Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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11 巻, 58 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • Katrina M. Houston, William Harnett, 山形 貞子, 山形 達也
    1999 年 11 巻 58 号 p. 43-52
    発行日: 1999/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    ホスホリルコリン(PC)はフィラリア(糸状虫)線虫によって分泌される多くのタンパク質(ES)に存在する免疫的に主要なエピトープであり、寄生虫が宿主の免疫応答を変えることによって生き延びることに関係していると考えられている。PCを持たないESを産生している線虫は生存期間が減少するだろうという考えに基づいて、ESへのPC付加機構の研究がなされてきた。ES-62は Acanthocheilonema viteae (フィラリアの齧歯類モデル)が産生するPCを持つ主なESであり、これを研究することによってPCがアスパラギン結合型糖鎖を介してタンパク質鎖に結合していることが示された。この型のPCと糖の間の結合はヒトの複合糖質には存在しないので、ESのPC-グリカンは化学療法の新しい標的となるだろう。パルス-チェイス実験からES-62へのPCの付加は、タンパク質合成の40-60分以内に起こる細胞内輸送の間というかなり早い時期に行われることが示された。細胞内輸送およびオリゴ糖のプロセッシングの阻害剤を用いた研究から、3種の試薬がES-62へのPCの付加を妨げることのできることが明らかとなった。ブレプェルディンAはERからゴルジへの輸送を阻害する; 1-デオキシノジリマイシン(dNM)はER内でα-グルコシダーゼIを阻害する。1-デオキシマンノジリマイシンはcis-ゴルジ内でα-マンノシダーゼIを阻害する。スワインソニンはα-グルコシダーゼIIの阻害剤であるがPCの転移は妨害しない。これらの観察からPCの付加は恐らくER以降の medial ゴルジ内で起こる出来事であり、PCが転移される基質はMan5GlcNAc3あるいはMan3GlcNAc3であることが示唆された。質量分析の結果はこの説明と矛盾せず、PCは3個のマンノースからなるマンノースコアに、0-1個のフコース、1-4個のGlcNAc残基を持つ糖鎖に付加していることを明らかにしている。
  • Thomas Ilg, Emanuela Handman, Ken Ng, York-Dieter Stierhof, Antony Bac ...
    1999 年 11 巻 58 号 p. 53-71
    発行日: 1999/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    ヒトではリーシュマニア(住血鞭毛虫)は偏性細胞内寄生生物(偏性-obligatory-というのは、「ある特定の環境にのみ生活しうる」という意味)であり、単核の食細胞系細胞の中で増殖する。この病原性の原虫はサシチョウバエの消化管に住んでいてそこから感染する。リーシュマニアの特製の表面やリーシュマニアが分泌する分子こそが、この寄生虫がサシチョウバエに定着し、かつマクロファージに進入して生き延びるために欠かせない重要な因子であることが分かってきた。私たちは前鞭毛型リーシュマニア、および無鞭毛型リーシュマニアにより分泌されて表面に存在する非常にユニークなムチン様プロテオホスフォグリカン(PPG)を研究してきた。
    この総説ではこの新しいプロテオグリカンの構造と機能の最新の知見について述べたい。一次構造が調べられて、タンパク質や、ホスフォグリカン構造、タンパク質-炭水化物結合ががきわめてユニークであることが明らかとなったので、予想される機能と合わせ考えることで、ワクチンや抗寄生虫薬剤の開発の良い対象となるであろう。
  • 細胞性接着分子の役割
    Zoltan Szekanecz, Margaret M. Halloran, Catherine J. Haskell, Manisha ...
    1999 年 11 巻 58 号 p. 73-93
    発行日: 1999/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    新しい血管を作り出す血管造成は発生、組織修復、炎症、動脈硬化症や腫瘍の進展など数多くの生理的、病理的過程で重要な役割を果たしている。サイトカイン、成長因子、その他の多くのメディエーターが血管造成に関与している。組織の血管新生の間、内皮細胞(endothelial cells、これ以降ECと呼ぶ)は細胞外マトリックス(ECM)成分や他のECsに接着するが、これは血管造成には必須の過程である。上に述べた可溶性のメディエーター以外にもECM巨大分子と細胞接着分子(CAMs)もまた血管造成因子として働く。CAMsの中ではE-セレクチン、脈管細胞接着分子(VCAM)-1、CD-31、やインテグリンが in vivo でも in vitro でも毛細管形成を促進する。CAMsや他の血管造成メディエーターは「血管造成病」の病因として働いている。このような因子のどれかを標的とすることがこれらの病気に適切で、かつ強力な治療となるかも知れない。
  • Hiroshi Fujimoto, Richard Walton
    1999 年 11 巻 58 号 p. 95-111
    発行日: 1999/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    1998年に入り、日本をはじめ欧州やアメリカの特許庁のホームページ上で無料の特許検索が可能になりました。ここでは、特許検索は初めてという人を対象にインターネットで出来る特許検索の方法について解説しました。
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