Thermal Medicine
Online ISSN : 1882-3750
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ISSN-L : 1882-2576
28 巻 , 1 号
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Reviews
  • -NK細胞の研究から臨床応用へ-
    照沼 裕, トウ 学文, 土岐 敦, 嘉村 亜希子, 西野 徳之, 高野 祥直, 贄田 美恵, 笹沼 仁一, 寺西 寧, 渡邉 一夫
    2012 年 28 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2012/03/20
    公開日: 2012/05/21
    ジャーナル フリー
    この論文は, 第28回日本ハイパーサーミア学会大会のシンポジウム「温熱の免疫科学 (基礎と臨床)」で発表された4演題の一つをまとめたものである.
     最近, ハイパーサーミアによりいくつかの機序でがんに対する免疫反応が増強されることが注目されている. それらの機序のひとつは, がん細胞を加温することによりNK細胞活性化リガンドをがん細胞の細胞膜に表出させることである. がん細胞がNK細胞活性化リガンドを発現することにより, がん細胞はNK細胞により傷害を受けやすくなる. しかし, がん患者はしばしばNK細胞の数や細胞傷害活性が低下している. そのため, ハイパーサーミアと併用してNK細胞による養子免疫細胞療法をおこなうと良いと考えられる.
     この論文では, 以上の内容について自分たちのデータと伴に述べ, さらに, 標準的な治療がおこなうことのできない進行したがんに対する緩和的な治療について, NK細胞による免疫反応を強くするという観点から, 免疫細胞療法や低用量化学療法を併用したハイパーサーミアが臨床的に有用である可能性を述べた.
  • -臨床と実験-
    武田 力, 高橋 徹, 山本 五郎, 長谷川 武夫, 武田 和, 武田 寛子
    2012 年 28 巻 1 号 p. 11-16
    発行日: 2012/03/20
    公開日: 2012/05/21
    ジャーナル フリー
    第28回日本ハイパーサーミア学会大会においてシンポジウム, 温熱の免疫科学 (基礎と臨床) が開かれた. その内容をもとにまとめられた4論文の一つである. 臨床 : 6年間に1,386例の進行再発癌患者に温熱または免疫療法を行った. ハイパーサーミアを1,307例に, 活性化リンパ球を995例に, 樹状細胞を689例に施行した. 評価可能な1,307例のうち臨床的有効例 (CR+PR+longSD) は188例 (14.0%) で完治例は35例であった. 免疫療法の臨床的有効率は, ハイパーサーミアを併用することにより8.1%から17.9%にあがった. もっとも効果のあったのは樹状細胞療法と活性化リンパ球とハイパーサーミアを併用した群で20.5%であった. 基礎 : マウスにLLC腫瘍を移植したのちハイパーサーミアと活性化リンパ球とその双方で治療する3群で腫瘍の増殖と肺転移数を比較したところ, ハイパーサーミアと活性化リンパ球単独でも抑制されるが双方を併用した群では相乗的な抑制がみとめられた. 次に同じ実験系で分子標的治療物質 (erlotinibとsorafenib) を与える群とハイパーサーミア群で比較したところ, 腫瘍増殖および肺転移数いずれにおいても, 分子標的治療物質単独群とハイパーサーミア単独群より, 両者を併用した群で抑制が強かった. また同時にアポトーシスの誘導も併用群で増強していた. 臨床データおよび基礎実験において温熱療法が癌に対する免疫療法を増強することが示された.
Case Report
  • 大賀 才路, 中村 和正, 吉武 忠正, 塩山 善之, 大賀 丈史, 佐々木 智成, 野々下 豪, 浅井 佳央里, 森田 勝, 掛地 吉弘, ...
    2012 年 28 巻 1 号 p. 17-22
    発行日: 2012/03/20
    公開日: 2012/05/21
    ジャーナル フリー
    温熱療法は化学療法・放射線治療・手術などに比較して低侵襲な治療法である. しかし, 長期間温熱療法の安全性に関する報告は認められてない. 今回, 4年間の長期間に86回の温熱療法を施行した症例を報告する.
     症例は, 65歳男性, 胸部中部食道原発の進行性食道癌患者である. 食道癌に対する治療として, まず胃管再建による食道亜全摘術が施行された. しかし, 術後5ケ月目のCTにて上縦隔と左鎖骨上窩に再発巣を認めた. 再発病変に対する治療としては, 温熱療法併用下に化学放射線療法が施行された. 放射線治療は, 再発病巣へ線量60 Gyが投与され, 同時併用としてCDDPと5FUを含んだ化学療法が施行された. 温熱療法は, RF誘電加温装置 (サーモトロンRF-8, 山本ビニター社製) にて週2回, 50分/回の治療が行われた. 治療終了時の評価CTでは, 病変の縮小を認めた. 追加治療としてCDDPとTS-1による化学療法と週2回の温熱療法を2週間施行した.
     その後, 再々発予防目的に週1回もしくは3週に1回の割合で温熱療法を3年半継続した. 現在, 長期間温熱療法に伴う明らかな有害事象は認められておらず, また, 再々発病変も認められていない.
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