Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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15 巻, 82 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • Takashi Kuriki, Toshiko Tanimoto
    2003 年 15 巻 82 号 p. 55
    発行日: 2003/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • Teruo Nakakuki
    2003 年 15 巻 82 号 p. 57-64
    発行日: 2003/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    1970年以来、特殊なオリゴ糖を生産する新しい微生物起源の酵素がいくつか見出された。これらの酵素を用いて、グリコシルスクロース、フルクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖 (分岐オリゴ糖)、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、パラチノース (イソマルチュロース)およびラクトスクロースなどの様々なオリゴ糖が工業的規模で生産されるようになった。また、最近の工業用酵素開発の進展により、β-1,6結合からなるゲンチオオリゴ糖、α,α-1,1結合からなるトレハロース、α-1,3結合からなるニゲロオリゴ糖および分岐シクロデキストリンなどの一連の新しい澱粉関連オリゴ糖の生産も可能になってきた。トレハロース、ニゲロオリゴ糖などの新しい甘味剤はスーパーオキシド・ディスムターゼ様の作用および免疫調整作用などのユニークな生理的機能を有し、食品原料として開発されたものである。さらに、ラフィノースやスタキオースを含む大豆オリゴ糖および先に述べた種々のオリゴ糖は、現在、飲料、菓子類、パン類、ヨーグルト、乳製品、あるいは乳幼児のミルクなどに利用されている。現在、日本におけるこれらオリゴ糖の市場は年間で200億円以上と推定されている。
  • Satoshi Koizumi
    2003 年 15 巻 82 号 p. 65-74
    発行日: 2003/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    細胞同士の認識過程などで重要な役割を果たしている細胞表層のオリゴ糖は医薬用途などへの応用が期待されている。しかし、このようなオリゴ糖の合成はこれまで非常に困難であった。近年、細菌に哺乳動物と同様な糖転移酵素が発見され、大腸菌での発現により酵素を大量に生産することができるようになってきている。また、糖転移酵素の基質である糖ヌクレオチドを遺伝子組換え手法を応用して効率的に供給する方法が開発されたことに伴って、様々なオリゴ糖が大量に合成できるようになってきている。
  • Hiroshi Kamasaka, Daisuke Inaba, Kentaro Minami, Takahisa Nishimura, T ...
    2003 年 15 巻 82 号 p. 75-89
    発行日: 2003/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    私たちは、馬鈴薯澱粉の加水分解物から、新しい機能性食品素材であるリン酸化オリゴ糖を開発した。このリン酸化オリゴ糖は2つの画分PO-1画分およびPO-2画分から構成されていた。PO-1画分はリン酸化オリゴ糖の主な成分であって、マルトトライオース、マルトテトラオース、およびマルトペンタオースから構成されており、分子内に1個のリン酸基を有していた。PO-2画分は主にマルトペンタオースおよびマルトヘキサオースから構成されており、少なくとも2個のリン酸基を分子内に有していた。リン酸化オリゴ糖はカルシウムと水溶性の複合体を形成し、カルシウム-リン酸の沈殿形成を阻害する効果を有していた。また、その効果は、PO-2画分がPO-1画分よりも強かった。以上の結果をもとに両画分を含むリン酸化オリゴ糖の食品素材としての用途を開発した。まず、リン酸化オリゴ糖のカルシウム塩(POs-Ca)は、水溶性カルシウム供給のための食品素材として優れていることを明らかにした。う蝕予防の観点から、リン酸化オリゴ糖がう蝕原因細菌であるミュータンス連鎖球菌の栄養源にならず、本菌の産生する酸によるプラーク内のpHの低下も抑制する作用を有していることを明らかにした。さらに、POs-Caは初期う蝕を誘発したエナメル質や象牙質の再石灰化を効果的に促進する作用も有していることがわかった。
  • Tetsuya Oguma, Hiroshi Kawamoto
    2003 年 15 巻 82 号 p. 91-99
    発行日: 2003/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    我々は、サイクロデキストリンでは包接できない難溶性物質を包接できるような環状体を検索し、サイクロデキストランという環状体がデキストランから生成することを発見した。サイクロデキストランは、現在まで同定されているものとしてグルコースの7量体、8量体、9量体があり、サイクロデキストラン合成酵素の作用によりデキストランから生成する。
    サイクロデキストランの生産には、サイクロデキストラン合成酵素、副産物分解酵素が必要である。これらの酵素に関しては、遺伝子組換え技術を駆使して量産することが可能になった。また、サイクロデキストランの生産効率の上昇は鋭意検討中である。
    一方、本物質の利用を検討し、サイクロデキストランが以下のような機能を持つことを確認した。サイクロデキストランおよび修飾サイクロデキストランは、(1)抗う蝕作用、(2)難溶性物質可溶化作用、(3)抗HIV作用、(4)抗潰瘍作用等の機能を有する。従って、サイクロデキストランは、サイクロデキストリンと同様多機能な環状オリゴ糖であり、特に抗う蝕作用の利用に関しては実用化が十分に期待される。
  • Kazuaki Igarashi, Hiroshi Hagihara, Susumu Ito
    2003 年 15 巻 82 号 p. 101-114
    発行日: 2003/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    我々は、アルカリセルラーゼ、アルカリα-アミラーゼ、アルカリプロテアーゼの大規模生産を行い、衣料用コンパクト洗剤や漂白剤に利用してきた。初期に使用されてきた洗剤用酵素は、特に自動食器洗浄機中で使用される際には、酸化剤やキレート剤等の洗剤組成物によって簡単に失活し、また、熱に不安定であることが問題であった。
    我々は、好アルカリ性細菌 Bacillus sp. KSM-1378株が生産するアルカリ液化型α-アミラーゼAmyK(以前LAMYとして報告した)を見い出した。AmyKは今まで報告された他の産業用アミラーゼに比べ、アルカリpHで高い活性を示し、種々の界面活性剤に対して耐性を示した。しかしながら、AmyKはBacillus licheniformis 由来のα-アミラーゼ(BLA)よりも熱安定性が低く、自動食器洗浄機中でのアルカリおよび高温条件下において使用するために、AmyKの熱安定性の向上が求められた。さらに、AmyKと他の Bacillus 属のα-アミラーゼはいずれも酸化剤よって失活し易い。そこで、我々は、部位特異的変異によって酸化剤耐性を獲得したアルカリプロテアーゼの知見を参考に、AmyKの Met 残基を酸化され難い他のアミノ酸に置換することにより、酸化剤安定性の向上した変異体の取得を試みた。
    本論文ではAmyKの性質とアミノ酸配列、部位特異的変異による熱安定性および酸化剤安定性の向上について記載する。
  • Douglas W Crabb, Jay Shetty, 田治 襄
    2003 年 15 巻 82 号 p. 115-126
    発行日: 2003/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    酵素やタンパク質の性質変換は、最初にこの技術が紹介された1970年代後半から1980年代前半以来、学問的および産業的分野の双方で比較的日常的に行われるようになってきている。部位特異的変異や三次元構造分析を基盤にした分子設計の元々の手法は、目的部位への変異の導入、相同性を基盤にしたアミノ酸残基の探索、および in vivoin ivtro での遺伝子の組換えにまで広がりをみせている。遺伝子クローニングや操作のためのPCR法の出現は、変異タンパクを設計する能力を飛躍的に向上させたが、更にその工程での時間の浪費を少なくした。既存のタンパク質に、何百万ではないにしろ、何千という変異を導入する能力、ロボットによる操作やスクリーニング・システムの急速な発展に加えて、我々はタンパク質の設計に革命的な変異の基礎を手に入れた。全てのこの能力にもかかわらず、いまだ商業的なタンパク質工学のプロジェクトの成果は三つの全く簡単な基本的原則に基礎をおいている。まず第1に、我々は酵素が使われる現実の応用条件と、これらの条件が酵素作用の改良で実際の構成要素となるものを如何に規定するかについて明確に理解しなければならない。第2に、我々は改良された性質が製造工程の価値として何を顧客にもたらすかを定量できなければならない。そして第3に、しかし明らかにこれのみではないが、新製品の実際の商業化を促進する又は阻害する重要な商業化の要素を理解しなければならない。これら三つの質問は、顧客のニーズは? どのような価値を顧客にもたらすか?そして、価値が皆に理解できるように如何に顧客にその製品を納入できるか? という非科学的用語として述べることができる。これら三つの質問は、改良された澱粉分解酵素を澱粉工業会向けに応用する際に以下のような議論の基礎をなしている。
  • 問註所 初美, 澄田 智美, 吉村 征浩
    2003 年 15 巻 82 号 p. 127-128
    発行日: 2003/03/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
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