号 p. 36-44
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/11/02
    ジャーナル フリー
     わが国で初めて難病が定義されたのは1972年である。新たに2015年難病法では,①発病の機構が明らかでなく,②治療方法が確立していなくて,③希少な疾患であり,かつ④長期の療養を必要とする疾患,と位置付けられた。2022年現在338疾病が指定難病であるが,拡張型心筋症と肥大型心筋症は,難病法施行以前より難病として認識されていた循環器難病である。難病はその希少性ゆえに研究や治療が進まないことが問題である。しかしながら心筋症に関しては,近年の病因に関する研究や治療の進歩が著しい。元々原因不明であったのが最近では遺伝子変異が関わることがわかってきて,それに従い定義や分類も変わってきた。治療の進歩により病状の進行を遅らせることにも成功している。難病患者の支援にも進歩が見える。難病相談支援センターの設置など,以前と比べて様々な立場の人たちが関わってきめ細やかな患者支援が可能になってきた。しかしながら難病のなかには,特に患者数の少ない疾病など,以前と状況があまり変わっていないものも見受けられる。引き続き,研究・治療・患者支援と多角的な方面から難病に取り組むことが必要と考える。
  • ―Margaret A. Newman理論に基づく看護実践をめざして―
    松井 利江, 森 知美
    原稿種別: 看護実践報告
    2023 年 11 巻 1 号 p. 30-35
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/11/02
    ジャーナル フリー
     本稿は,拡張する意識としての健康の理論に基づく看護実践の探求を意とする奈良ニューマン理論・実践学習会の7年間の活動を振り返り,本学習会の意義を考察する。2~3か月毎に行う文献抄読と実践を語り合う対話によって,参加者は全体論の視点で現象を捉えることができるようになり,看護実践に変化を生んでいること,学習会の場が共に成長できる場であると認識していることが示唆された。
  • ―天理市看護職連携会議7年間の活動実績―
    河合 のり子, 奥田 眞紀子, 佐々木 ひとみ, 畝本 智美, 下川 久仁子, 竹本 薫, 堀田 陽子, 南本 祐美, 原 里美, 中村 富 ...
    原稿種別: 看護実践報告
    2023 年 11 巻 1 号 p. 22-29
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/11/02
    ジャーナル フリー
    【背景と目的】
     天理市看護職連携会議(通称いちごの会)は, 2015年に天理医療大学教員,天理市役所保健師,天理市地域包括支援センター,居宅介護支援事業所の看護師資格を持つ介護支援専門員,天理市内の病院等の看護職が集まり,天理市が委嘱状を発行し看護職の協働ネットワーク組織として活動を開始した。本報告は,いちごの会の過去7年間の活動の実績とその成果について省察し,今後の課題を考察することを目的とした。
    【活動の実際1(2015年4月~2020年3月) ~黎明期の取組み~】
     患者や家族が住み慣れた地域で最期まで過ごせる仕組みを構築することを目指し,5年間は研修会と訪問看護体験の実施を行った。研修会は10回開催し,情報共有や毎回グループワークの手法を取り入れ,意図的に意見交換の場づくりを行った。顔の見える関係づくりから「ケアの目的が理解し合える連携」ができる関係性の構築に発展できるようにさまざまな看護職の具体的な実践を学ぶ内容とした。その結果,病院から地域へ,地域から病院へ,医療機関や事業所の連絡が取りやすくなり,ケアの繋がりが実感できるようになった。
    【活動の実際2(2020年4月~2021年3月) ~充実に向けた変革~】
     天理市福祉政策課より,今後の会議は研修から市民への情報発信や教育に取り組むべきだとの提案が出された。地域住民の支援課題は,複合的な課題を持つケースが増加する一方で,健康な時から終末期にどこまで治療を希望するかを考えるアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の啓発の重要性が合意された。いちごの会における行政との協働は,病院や事業所の組織を越え,社会貢献を主とする事業としての活動をサポートし,会の継続と発展のために有効な役割を果たしていた。
    【今後の課題】
     今後の課題は,地域包括ケアの視点に立ち「ACPについて市民に啓発する」活動を具現化することであると認識された。
  • 山中 政子, 高橋 晶, 森 知美, 前川 理恵子
    原稿種別: 原著
    2023 年 11 巻 1 号 p. 8-21
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/11/02
    ジャーナル フリー
    【目的】
     本研究の目的は,看護師国家試験総得点と模試総得点および学習動機づけ,自己調整学習方略,学習行動との関係を明らかにすることとした。
    【方法】
     第111回看護師国家試験を受けたA大学4年生に自記式アンケート調査を実施した。計4回の模試総得点と学習動機づけ尺度14項目,自己調整学習方略尺度18項目,学習行動12項目を調査し,国家試験総得点で比較した。
    【結果】
     分析対象は41名(高得点群30名,低得点群11名)。高得点群と低得点群ともに模試1回目~4回目の得点は上昇傾向にあった。高得点群と低得点群を比較した結果,学習動機づけにおいては,「希望する職業に必要だから」などの5項目で高得点群の方が有意に高く,「親がうるさいから」のみ低得点群の方が有意に高かった。自己調整学習方略においては,「何を求められているのか考えてから課題をやる」などの3項目で高得点群の方が有意に高かった。学習行動においては,「アプリや書籍で過去問題を解いた」は高得点群の方が有意に高く,11月の学習時間,動画視聴,予備校活用は低得点群の方が有意に高かった。
    【結論】
     模試1回目から4回目の総得点は両群ともに上昇していた。また,国家試験総得点と学習動機づけ,自己調整学習方略,学習行動との関係が示された。今後は,国家試験合格だけを目標にするのではなく職業的価値を意識付けて学習の意義を明確に自覚させる関わりが必要と考える。
  • 佐上 裕子
    原稿種別: 短報
    2023 年 11 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/11/02
    ジャーナル フリー
     2022年前期,COVID-19の感染拡大により医療体制がひっ迫したことに伴い,COVID-19陽性者(以下,陽性者)・濃厚接触者は自宅療養を余儀なくされるケースが急増した。このような状況の中,同居家族が陽性となり自宅療養を経験することとなった。家庭内感染のリスクが高くなると言われている自宅療養において,「ナイチンゲール看護」を実施した。このことが家庭内感染を防ぎ,陽性者の安楽と早期回復を促すことに繋がったと考える。
     ナイチンゲール看護は,看護実践の基礎となる原理・原則に関する哲学的な方向づけとなる看護に焦点を当てた哲学的アプローチであり,どのような状況であっても「すべてのケア提供者」にとっての手引きとなり実践に活かすことができる。
     今回COVID-19自宅療養で行った看護を,ナイチンゲール看護に基づき「自宅療養」「感染対策」「看護者の負担」「自宅療養を支える健康医療システム」「プライマリ・ケアや地域包括ケアシステムにおける看護師の役割」の観点から振り返った。特に「自宅療養」においては,『看護覚え書』に記されている1. 換気と暖房 2. 住居の健康 3. 小管理 4. 物音 5.変化 6.食事 7.食物の選択 8.ベッドと寝具類 9.陽光 10.部屋と壁の清潔 11.からだの清潔 12.おせっかいな励ましと忠告 13.病人の観察,の項目ごとに実践内容を具体的に振り返った。
     今回,実践した看護を「ナイチンゲール看護」を基に振り返ることで,看護の対象は陽性者や濃厚接触者だけでなく,療養生活を支える看護者も含まれることを再認識した。また,病人への看護だけでなく同居する家族の健康を維持するための看護内容についても考えることができた。看護が担う役割は,プライマリ・ケアや地域包括ケアシステムの中においても大きくその役割を果たすことは,地域で暮らす人々に健康問題が生じた場合においても住み慣れた場所で安心して暮らせることに繋がると言える。
  • 原稿種別: 目次
    2023 年 11 巻 1 号 p. i-ii
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/11/02
    ジャーナル フリー
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