日本ハイパーサーミア学会誌
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最新号
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Reviews
  • 大栗 隆行, 今田 肇, 成定 宏之, 興梠 征典
    2007 年 23 巻 2 号 p. 49-61
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2007/08/28
    ジャーナル フリー
    温熱化学療法が理想的な併用療法であるとする十分な基礎的根拠が, 温熱放射線治療の場合と同様に認められる. イリノテカン, ジェムシタビン, オキサリプラチンやタキサンといった新規抗癌剤においても, 温熱による増感が認められている. しかし, その臨床的有用性に関する検討は温熱放射線治療と比べ乏しい. 領域加温では加温による抗癌剤の毒性増強は全身加温に比べて限局しており, その毒性を回避又は最小限に抑えることが可能である. また, 組織内加温や腔内加温と比べ浸襲性が低く, 加温領域設定時の自由度が高い. 全身化学療法は, 根治手術が不可能な悪性腫瘍に対して, 一般に用いられる治療法である. 領域加温との併用によって, 全身に投与された抗癌剤の増感を加温領域という特定領域において期待する事ができ, 大いに注目すべき治療法と思われる. ここでは全身化学療法と領域加温によるハイパーサーミアの併用の臨床成績を概説する.
  • 別府 透, 石河 隆敏, 増田 稔郎, 林 洋光, 小森 宏之, 岡部 弘尚, 水元 孝郎, 杉山 眞一, 土居 浩一, 高森 啓史, 広田 ...
    2007 年 23 巻 2 号 p. 63-70
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2007/08/28
    ジャーナル フリー
    われわれは1994年にマイクロ波凝固療法とラジオ波焼灼療法を用いた肝細胞癌に対する内視鏡下局所凝固療法を開発した. 表在性の4cm以下, 3個以下で, 門脈浸潤がなく, 経皮的なアプローチが不適当な肝細胞癌を治療対象とした. 当科で450例の熱凝固療法を行ったが, 内訳は経皮的52%, 内視鏡下33%, 開胸・開腹15%であった. 胸腔鏡アプローチは肝ドーム部の腫瘍に, 腹腔鏡下アプローチはそれ以外の部位の腫瘍に行った. 当科で内視鏡下局所凝固療法を行った115例の検討では, 平均腫瘍径は25mm (5-50mm), 平均腫瘍個数は2.2個 (1-5個) で, 肝障害度BまたはCの症例が68%を占めた. 腫瘍壊死効果から算出した奏功率は95%で, 治療部位再発は観察期間中央値が28ヶ月の時点で4% (5/115例) であった. すべての治療部位再発はサージカルマージンが5mm以下の不十分治療例で認められた. 内視鏡下局所凝固療法における平均の術中出血は80g, 手術時間は3時間, 術後在院日数は8日であり, 同時期に肝部分切除を行った症例より有意に低値であった. 輸血を必要とした症例は皆無であった. 肝機能がより不良であるにもかかわらず, 内視鏡下局所凝固療法の5年累積生存率は60%と良好であった. 内視鏡下局所凝固療法では術後合併症を6.9%に認めた. 術後肝不全を2名に, 膿胸と肝膿瘍を1例に認めたが, ポートサイト再発や悪性細胞の播種は皆無であった. 以上より, 内視鏡下局所凝固療法はその根治性の高さと低侵襲性から, 表在性の肝細胞治療に積極的に用いるべき治療である.
  • - 技術概説 -
    黒田 輝
    2007 年 23 巻 2 号 p. 71-84
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2007/08/28
    ジャーナル フリー
    磁気共鳴画像化法 (Magnetic Resonance Imaging, MRI) は治療支援においてユニークな役割を担う. MRIの特徴は, イメージングに使われる電磁波の波長と独立した空間分解能を持つこと, 対象の物理的特性に関係したさまざまな画像パラメータを有すること, 軟部組織のコントラストに優れていること, 撮像面選択の自由度, ならびに放射線被爆がないことである. これらの特徴を活かせば, 腫瘍部位の識別, 治療計画, 治療デバイスの追跡, 温度分布画像化ならびに治療効果の判定を含む, 総合的な温熱治療支援が可能になる. 本稿では主として技術的・物理的観点から, 温熱療法支援におけるMRIの役割を概説する.
Original Papers
  • 高橋 英明, 吉田 誠一, 宇塚 岳夫, 藤井 幸彦
    2007 年 23 巻 2 号 p. 85-93
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2007/08/28
    ジャーナル フリー
    我々はこの20年間における1施設での, 視床ならびに被殻部の悪性神経膠腫症例をステージ分類し, この部位における温熱治療症例の臨床的特徴について報告する.
     対象は, 新潟大学において治療を受けた基底核部 (視床を含む) のグレード3および4の悪性グリオーマ43例である. 病期分類は, 視床並びに被殻部の腫瘍の大きさを基に行った. すなわち, ステージ1 (2cm未満), ステージ2 (2―4cm), ステージ3 (4cm以上) とし, 腫瘍が被殻や視床を超えて他部位へ進展しているものをステージ4, 脳室への進展例 (播種例) をステージ5として分類した.
     当科における温熱治療は, 腫瘍内に電極を局所麻酔下に生検する際に同時に埋め込んでくるもので, 通常の外照射60Gyとともに週2回計3ないし4回の加温を行うものである. 化学療法はACNUまたはMCNUを温熱放射線治療中に静注もしくは動注しているが, 高齢者においては併用していない.
     その結果, ステージ4症例は全症例の30%を占め, ステージ5症例も含めると40%にもなった. 摘出術施行例は43例中14例で, 残りの29例は生検術症例である. そのうちの14例は生検術とともに温熱治療のための針電極を留置し, 放射線治療とともに温熱治療を行った.
     平均生存期間は11ヶ月であった (視床部では17ヶ月, 被殻部で11ヶ月). 視床部の悪性グリオーマは被殻部の症例に比し, 若年である傾向が認められ, 予後も若干良好であった.
     温熱症例の平均生存期間は22か月で, 非温熱治療, 生検術群の9ヶ月に比べ, 生存期間延長の傾向が認められた.
     基底核部悪性グリオーマは深部であるため, 摘出術が可能であることが少なく予後不良であったが, 温熱治療により有効例も認められるようになっている.
  • 上田 公介, 青木 良純, 蜂谷 裕道
    2007 年 23 巻 2 号 p. 95-100
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2007/08/28
    ジャーナル フリー
    我々は進行性でホルモン抵抗性前立腺癌に対して, 隔週のシスプラチンをベースとした化学療法に併用した局所ハイパーサーミアの効果と安全性について調べた. 方法は一回当たり10mgのシスプラチンをハイパーサーミア開始1時間前に投与し, これを週一回, 合計10回を一人の患者に対して行った. もし, 癌の進行がみられたなら, 直ちに治療を中止した. 15例の評価可能患者に上記治療をおこない, 全例治療が完遂できた. その結果, PSA (Tandem R) の50%以上低下が6例40.0%にみられた. 平均有効期間は19.5ヶ月であり, 癌進行までの平均期間は9.0ヶ月であった. 痛みやQOLの改善は7例にみられた. 9例に対してこの10サイクルの治療後別のメニュー (docetaxel) をおこない, 4例にPSA値の4ng/ml以下の低下がみられた. 2例がstable diseaseであった. このレジメは副作用が少なく, 3例に軽度の全身倦怠感がみられただけであった. 貧血や血小板減少などの副作用はみられなかった. 以上より, この治療は有望であり, 隔週のシスプラチン併用ハイパーサーミアは効果発現までの期間が短く, PSA値の長期間低下をもたらし, ホルモン抵抗性前立腺癌患者に対して有効と考えられた.
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