我々はこの20年間における1施設での, 視床ならびに被殻部の悪性神経膠腫症例をステージ分類し, この部位における温熱治療症例の臨床的特徴について報告する.
対象は, 新潟大学において治療を受けた基底核部 (視床を含む) のグレード3および4の悪性グリオーマ43例である. 病期分類は, 視床並びに被殻部の腫瘍の大きさを基に行った. すなわち, ステージ1 (2cm未満), ステージ2 (2―4cm), ステージ3 (4cm以上) とし, 腫瘍が被殻や視床を超えて他部位へ進展しているものをステージ4, 脳室への進展例 (播種例) をステージ5として分類した.
当科における温熱治療は, 腫瘍内に電極を局所麻酔下に生検する際に同時に埋め込んでくるもので, 通常の外照射60Gyとともに週2回計3ないし4回の加温を行うものである. 化学療法はACNUまたはMCNUを温熱放射線治療中に静注もしくは動注しているが, 高齢者においては併用していない.
その結果, ステージ4症例は全症例の30%を占め, ステージ5症例も含めると40%にもなった. 摘出術施行例は43例中14例で, 残りの29例は生検術症例である. そのうちの14例は生検術とともに温熱治療のための針電極を留置し, 放射線治療とともに温熱治療を行った.
平均生存期間は11ヶ月であった (視床部では17ヶ月, 被殻部で11ヶ月). 視床部の悪性グリオーマは被殻部の症例に比し, 若年である傾向が認められ, 予後も若干良好であった.
温熱症例の平均生存期間は22か月で, 非温熱治療, 生検術群の9ヶ月に比べ, 生存期間延長の傾向が認められた.
基底核部悪性グリオーマは深部であるため, 摘出術が可能であることが少なく予後不良であったが, 温熱治療により有効例も認められるようになっている.
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