Thermal Medicine
Online ISSN : 1882-3750
Print ISSN : 1882-2576
ISSN-L : 1882-2576
25 巻 , 1 号
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Review
  • 梶原 淳久, 高橋 昭久, 大西 武雄
    2009 年 25 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 2009/03/20
    公開日: 2009/05/11
    ジャーナル フリー
    ハイパーサーミアによるがん治療を効率よく行うために, 温熱応答に関わるシグナル伝達因子のはたらきを選択的に制御し, がん細胞の増殖を抑制しようとする分子標的がん治療が近年注目されている. 温熱応答に影響を受ける細胞内シグナル伝達にはp53を介した経路, JNKを介した経路, Aktを介した経路, NBS1を介した経路, 古典的MAPキナーゼ経路およびp38-MAPキナーゼ経路がある. これらはそれぞれ細胞死, 細胞生存, 細胞増殖, および細胞分裂停止などを誘導する. 我々はこれまでにcDNAアレイとプロテインマイクロアレイを用いて, 温熱によって誘導される遺伝子とタンパク質の発現を分析してきた. この論文では, これまでの知見と我々の研究結果をふまえて, 温熱に誘導される遺伝子およびタンパク質について紹介する.
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  • 高橋 昭久, 大西 武雄
    2009 年 25 巻 1 号 p. 13-23
    発行日: 2009/03/20
    公開日: 2009/05/11
    ジャーナル フリー
    誘導型のHSPは細胞保護における多様な役割が示唆されてきた. 一方, 我々はHDM2の活性化, p53細胞内蓄積の減少, iNOSの誘導を介したNOラジカルが, あらかじめの放射線照射による温熱および放射線抵抗性のイニシエータであることを報告してきた. 本研究の目的はあらかじめの温熱処理による温熱および放射線抵抗性の獲得におけるp53, HDM2, iNOS, NOラジカルとHSPの影響を明らかにすることである. p53欠損型ヒト肺がん細胞H1299由来の正常型p53細胞と変異型p53細胞を実験に用いた. 生存率はコロニー形成法を用いた. 正常型および変異型p53両細胞で, RITA(p53-HDM2相互作用阻害剤), アミノグアニジン (iNOS誘導阻害剤) とc-PTIO (NOラジカル消去剤) の有無にかかわらず, KNK437 (HSP誘導阻害剤) の存在下のときのみ, あらかじめの温熱処理による温熱および放射線抵抗性の獲得が消失した. あらかじめの温熱処理によるHSP誘導が温熱および放射線抵抗性の獲得に寄与していることが示唆された.
Rapid Communication
  • GEORGIOS I. SOMAKOS, 高橋 昭久, 森 英一朗, 大西 武雄
    2009 年 25 巻 1 号 p. 25-34
    発行日: 2009/03/20
    公開日: 2009/05/11
    ジャーナル フリー
    γH2AXフォーカスの計測と分析はDNA二本鎖切断 (DSBs) の高信頼のおける指標であると広く考えられている. フォーカス計測の最も頻繁に使用された方法は手動で, 多くの欠点があった. ここでは手動の計測に代わる簡単・客観的・迅速なコンピュータによる方法を紹介する. この新しい方法により, 人為ミスを排除することを提案する. コンピュータによる (i) 5回の画像フィルタリング処理ステップ, (ii) フォーカスの計測または分析ステップの2つの過程から成る. 計測ソフトによって測定可能とするため, 3D焦点距離を光学強度に変換することによってフォーカスの縁の鮮明さを増加させて, 一般的な標本誤差を補い, ぼやけたイメージとフォーカスを重ねるためのフィルタリングを行っている. この信頼できるフォーカスの計測によって, 結果を客観的に比較することができるようになる. 将来的には, 顕微鏡イメージのバッチ (同一プログラムで一括処理されるジョブ) が自動的に処理されるようになるであろう. システムには異なるタイプの免疫蛍光染色によるフォーカス分析などの汎用性がある. また, 計測の主観性を排除して, 信頼性を増加させることで, 統一されたコンピュータの計測方法の基礎の確立が期待できる.
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