Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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10 巻, 52 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • H. Edward Conrad, 石原 雅之
    1998 年 10 巻 52 号 p. 51-56
    発行日: 1998/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • 柳下 正樹
    1998 年 10 巻 52 号 p. 57-63
    発行日: 1998/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • 羽渕 弘子, 羽渕 脩躬, 木全 弘治
    1998 年 10 巻 52 号 p. 65-80
    発行日: 1998/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • Lars-Åke Fransson, Mattias Belting, Gudrun Edgren, Mats Jön ...
    1998 年 10 巻 52 号 p. 81-94
    発行日: 1998/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    ヘパラン硫酸側鎖を持つプロテオグリカンの一種であるグリピカンの構造を概説する。グリピカンはその膜結合様式により極性細胞の頂面に局在したり、小胞に高濃度で移行することができる。さらにこの膜結合様式により、グリピカンは特異的酵素により脂質アンカーから遊離することも知られている。ヘパラン硫酸側鎖はまず、エンドグリコシド分解を受け、大きめのオリゴ糖が生成される。引き続き、このオリゴ糖は末端基のエクソ分解を受けることになる。本論では特に、細胞内への取り込み、エンドソムでの部分的分解、その後のコアタンパク質の再循環と細胞表面への復帰を支持するデータを紹介する。また、糖鎖分解 (酵素的そして非酵素的) や残ったコアタンパク質の切り株への糖鎖再合成の意義を記述していく。何人かの研究者は、細胞表面ヘパラン硫酸プロテオグリカンは増殖因子、ポリアミン-DNA複合体、ウイルス、微生物の細胞内取り込みのための役割を果たしていることの証明を与えた。極性細胞では、ヘパラン硫酸プロテオグリカンの再循環機構がトランスサイトーシス (transcytosis) における運搬媒体としての役割を果たしていると考えられている。
  • 山田 修平, 菅原 一幸
    1998 年 10 巻 52 号 p. 95-123
    発行日: 1998/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • 戸井田 敏彦, R. J. Linhardt
    1998 年 10 巻 52 号 p. 125-136
    発行日: 1998/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    ヘパラン硫酸は構造的に複雑な生体内高分子で、様々な重要な生物活性発現に関わる可能性が認められ、最近活発に研究されるようになった。ヘパラン硫酸の生物活性発現はグリコサミノグリカン糖鎖による。このグリコサミノグリカンは、複雑な構造多様性を示す二糖単位から構成され、その糖鎖長も一定でない。この複雑な糖鎖を構造決定しようとする試みは、あらゆる方法を用いて遂行されたにもかかわらず、未だ達成されていない。最近のヘパラン硫酸糖鎖構造に関する研究は、もっぱらある種の生物活性を示す最小糖鎖配列を高分子部分から切り出し、その構造を同定することに焦点が絞られている。このミニレビューでは、ヘパラン硫酸由来のオリゴ糖鎖の調製、単離および構造決定法について最近の文献を挙げ、総説する。特に、高速液体クロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲルおよびキャピラリー電気泳動法のような高分解能を持つ分離技術と、質量分析、核磁気共鳴法による構造解析手段に焦点を当て、紹介する。
  • John T. Gallagher, 柳下 正樹
    1998 年 10 巻 52 号 p. 137-144
    発行日: 1998/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • Mark Veugelers, Guido David, 小野 克明, 石原 雅之
    1998 年 10 巻 52 号 p. 145-152
    発行日: 1998/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    グリピカンに関連した膜型プロテオグリカン (GRIPs) やグリピカンは、ヘパラン硫酸プロテオグリカンの新しいファミリーを構成する。脊椎動物にはグリピカン (glypican-1) とセレブログリカン (glypican-2)、OCI-5 (glypican-3)、K-グリピカン (glypican-4)、グリピカン-5を含んだ5つの既知のグリピカンメンバーが知られている。このファミリーのメンバーは均一なサイズ (約60kDa) のコアタンパク質を持ち、特異的でよく保持されたシステインの配列を共有しており、グルコシルフォスファチジルイノシトール (GPI)-アンカーにより細胞膜に結合している。すべての脊椎動物グリピカンの構造的特徴は、遺伝子座がショウジョウバエメラノガスター (Drosophilia melanogaster) で同定されている dally (division abnormally delayed) 遺伝子の産物にも表われている。dally 遺伝子の変異研究、プロテオグリカンが発達を制御することが知られている様々な活性分子に対する細胞表面の共同レセプターとしての役割、組織や発達段階特異的なグリピカンの発現、これらすべての事象が、膜型プロテオグリカンであるグリピカングループが発生における細胞分裂やそのパターンの制御に深く関わっていることを示している。この主張は最近OCI-5のヒト相同体をコードするGPC-3における変異体を同定したことで確かめられた。この遺伝子の突然変異は、胎児と出産後の異常成長と内臓と骨格の奇形と胚腫瘍の発生傾向が特徴である、Simpson-Golabi-Behmel 症侯群の原因となる。
  • Yoshiya Tanaka, Megumi Aso, 田中 良哉, 麻生 めぐみ
    1998 年 10 巻 52 号 p. 153-160
    発行日: 1998/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    サイトカインは従来、拡散性と流動性に富み、多彩な作用を有する液性因子と理解されてきた。しかし、細胞表面や細胞外基質に発現するヘパラン硫酸プロテオグリカン (HS-PG) は、ケモカインを始めとするヘパリン結合性を有するサイトカインを固相化し、標的細胞上のレセプターに提示する事によってサイトカインの機能発現において以下のような利点をもたらす。1)サイトカインが機能すべき特定の場に十分量のサイトカインを集積させることができる、2)サイトカインを化学的・物理的刺激から保護することができる、3)立体構造依存性のサイトカイン同士、またはサイトカインと細胞表面分子との会合を増強する。一方、HS-PGは多様性に富む分子であり、特定のHS-PGには特定のサイトカインが結合する。即ち、サイトカインは適当なHS-PGに結合することによって、最も効果的な細胞内情報伝達をもたらす。サイトカインは、細胞間の相互作用において、多様な刺激機構、即ち、paracrine、autocrine、juxtacrine、matricrine などの刺激機構を介して機能発現するが、細胞膜表面、または、細胞外基質に存在するHS-PGは特定のヘパリン結合性サイトカインとの結合を介して、細胞接着の誘導を含むサイトカインの多様な機能発現を最も効率的に媒介する。したがって、HS-PGは、サイトカインを結合することによって、サイトカインのみならず細胞接着によってもたらされる細胞間情報伝達において重要な役割を担い、ひいては、白血病細胞の浸潤や癌細胞転移のみならず、炎症病態の形成やリンパ球の再循環においても中心的に関与し得る。
  • Yu Yamaguchi, 柳下 正樹
    1998 年 10 巻 52 号 p. 161-173
    発行日: 1998/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    胎児の発生過程において増殖する幹細胞から前駆細胞が生成され、この前駆細胞が組織内の特定部位に移動し、特定の細胞に分化する。神経系においては、成熟した神経系が高度に複雑なニューロンの連結を必要とするため、部位特異的な発生過程がほかの組織より更に巧妙に行われる。最近の研究からヘパラン硫酸プロテオグライカンが神経系の発生の諸過程において重要な働きをしている可能性が示唆された。
  • Nicholas W. Shworak, Robert D. Rosenberg, 石原 雅之
    1998 年 10 巻 52 号 p. 175-192
    発行日: 1998/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    本論で我々は、心臓血管システムの三つの重要な機能分子-線維芽細胞増殖因子 (FGFs)、リポタンパク質リパーゼ、アンチトロンビン (AT)、の作用を介するHSPGの役割を紹介する。HSPGは、FGFレセプターを介するFGFのシグナル伝達を調節し、リポタンパク質リパーゼを重要な作用点に局在化させ、ATの抗凝固活性を直接刺激する。これらの多様な作用機構は、すべてそれぞれの機能分子とHS鎖の糖配列の間の高く特異的な相互作用によるということができよう。これらの糖配列は、主としてヘパラン硫酸鎖の中のN-、2-O-、6-O-、3-O-硫酸基の適切な配置により決定されている。すなわち、HSPGの生物学的機能は、HSの精巧な構造を決める生合成機構により制御されている。特に内皮細胞が作るAT結合部位は、3-O-スルホトランスフェラーゼ-1の律速活性により制御されている。知られているHSスルホトランスフェラーゼの構造と機能特性の比較から、異なる前駆体/生成物相関関係を持つ複数の異性体が存在し、少なくともその一部は順序の定まった生化学的経路の中で機能する。これらの観察から、我々は精巧なHS配列の合成制御のモデルを記述したい。
  • K. Mishra-Gorur, L. M. Delmolino, J. J. Castellot Jr., 石原 雅之, 小野 克明
    1998 年 10 巻 52 号 p. 193-210
    発行日: 1998/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    異常な血管平滑筋細胞 (VSMC) 増殖は、血管手術後に見られる粥状動脈硬化症や再狭窄の最も特徴的なものである。ヘパリンやヘパラン硫酸プロテオグリカンは、VSMC細胞増殖をin vitro、in vivo で抑制することが示された。ヘパリンの細胞増殖抑制活性についての分子機構は、まだ完全に理解されていないけれども、多くの研究の努力が次の様な課題に向けられている。1) ヘパリンの特異的細胞表面レセプターとの結合、2) 細胞周期制御機構についての効果、3) 増殖シグナル伝達経路の変化、4) 遺伝子発現、特に細胞増殖に必要なタンパク質や細胞外マトリックスタンパク質をコードする遺伝子、の制御。本論では、細胞増殖抑制機構におけるヘパリンの作用を理解する上での、主要な知見を概説する。
  • Minoru Okayama, Seiichi Munesue, Masato Komaki, Yuri Kusano, Kayoko Og ...
    1998 年 10 巻 52 号 p. 211-221
    発行日: 1998/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    シンデカンは細胞膜貫通型のヘパラン硫酸プロテオグリカンで、脊椎動物で4分子、ショウジョウバエ、線虫に相当分子が同定されており、タンパク芯の細胞膜貫通ドメイン、細胞質ドメインのアミノ酸配列の高い相同性、及び、ゲノムDNAのエクソンーイントロン構成が同じことから、一つの分子から進化したファミリーと考えられている。シンデカンは、細胞とそれを取り巻く微小環境との相互作用を仲介するが、可溶性の細胞増殖因子 (FGF、HGF、ミッドカインなど) から、不溶性の細胞外マトリックス構造を構成する成分 (フィブロネクチン、テネイシン、ラミニン、コラーゲンなど) に至る幅広い分子をリガンドとし、ヘパラン硫酸側鎖を介してそれらと結合する。シンデカンを介した相互作用は、細胞増殖、及び、細胞骨格形成に基づく細胞動態の制御に関与することが示されているが、そのシグナル伝達のカスケードは未だ明らかにされていない。しかし、最近これらの制御に深くかかわると考えられる、シンデカン-3及び-4の二量体化あるいは多量体化、シンデカン-2細胞質ドメインのリン酸化、シンデカン-4のプロテインキナーゼCとの結合と活性化などが明らかにされつつある。これらの成果を踏まえて、ここでは、マウスルイス肺癌由来の転移能の異なる株細胞を用い、細胞がフィブロネクチン基質に接着する際、シンデカン-2とインテグリンα5β1とが協調的に作用した場合と、インテグリンα5β1のみで作用した場合に、まったく異なる細胞骨格形成が、即ち、前者の場合はストレスファイバー形成が、後者の場合はラフリング膜形成が、誘導されることを示した最近のわれわれの研究を紹介する。
  • Masayuki Ishihara, Katsuaki Ono, 石原 雅之, 小野 克明
    1998 年 10 巻 52 号 p. 223-233
    発行日: 1998/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    ヘパリンとヘパラン硫酸の多様な活性は主にその多糖体といろいろな機能タンパクとの相互反応に依存しており、独特な糖鎖配列を持つ特殊なドメインに媒介されている。例えば、FGFファミリーとヘパリン、ヘパラン硫酸の相互反応にはそれぞれ異なった硫酸基の組み合わせと異なった糖鎖配列が必要である。上記の硫酸基を修飾または置換することで多糖体の構造的変化を導くことができる。FGFの生物活性を調節するためにすでにヘパリンにおいてはいくつかの修飾がなされている。
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