Thermal Medicine
Online ISSN : 1882-3750
Print ISSN : 1882-2576
ISSN-L : 1882-2576
24 巻 , 2 号
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Review
  • 森 英一朗, 高橋 昭久, 大西 武雄
    2008 年 24 巻 2 号 p. 39-50
    発行日: 2008/06/20
    公開日: 2008/08/05
    ジャーナル フリー
    ハイパーサーミアは様々なタイプのがん患者の治療に広く用いられている. しかしながら, 温熱誘導細胞死に関する分子機構については十分に解明されていない. タンパク質変性は温熱処理によって引き起こされる損傷の主なタイプとして知られているが, 最近の研究によってDNA二本鎖切断 (DSB) が温熱誘導細胞死において重要な役割を果たしていることが明らかになってきた. 本総説では, 特に温熱感受性と温熱耐性におけるDSBの生成・修復の意味について考察する.
Original Papers
  • バレンチナ オスタペンコ, 越田 紗葉, 片平 亜矢子, 平坂 尚久, 西川 治, 西出 孝啓, 西出 巖, 湯川 進
    2008 年 24 巻 2 号 p. 51-59
    発行日: 2008/06/20
    公開日: 2008/08/05
    ジャーナル フリー
    生活の質 (QOL) の改善は進行がん患者における治療目的のひとつであると考えられる. 今回我々は, 局所温熱療法 (HT) と化学および放射線療法の併用治療を受けたがん患者に対しQOLの評価を行った. 対象はがん患者89名 (M/Fは44/45) で, QOL評価は, European Organization for Research and Treatment of Cancer (EORTC) QOL Questionnaire Core 30, 日本版を用いた. 評価は, HT療法開始前と8回後に行った. さらに, 長期温熱療法を施行した14名の患者に対し, 16回, 24回, 30回後に行った. その結果, 性と年齢がQOLの様々な面に影響を与えることがわかった. 女性患者が社会面に関して改善率は高かったが, 逆に身体面では男性患者に比べ低い事が判明した. 年齢別に比較すると, HT前に60歳未満の患者は経済状況の低下を認めたが, 治療後では60歳未満, 60歳以上の患者共に悪化はなかった. 食欲の回復については60歳以上の患者の方がHT後に改善を認めた. 疾患別に見ると, QOL改善が特に良かったのは, 乳がんと肺がん患者であった. 長期温熱療法の結果に関して, 観察期間中のQOLは安定していた. 以上のことから, 局所温熱との併用治療によって, 身体的, 社会的, および精神的なQOLは改善される事が証明された. さらに, 治療前の精神状態および治療中QOL改善は治療効果にも良い影響を与えられると考えられる.
  • 石原 康利, 亀山 泰幸, 井野 祐一郎, 和田森 直
    2008 年 24 巻 2 号 p. 61-72
    発行日: 2008/06/20
    公開日: 2008/08/05
    ジャーナル フリー
    我々は生体内深部の局所領域を非侵襲に加温するために, リエントラント型空胴共振器を利用した加温システムの開発に取り組んでいる. これまでに, リエントラント型空胴共振器の小型化, ならびに, 動的計画法に基づく最適化により, リエントラント電極間に形成される電界分布を局在化できることを示してきたが, 頭頸部等に局在するがんを選択的に加温するためには, より優れた電界分布の局所化が必要となっている. そこで今回, リエントラント電極と被検体との間に誘電体を装荷することで, 電極間に形成される電界分布を絞り込むことを提案し, 装荷誘電体の形状・サイズに関する最適化を試みた. 3次元有限要素法を用いた数値解析, ならびに, 試作機を用いた基礎実験の結果, リエントラント電極間への誘電体装荷により, 電界分布をアプリケータの半径方向に10~20%絞り込めることを明らかにした. また, アプリケータの長軸方向に電界を集束するために, 誘電体装荷により電界分布をビーム状に形成した後, この電界分布を回転しながら被検体に印加することが有効であることを示した.
  • 丹下 裕, 金井 靖, 斉藤 義明
    2008 年 24 巻 2 号 p. 73-81
    発行日: 2008/06/20
    公開日: 2008/08/05
    ジャーナル フリー
    数値解析と加温実験により, 深部癌温熱治療用立体空洞共振器の加温特性を検討した. まず初めに, 数値解析により, マックスウェルの方程式と熱伝導-熱伝達方程式を解き, 血流の無い誘電体ファントムの加温分布を求めた. 誘電体ファントムには, 電磁波から非加温部を保護するために, 導体キャップを装着した. 以上の数値解析を踏まえ, 加温実験を行ったところ, 深部癌の加温の可能性を示した.
     次に, 実際に近いケースとして, 人体器官と血流を模し, 導体キャップを装着した簡易人体モデルを作成して, 数値解析を行った. その結果, 正常組織と比較して, 腫瘍部がより高温になることが分かった. したがって, 導体キャップを用いた本加温システムは, 深部癌の治療が出来ると考える.
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