我々は全身対応の高密度集束超音波焼妁療法 : HIFU (ソニック CZ901 : 綿陽ソニックエレクトロニック : 中国) を昨年の12月に導入し, その可能性や我々の症例における適応について評価を試みている. 以来, 全身ハイパーサーミア外来に来院した12例の進行がん症例に対して, 20回のHIFUを施行し, 全身ハイパーサーミア : WBH (RHS 7500 : エンサーミクス メディカル システムス : 米国) との併用や単独治療で良好な結果を得た. 最初の1例目は上咽頭がん再発の多発性の肺, 肝臓転移の20歳女性であった. 週1回計4回のWBHで腫瘍マーカーの改善と共に肺転移は縮小し, その後, 肝臓に対して施行したHIFUにより著明な縮小効果を得られた. 2例目は頸部神経〓種の再発, 肋骨転移の65歳の男性であった. HIFU施行が不可能な頸部に対してはWBHの効果に期待し, 肋骨転移に対してはHIFUを行った. WBHの10日後に頸部腫瘍は膨大し, その後自然に破裂, 縮小した. 造影CTにおける評価ではHIFUを施行した第7肋骨腫瘍及び頸部腫瘍は著明な内部壊死に伴いサイズの縮小が認められた. 今後のHIFUの適応には, この様な他療法との併用による緩和治療や, より根治を目的とした原発臓器への治療効果が期待される.
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