Thermal Medicine
Online ISSN : 1882-3750
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27 巻 , 1 号
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Review
  • 美馬 浩介, 別府 透, 増田 稔郎, 太田尾 龍, 三宅 慧輔, 岡部 弘尚, 近本 亮, 林 尚子, 石河 隆敏, 高森 啓史, 馬場 ...
    2010 年 27 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2011/03/20
    公開日: 2011/04/13
    ジャーナル フリー
    新規抗癌剤 (オキサリプラチン, イリノテカン) や分子標的治療薬 (ベバシズマブ, セツキシマブ) の登場により, 初診時に切除不能と診断された症例でも切除可能となり, 長期生存が望めるようになってきている. 一方, 肝細胞癌治療に用いられてきたラジオ波凝固療法 (RFA) は近年大腸癌肝転移の治療に応用されている. しかし大腸癌肝転移に対するRFAの有効性や安全性を, 手術や全身化学療法と比較した大規模臨床試験はない.
     大腸癌肝転移に対するRFAに関して, サンプルサイズの大きな後ろ向き研究 (RFA施行例が40例以上) が現在まで5報ある. いずれも, 患者背景やアプローチが異なるが, 3年, 5年累積生存率はそれぞれ42~57%, 21~37%で, RFA治療部位再発の頻度は9~15%であった. RFA施行前またはRFA施行後に新規抗癌剤 (オキサリプラチン, イリノテカン) や分子標的治療薬 (ベバシズマブ) による化学療法を施行した報告における5年累積生存率は34~54%で, RFA治療部位再発の頻度は29.7~42.5%であった. 新規抗癌剤や分子標的治療を併用することにより予後が改善する可能性はあるが, RFAの局所制御効果の向上は明らかではない. また肝切除とRFAを併用した報告における3年, 5年累積生存率はそれぞれ38~43%, 47.3~68%で, RFA治療部位再発の頻度は5~17.4%であった.
     当科では切除不能大腸癌肝転移例に対してFOLFOX±ベバシズマブを施行し, 切除可能となった場合には速やかに肝切除を施行する方針としている. また多発例で, 全ての肝転移巣を切除できない時には肝切除とRFAを併用して完全治療を目指している. 2005年5月以降の切除不能大腸癌肝転移症例で, 全身化学療法のみを施行した71例のうち26例 (37%) が肝切除可能となった. 切除可能となった26例中8例に対してはRFA併用肝切除を施行した. RFAを施行した40結節のうち, RFA治療部位再発は1結節 (2.5%) と極めて低率であり, 化学療法が効果的な状況でのRFAの局所制御効果の高さが証明された.
     新規抗癌剤や分子標的治療薬, また肝切除をRFAと併用することにより, 大腸癌肝転移に対する肝切除の適応拡大や予後の改善が期待される.
Original Paper
  • 竹内 理香, 曽我 実, 稲熊 裕, 大塚 健三
    2010 年 27 巻 1 号 p. 9-23
    発行日: 2011/03/20
    公開日: 2011/04/13
    ジャーナル フリー
    分子シャペロンであるHSP70ファミリーのメンバーは通常HSP40/DNAJファミリーメンバーと一緒になって, タンパク質生合成やタンパク質恒常性維持に機能している. 哺乳類ではこれまでHSP40/DNAJファミリーでは約50個のメンバーが同定されている. 本研究でわれわれは, このファミリーのメンバーの一つであるDnaJB7のcDNAを単離し, DnaJB7タンパク質の機能および特性をin vitroおよびin vivoにおいて解析した. ヒトゲノムにおけるDnaJB7遺伝子には明らかな熱ショックエレメント (HSE) がなく, DnaJB7は熱ショックによって誘導されなかった. HeLa細胞において, DnaJB7は常温では細胞質と核に分布しているが, 熱ショックにより核小体に移行し, 核小体ではHsp70と共局在を示した. DnaJB7の局在パターンはHsp40 (DnaJB1) とよく似ていた. 免疫沈降法により, DnaJB7はHsp70と直接に会合していることが示された. またDnaJB7はHsp70ATPase活性を促進した. Hsp70は熱変性したタンパク質の凝集を抑制するという分子シャペロン活性を有するが, DnaJB7はこのシャペロン活性を促進した. また, マウス組織では, DnaJB7は胃で特に高い発現がみられ, 膵臓, 子宮, 卵巣ではわずかに発現していた. これらの結果からDnaJB7は胃で多く発現しているシャペロン補助因子であることが示唆された.
Cace Report
  • 寺嶋 広太郎, 塩山 善之, 野元 諭, 大賀 才路, 野々下 豪, 吉武 忠正, 大西 かよ子, 浅井 佳央里, 松本 圭司, 高山 浩一 ...
    2010 年 27 巻 1 号 p. 25-30
    発行日: 2011/03/20
    公開日: 2011/04/13
    ジャーナル フリー
    胸壁浸潤を伴う原発性肺癌に対して術前温熱化学放射線療法を施行し, 組織学的に完全奏功が証明された一例を報告する.
     症例は55歳男性. 右上葉原発性肺癌cT3N0M0, stageIIBと診断された. 腫瘍が胸壁に浸潤し, 腫瘍背側には閉塞性肺炎を伴っていた. また, 腫瘍の急速な増大傾向を認めた為, 術前に温熱化学放射線療法が施行された. 放射線は, 10 MV X線を用いて総線量40 Gy照射し, シスプラチンとビノレルビンの併用化学療法を施行した. 温熱療法はサーモトロンRF-8を使用し, 放射線照射後30分以内に1回40分, 週1回, 計4回施行した. 温熱化学放射線療法後のCTでは腫瘍の壊死性変化を認めた. 完全切除が施行され, 組織学的検査では生存腫瘍細胞を認めなかった. 17カ月経過し再発を認めていない.
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