Thermal Medicine
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29 巻 , 4 号
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  • 阿部 光幸
    2013 年 29 巻 4 号 p. 69-78
    発行日: 2013/12/20
    公開日: 2014/01/17
    ジャーナル フリー
    本論文は日本におけるハイパーサーミア研究の歴史を, 筆者が関与した分野を中心に辿ったものである. 日本のハイパーサーミア研究は1975年菅原努京都大学教授が文部省がん特別研究でハイパーサーミアを取り上げ, 研究班を組織したことに始まる. 1983年, 同教授と筆者は山本ビニター株式会社の協力を得て8 MHz誘電加温装置を開発した. 1984年, Thermotron-RF8と名付けた本装置は, 日本で最初にがん温熱治療装置として厚生省から認可され, その後, 種々の加温装置が開発されて臨床に使われるようになった. また, ハイパーサーミア研究は放射線生物学, 物理学などの領域にも急速に広がったことから1984年日本ハイパーサーミア学会が設立された. ハイパーサーミア療法が最も盛んに行われたのは1980年代後半から1990年代前半にかけてであろう. しかし, 本療法は時間と人手を要すること, また, 加温装置の高精度化が進まないことなどから, 最近, ハイパーサーミアに対する熱意が低下しつつある. こうした状況を改善するには任意の部位の腫瘍を選択的かつ均等に加温できる装置と, 腫瘍の温度を非侵襲的に測定できる技術の開発が何より重要である. 更に, 熱の生物効果を推定できる単位, Thermal doseを確立する必要がある. こうした問題を解決することにより, 将来ハイパーサーミア療法ががん治療の標準治療の一つとして確立されることを期待するものである.
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