Thermal Medicine
Online ISSN : 1882-3750
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35 巻 , 3 号
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REVIEW
  • 森野 富夫, 惠谷 俊紀, 内木 拓, 河合 憲康, 菊森 豊根, 西田 佳弘, 山本 憲幸, 安井 孝周
    2019 年 35 巻 3 号 p. 23-32
    発行日: 2019/09/30
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル フリー

    固形癌に局部注射された磁性ナノ粒子(マグネタイト)に,体外から磁場を照射し,その発熱によって癌を治療する方法が開発され,筆者らの2大学を含む,国内4大学において臨床研究が実施された.本邦で開発された3種類のマグネタイト含有組成ナノ粒子と周波数の異なる2型式の磁場照射装置から,4パターンの組み合わせで臨床研究が立案実施され,近年その結果が報告された.本レビューでは,それら結果を筆者らの未発表データも交えながら総括し,更なる臨床応用の可能性について検討した.この結果,局部注射,画像検出,並びに磁場照射などの主要施術要素に関して,臨床フィジビリティを阻害する大きな要因は見出されなかった.更に,マグネタイト正電荷脂質複合粒子(magnetite cationic liposomes, MCL)と交番磁場照射装置(100-115 KHz)の組み合わせにおいて,照射体表面の加温や腫瘍周辺組織の障害を誘発することなく,腫瘍の縮小効果が得られることが見出された.しかしながら,施術のコントロール指標とした腫瘍温度の上昇が達成されたにも関わらず,縮小効果が認められない症例の存在が示されたため,更なる効果向上を目的に,腫瘍体積当たりの投与量表記(mg/cm3)の重要性を述べ,腫瘍体積当たりの発熱量(J/cm3)を施術のコントロール指標とする可能性を論じた.

  • 浅野 麻実子, 杉山 順一, 田伏 克惇
    2019 年 35 巻 3 号 p. 33-40
    発行日: 2019/09/30
    公開日: 2019/11/13
    ジャーナル フリー

    マイクロ波(周波数0.3~300 GHz)は,独自の加熱機構にて物質を加熱し,電子レンジによる食品加熱のみならず,医薬品合成の収率向上,環境汚染物質の分解など産業,工業界にて幅広く利用されている.医療分野では,ハイパーサーミアや凝固焼灼療法を始めとする癌治療に利用されており,良好な治療成績が得られている.またこれらの癌治療では,多くの癌腫に適用可能であること,重篤な副作用が少ないという利点がある.一方で,マイクロ波加熱による癌細胞死では,通常加熱におけるそれと比較して異なるメカニズムであることが報告されている.今後,詳細なメカニズム解析を行うことで,マイクロ波癌治療の更なる治療効率の向上や副作用の低減などが期待される.本総説では,マイクロ波による最新の癌治療法を概説するとともに,マイクロ波における癌細胞死メカニズムについて,著者らの報告を中心に紹介する.

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