Thermal Medicine
Online ISSN : 1882-3750
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ISSN-L : 1882-2576
29 巻 , 2 号
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Review
  • 鈴木 亮, 小田 雄介, 小俣 大樹, 澤口 能一, 関 むつみ, 宇留賀 仁史, 直井 智幸, 根岸 洋一, 丸山 一雄
    2013 年 29 巻 2 号 p. 37-46
    発行日: 2013/06/20
    公開日: 2013/07/26
    ジャーナル フリー
    近年, "セラピオティクス (治療)" と "ダイアノスティクス (診断)" を合わせた新たな言葉 "セラノスティックス" が注目を浴びている. この言葉は文字通り治療と診断を同時に行うシステムを示している. この言葉の出現の背景には, 診断・治療のための医療機器の技術革新がある. 現在, X線 Computed Tomography, Magnetic Resonance Imaging, Positron Emission Tomography, 超音波などの診断用装置が臨床応用されており, 各装置で様々な特徴がある. その中で超音波造影装置は, 管理区域が不要, 小型でベッドサイドにも運搬可能, 比較的安価, リアルタイムイメージングが可能などの多くの利点があり注目されている. また, 最近では標的部位に体外からピンポイントに超音波のエネルギーを集束できる治療用超音波装置 (強力集束超音波) が開発され, 新たながん治療法として期待されている. このように超音波は, 治療と診断のための装置が揃っており, セラノスティックスを構築する上で有望な医療用エネルギーとして捉えられる. さらに, 超音波造影剤として利用されているマイクロバブルと超音波の併用により超音波診断の精度向上やソノポレーション効果の増強によるハイパーサーミアへの展開が期待されている. そこで本稿では, 超音波を利用したセラノスティックスに関して著者らの取り組みを紹介するとともに, 今後の展望について議論する.
Original Paper
  • 小柴 健, 林 幸子, 相原 正弘, 佐藤 威文, 重城 裕, 鈴木 隆大, 溝口 秀之, 畑下 昌範, 中條 弘隆, 志村 哲
    2013 年 29 巻 2 号 p. 47-58
    発行日: 2013/06/20
    公開日: 2013/07/26
    ジャーナル フリー
    パルテノライド (parthenolide : PTL) はNF-κB阻害剤として温熱による癌細胞死を誘導する増感作用があることが知られている. 本研究においては早期前立腺癌に対する経尿道的マイクロ波高温度療法 (TUMT) の治療効果を高める目的で, その前後にPTLの投与を行い, その病理組織所見をPTL使用前の症例のものと比較検討した. 対照群と同じくTUMTに先だって3か月間のアンドロゲン除去療法 (ADT) を施行して前立腺体積の縮小を図った. PTLは1日量0.5 mg (2回分服) の服用をTUMTの, 当初は30日前, 次いで15日前より開始し, 45日間の連続投与を行った. PTL投与を行った45例の臨床病期はT1-2N0M0, TUMT施行前の前立腺体積の縮小度は34.6%であった. TUMT施行後3か月を経過下した後に経尿道的前立腺切除術 (TURP) を施行し, その全切片の病理組織学的検索を施行した結果, 45例中41例において癌細胞は消滅していた. TURP切片中に癌細胞の遺残を認めた4例のいずれにも退行変性が認められ, 内3例は癌細胞として生存が可能と判定されたが, 残りの1例の癌細胞はいずれ消滅するであろうと判定された. PTL使用前の75例 (癌細胞の遺残16例, 生存可能6例) と比較すると, いまだ症例数は少ないが, PTLの癌細胞に対する温熱増感効果は顕著であった.
Case Report
  • 黒崎 弘正, 出口 葉子, 森 信二
    2013 年 29 巻 2 号 p. 59-62
    発行日: 2013/06/20
    公開日: 2013/07/26
    ジャーナル フリー
    60歳, 男性. 肺転移を有する食道がんと診断され, 化学療法とともに, 週2回のペースで, 胸部に対するハイパーサーミアを269回行っている患者さん. 原発巣の食道がんそのものは局所制御されているものの, 肺転移が徐々に増加・増大したため, アブラキサン100-300 mg投与を3週ごとに行ったところ, 著しい腫瘍の縮小をみたが, 末梢神経障害 (主に足のしびれ) にて投薬不可能となり, 末梢神経障害Common Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE) Grade3と診断された. サーモトロンRF-8を用いたハイパーサーミアを足に対して20分間行ったところ, 1回の加温で足のしびれの自覚症状が4割軽減した. 5連日の加温にてCTCAE Grade3から2に軽減し, 加温中は加温部にかなりの熱感は感じるものの, 皮膚熱傷などの副作用は認められなかったので, 報告する.
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