Thermal Medicine
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Case Report
  • 寺口 博也, 寺口 京子, 松田 健志, 坂野 天詩, 寺井 賢一, 高木 弘明, 北村 康, 能登 稔, 齋藤 麗奈, 中出 忠宏
    2024 年 40 巻 4 号 p. 31-37
    発行日: 2024/12/15
    公開日: 2025/01/17
    ジャーナル フリー

    再発卵巣癌は根治が困難であり,生存期間の延長,QOLの改善,症状緩和が重要な課題である.今回,化学療法を希望しないプラチナ感受性再発卵巣癌患者に対して,化学療法を併用しない単独でのハイパーサーミア(以下,HTと示す.)療法で,良好な治療効果が得られた症例を報告する.患者は卵巣癌の根治手術と術後補助化学療法を受け,定期的に経過観察を受けていたが,8年後にcarbohydrate antigen 125(以下,CA125と示す.)が上昇し,腹部CTで癌性腹膜炎による小腸のびまん性拡張を認めた.QOLの低下を理由に化学療法を希望しなかったため,患者希望により,有効性が確立されていないHT単独での治療を開始した.HT後,イレウスの状態は改善し,CA125およびC-reactive protein(以下,CRPと略す.)値も正常化した.以上の結果から,HT単独は再発卵巣癌に対して有効な選択肢となる可能性があり,さらなる研究が望まれる.

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