日本ハイパーサーミア学会誌
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20 巻, 4 号
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  • 辻 孝, 萩平 貴美, RIMMA SHIMANSKAYA, 小嶋 章裕, 黒田 尚成
    2004 年 20 巻 4 号 p. 231-239
    発行日: 2004/12/01
    公開日: 2010/01/29
    ジャーナル フリー
    肝癌に対し肝動脈内に留置したカテーテルからピラルビシンを注入し, 静脈内濃度を測定し, 温熱併用時と非併用時とで, そのAUCを比較した. 原発性肝癌1例, 転移性肝癌4例にピラルビシン (15mg/m2) を固有肝動脈に留置したカテーテルから20分で注入し, 注入直後, 30分, 1, 3, 6時間後の血中薬剤濃度を測定した. 3週間後サーモトロンRF8による温熱療法同時併用下に同様に薬剤を注入し, 濃度を測定した. 温熱非併用, 併用時のピラルビシン動注後のAUC (HR×μg/ml) の平均値は各々0.068及び0.062で, 温熱併用, 非併用時のAUCにpaired t-testにおいて有意差は認めなかった (p=0.563). 白血球数血小板数, 総ビリルビン, AST (GOT) 値の変化にも温熱併用, 非併用時で有意差は認めなかった. ピラルビシンを肝動脈から注入した時の毒性は温熱を併用しても増強しないことが示唆された.
  • 花元 克巳, 加藤 博和, 黒田 昌宏, 澁谷 光一, 川崎 祥二, 池田 裕子, 金澤 右
    2004 年 20 巻 4 号 p. 241-247
    発行日: 2004/12/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    組織内加温や腔内加温は一般に内部電極と外部電極の2電極で行われる. しかしながら, 一対の平面外部電極の間に内部電極を留置する方法も行なわれている. この2つの加温方法の発熱分布を比較するために, 今回, 内部電極に1個と外部に誘電型加温電極を2個使用し, 合計3電極でSAR シミュレーションを行った. 3電極の場合と2電極の場合を比較すると, 3電極法では加熱方向を制御でき, 熱放散の少ない加温ができることが示唆された.
  • 安藤 聡志, 門前 一, 天野 守計, 小野 博史, 鈴木 友昭, 前田 佳予子, 福山 篤司, 高橋 徹, 山本 五郎, 長谷川 武夫
    2004 年 20 巻 4 号 p. 249-255
    発行日: 2004/12/01
    公開日: 2010/01/29
    ジャーナル フリー
    hyperthermiaにおいて温度を測定することは重要である. 生体の温度を測る方法として, 熱電対温度計がある. 熱電対温度計を使う問題として, 部分的な場所のみしか温度が測定できないこと, 患者を大きく侵襲することがあげられる. そのうえ, ホットスポットを知ることができない. そこで我々はコイルを使って温度を測ることを研究した.
    被加温体に高周波電界をかけると, 周囲に高周波磁界を生じる. その磁界の減衰は1/ (2πr : rは距離) である. そのプロファイルから電流密度を計算した. 高周波電流と温度の上昇には相関が見られた. 実際に加温を行い, サーモグラフィで撮像したものと, 本研究によって得られた結果は相関が見られた. よって, 被加温体の電流密度を測定すれば, 非侵襲的に, 温度が測定できることがわかった.
  • 八塚 美樹, 和田 重人, 田澤 賢次, 安田 智美, 吉井 美穂, 田澤 賢一, 古田 勲
    2004 年 20 巻 4 号 p. 257-265
    発行日: 2004/12/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    本研究では, 近年, 医学界において免疫賦活作用を有する癌治療法として, 改めて注目されている温熱療法 (加温刺激) が生体へ与える影響を検討した. 被験者6名に遠赤外線を照射する導赤外線サウナ “スマーテイ” (株式会杜フジカ製) を用い, 30分間照射することによる加温刺激を与えた. スマーティ照射による加温刺激を受ける前をコントロールとし, 48時間後, 96時間後の計3回, 前腕より採血し, 血液学的, 血清生化学的および免疫学的検査から検討した. その結果, スマーティ照射による加温刺激は, 生体に自己防御機能を活性化させるストレッサーとなり, 免疫細胞であるT細胞含有比率とサイトカイン産生に影響を与えることが確認された.
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