Thermal Medicine
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35 巻 , 1 号
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Original Paper
  • 市島 泰人, 新藤 康弘, 井関 祐也, 加藤 和夫
    2019 年 35 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 2019/03/15
    公開日: 2019/04/22
    ジャーナル フリー

    著者らは,これまでに円筒形状の空胴共振器を用いた非接触型の加温装置を提案している.有限要素法による数値解析,この数値解析結果に基づく加温システムを試作し,寒天ファントムおよび動物の加温実験を通して,その有効性を実証してきた.しかしながら,これまでに提案した円筒型空胴共振器を用いて人体腹部の深部腫瘍を加温しようとした場合,空胴共振器内に収まっている目的部位以外の領域をも加温する危険性が確認されていた.本研究では,これまでの円筒型空胴共振器アプリケータの欠点を補うために,矩形状の空胴共振器を用いた矩形型空胴共振器アプリケータを提案している.アプリケータ形状を矩形状に改良することによって,共振器内に収まる人体の範囲は少なくなり,そのため目的部位近傍のみを加温できる可能性があると考えられる.本論文では,試作した矩形型空胴共振器加温システムを用いて,人体形状寒天ファントムを加温した結果を示し,本手法の有用性を明らかにする.まず,有限要素法を用いた数値解析から矩形型空胴共振器の形状および寸法を決定した.試作した矩形型空胴共振器は高さ:60 cm,横幅:70 cm,厚さ:20 cmの矩形状である.本試作加温システムは,矩形型空胴共振器,空胴共振器内に電磁波を励振するためのアンテナ,共振周波数の自動探索および自動インピーダンス整合機能を有するパワーゼネレータから構成されている.次に,本加温システムを用いて,加温時間30分,加温電力50 Wとし,人体形状寒天ファントムを対象とした加温実験を実施した.そして,加温直後の寒天中央断面での赤外線サーモ画像から,人体形状寒天ファントムの加温ターゲットとした領域が集中的に加温されており,最高温度上昇値は5℃程度であることが分かった.また,他の領域にホットスポットは発生していないことを確認した.これらの結果から,本加温システムを用いることで,矩形状の空胴共振器内に収まった人体深部領域を非接触状態で,局所的に有効加温し,それ以外の領域は異常加温されず,安全かつ効果的に加温治療できる可能性を示した.

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