Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
Print ISSN : 0915-7352
16 巻 , 89 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • Kimio Furuhata
    2004 年 16 巻 89 号 p. 143-169
    発行日: 2004/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    シアル酸 (Neu5Ac, Neu5Gc, andKDN) は単糖の中で最も複雑な構造もつ化合物である。
    シアル酸は分子量320程度の小さな分子にもかかわらず多くの官能基から構成されている。またそれらの官能基が条件によって糖特有の平衡状態とる。このことがシアル酸の合成化学を始めるにあたり難くしている。
    シアル酸は種々の試薬に大変敏感に反応する性質を持っているので、目的化合物を合成するには経験的な反応条件が必要となる。
    ここでは、既に報告されている沢山の論文の中からシアル酸の中で最も代表的なN-アセチルノイラミン酸についてNeu5Ac特有の反応と基本的な反応の紹介と、簡単な反応によるNeu5Acの挙動からその化学的な多様性について述べる。
  • Robert Stern, 柿崎 育子
    2004 年 16 巻 89 号 p. 171-185
    発行日: 2004/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    皮肉なことに、ヒアルロン酸の分解は、癌の進展も癌の抑制をも促進し得る。ここでは、ヒアルロン酸分解の詳細を調べることにより、この難問の理解を試みる。ヒアルロン酸の異化経路は酵素に触媒される一連の反応から成り、そのうちヒアルロニダーゼはヒアルロン酸を段階的に分解する酵素として働く。ヒアルロン酸のポリマーは、特定の段階で低分子化され、その各々のポリマーサイズが異なった生物活性を有する。各々のヒアルロニダーゼとそれらの分解産物は悪性の形質転換、腫瘍の増殖、浸潤、そして転移の促進あるいは抑制に働くとされる。このような系統的なアプローチは、癌の進展過程で腫瘍細胞が用いる諸機構を明らかにできるかもしれない。また、見かけの不一致を解明したり、有効な治療標的や新しい予後予測マーカーを提供するかもしれない。
  • Kazuki N. Sugahara, Takako Hirata, Toshiyuki Murai, Masayuki Miyasaka
    2004 年 16 巻 89 号 p. 187-197
    発行日: 2004/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    ヒアルロン酸は細胞外基質の構成成分として存在する高分子ポリマーであり、腫瘍の進展に重要な働きをすることが徐々に明らかになりつつある。ヒアルロン酸の産生は様々な悪性腫瘍で亢進しており、その結果、腫瘍細胞の接着や遊走能が亢進され、シグナリングも媒介される。さらに、腫瘍が進展する際には、分解されて生じたと考えられる低分子量ヒアルロン酸が出現することが知られている。これらの低分子量ヒアルロン酸は血管新生や細胞の遊走能や増殖能の亢進を誘導し、高分子量ビアルロン酸とは異なった作用を示すことが報告されてきた。われわれは、特定の大きさの低分子量ヒアルロン酸が腫瘍細胞表面からのCD44の切断 (CD44 cleavage) を誘導し、さらにCD44依存性に腫瘍細胞の遊走能の亢進も引き起こすことを見いだした。これらの結果から、低分子量ビアルロン酸が生体内でCD44 cleavage の誘導因子として働く可能性が示唆され、腫瘍の浸潤に重要な役割を担うことが考えられる。この総説では、低分子量ビアルロン酸の生物学的活性とそれらの腫瘍の進展への関与について考察する。
  • Naoki Itano
    2004 年 16 巻 89 号 p. 199-210
    発行日: 2004/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    ヒアルロン酸は生体に広く分布している主要な細胞外マトリックス成分として、組織の構造維持に重要な役割を果たしている。この糖鎖は支持構造としての機能以外にも、受容体との相互作用により細胞内シグナル伝達系を活性化して細胞の増殖や運動、分化など動的な細胞活動を調節している。ヒアルロン酸は、その糖鎖合成異常が癌の進展と密接に連動して認められることから、大きな注目を集めている。近年、ヒアルロン酸合成酵素遺伝子の発現を人為的に改変する一連の試みにより、細胞の癌化促進に働くヒアルロン酸の役割が明らかにされつつある。本総説は、ヒアルロン酸合成の機構解明に向けた最近の知見を引用しつつ、ヒアルロン酸合成と癌の進展との密接な関係を概説する。そして、ヒアルロン酸合成阻害に基づいて癌の進展を阻止する治療薬開発の可能性についても言及する。
  • Reiji Kannagi, Yoshiko Goto, Fumiyo Fukui
    2004 年 16 巻 89 号 p. 211-223
    発行日: 2004/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    CD44は多様な細胞-細胞間および細胞-細胞マトリックス間の接着を媒介する細胞接着分子である。ヒアルロン酸との結合能をもち、細胞の主要なヒアルロン酸結合蛋白質の一つである。CD44を介した細胞接着は、一般に炎症を亢進させ、癌の進展をプロモートすると考えられて来た。最近のCD44ノックアウトマウスについての解析から、必ずしも個体発生や生命の維持において不可欠な分子ではないことが判明してきたが、CD44がヒアルロン酸への結合を介してさまざまな疾患の病態発生において重要な役割を演じていることは疑いをいれない。CD44分子の糖鎖修飾が、この分子のヒアルロン酸への結合能を左右することは良く知られている。多くの場合、細胞表層に発現されたCD44はそのままではヒアルロン酸への結合能を持たず、活性化刺激によってはじめてヒアルロン酸結合能をあらわすようになる。最近の研究の進展によって、細胞刺激に伴うCD44の糖鎖修飾の変化が、ヒアルロン酸結合能の誘導に主要な役割を演じることが明らかになってきた。なかでも次の二通りの糖鎖修飾の変化が重要である。一つは内因性シアリダーゼによるCD44の脱シアル酸化であり、もうひとつは糖鎖のGlcNAc-6-硫酸化修飾である。
  • Ken-ichi Kasai
    2004 年 16 巻 89 号 p. 225-239
    発行日: 2004/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
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