Thermal Medicine
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24 巻 , 3 号
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Review
  • 別府 透, 堀野 敬, 小森 宏之, 杉山 眞一, 増田 稔郎, 林 洋光, 岡部 弘尚, 太田尾 龍, 崔 林承, 林 尚子, 渡邊 雅之 ...
    2008 年 24 巻 3 号 p. 83-89
    発行日: 2008/09/20
    公開日: 2008/11/07
    ジャーナル フリー
    肝切除と全身化学療法の組み合わせは大腸癌肝転移治療の標準的な治療法である. 最近, マイクロ波やラジオ波による熱凝固療法が切除不能, 一部切除可能な大腸癌肝転移に施行されている. 大腸癌肝転移に対する熱凝固療法の英語文献のreviewと私たちの施設の成績を報告した. ラジオ波凝固療法 (RFA) は世界中で, マイクロ波凝固療法はおもにアジアで施行されている. 経皮的および腹腔鏡/開腹によるRFAの治療部位再発率は, 3 cm以下で16%と4%, 3-5 cmで26%と22%, 5 cm以上で60%と50%であった. 肝腫瘍に対する大規模なstudyではRFAの死亡率は0.3%, 術後合併症率は7.2%と低率であった. 大腸癌肝転移のRFA後の播種再発は1.4%であった. 切除不能大腸癌肝転移の5年累積生存率はMCTで29%-36%, RFAで14%-35%と良好であったが, 切除可能例の長期予後は明らかでない. われわれの経験では, 効果的な化学療法後に肝切除と同時にRFAが施行された肝転移巣 30結節で治療部位再発を全く認めなかった (平均腫瘍径1.7cm, 平均観察期間 26ヵ月). 結論として, 1) 大腸癌肝転移の熱凝固療法は血管に近接しない切除不能例を対象として, 経皮的では3 cm以下, 手術的アプローチでは5 cm以下に限定して行うべきである. 2) 効果的な化学療法後のRFAの局所コントロール能は極めて高い. 3) 切除可能大腸癌肝転移に対する熱凝固療法の是非は比較試験がないため, 未だcontroversialである.
Original Paper
  • 炭 親良, 内田 達也, 南 昭成
    2008 年 24 巻 3 号 p. 91-99
    発行日: 2008/09/20
    公開日: 2008/11/07
    ジャーナル フリー
    著者らは以前に, HIFU (high-intensity focus ultrasound) などの加熱治療を行った際の病変の診断やモニタリング, また, 治療計画を行うために, 生体組織の熱物性として熱伝導率や熱容量, また, 熱拡散率を再構成する技法を報告している. 具体的には超音波や核磁気共鳴を用いて組織関心領域内の温度分布を計測し, さらには熱物性の参照値を関心領域内に設けることにより, bioheat transfer equationsを熱物性分布に関する連立1階偏微分方程式として解くものである. 本技法によれば, 血流による灌流や加熱源と吸熱源を共に再構成することも可能であるが, 本稿では加熱と灌流を停止した後の再構成を行う場合が扱われている. この場合の再構成の実行可能性がシミュレーションにより実証されており, 著者らの提案した再構成技法を用いることにより, minimum invasive 治療が実現されるものと期待される.
  • - 臨床例5例の加温結果および臨床結果を基に -
    青柳 裕, 齊藤 一幸, 堀田 洋稔, 伊藤 公一, 田中 博俊, 辰野 聡, 三井田 和夫, 清水 桜, 兼平 千裕
    2008 年 24 巻 3 号 p. 101-111
    発行日: 2008/09/20
    公開日: 2008/11/07
    ジャーナル フリー
    1本のアンテナで組織内加温が可能であれば, 侵襲性が低くなり, 適応も広がる. 我々は, 1本のみのアンテナで加温するときの理想的温度分布の形, すなわち腫瘍の一般的な形に近い球形の温度分布を示すアンテナを開発した. そしてさらに, 対象となる腫瘍の中心と, 球形の温度分布の中心を一致するようにアンテナを刺入する技術を考案した. 均一な温度分布を得ようとする従来の温熱療法の考え方とはべつに, 1本のアンテナでも出力を大きくすることにより中心部はablation, 周辺部は温熱療法による "熱" による治療が可能になると考えた. 我々は, 根治を目的とした放射線併用microwave組織内加温症例5例を経験した. 4例は鎖骨上または鼠径リンパ節転移, 他の1例は軟口蓋原発腫瘍であり, いずれも唯一の病巣である. 加温装置は市販のablation用の装置を用いた. 7.3ヶ月-4年9ヶ月, 平均2年2ヶ月の経過観察で, 腫瘍は3.0-7.0cm (平均4.5cm) と大きいがすべて制御されていた. 2例は2-4本のアンテナを用いたが, 他の3例は1本のみのアンテナでの加温であった. これら3例のすべてのセッションにおけるアンテナの出力は1本で10-15Wと大きく, このため腫瘍中央部ではアンテナを中心にすべて47-66°Cまで上昇していた. この温度領域を考えると, これら3例では腫瘍中心部の広い範囲で凝固壊死がおきていた可能性が高い.
     1本のアンテナによる組織内加温の利点は以下の3点である. 1) 多本数のアンテナを用いた組織内加温に比べ, 侵襲製が低く, 施行が容易で適応症例が多くなる. 2) 放射線療法との併用の観点からは, 腫瘍の中心部の低酸素で放射線抵抗性な部分はablationが行われるため, 局所制御率が高まる. 3) 腫瘍に神経や血管または正常の皮膚や粘膜が接しているとablationは適応にならないが, 本法では施行可能である.
     さらに発展的に考えると, 多本数のアンテナを用いた組織内加温でも, 意図的にアンテナをより腫瘍の中心に集めた配列をとれば, 中心と周辺の温度差を大きくし, 腫瘍中心部にablationの効果を期待できると思われる.
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