Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
Print ISSN : 0915-7352
ISSN-L : 0915-7352
17 巻, 93 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • Kazuhisa Iwabuchi
    2005 年 17 巻 93 号 p. 1-14
    発行日: 2005/01/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    スフィンゴ糖脂質は疎水性のセラミドと親水性の糖鎖からなる膜成分である。スフィンゴ糖脂質はスフィンゴミエリンやコレステロールとともに会合して細胞膜上でマイクロドメインを形成している。また、生化学的な分析から、スフィンゴ糖脂質に富んだマイクロドメインには様々な細胞内情報伝達分子、特にSrc family kinaseのような細胞膜に結合する情報伝達分子が含まれていることが明らかとなった。スフィンゴ糖脂質は細胞分化や増殖、細胞接着などの細胞機能と密接に関係していると推測されているが、グライコスフィンゴ糖脂質自身が、細胞機能発現をもたらすような情報伝達を直接仲介するという証拠はほとんど得られていない。グリコシグナルドメイン(GSD)はマウスメラノーマB16細胞、マウス神経芽細胞Neuro2aおよびヒト好中球においてスフィンゴ糖脂質を介した情報伝達ユニットとして同定されている。これらの細胞では、たとえば好中球にはLacCerといった特定のスフィンゴ糖脂質が細胞膜上にたくさん発現されており、Src family kinaseとGSDで会合している。GSDにおいてスフィンゴ糖脂質はリガンドの糖鎖エピトープを特異的に認識し、細胞接着や活性酸素産生などの細胞機能を仲介する。他の種類のマイクロドメインとは異なり、GSDが仲介する細胞機能とそれに関連する情報伝達は、マイクロドメインの構造と機能を壊すことが一般には知られている filipinやmethyl-β-cycrodextrinによって阻害されたり、障害を受けることはない。今後解決すべき課題は如何にしてスフィンゴ糖脂質がGSDにおいて細胞内情報伝達分子に情報を伝えているかである。
  • Saki Itonori, Mutsumi Sugita
    2005 年 17 巻 93 号 p. 15-25
    発行日: 2005/01/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    無脊椎動物、特に前口動物の節足、環形、軟体、線形、腕足、苔虫、および扁形動物のスフインゴ糖脂質の糖鎖構造について、当研究室の研究を中心に紹介する。スフインゴ糖脂質は、陰イオン交換樹脂への親和度の差によって中性、酸性、極性、両性イオン型に分画している。中性糖脂質には、脊椎動物に見られるGlc、Gal、GlcNAc、GalNAcおよびFucに加え、Mollu系あるいはArthro系に代表されるManを含有する糖脂質群が存在し、さらにXylおよび種々のO-methyl糖を含有する糖脂質が存在する。前口動物の酸性糖脂質には、ガングリオシドは検出されていないが、ウロン酸あるいはリン酸イノシトールを含有する糖脂質群が存在する。極性糖脂質としては、ホスホエタノールアミンあるいはアミノエチルホスホン酸を含有する糖脂質群が存在する。両性イオン型糖脂質としては、ホスホコリン含有糖脂質群が存在する。スフインゴ糖脂質が分析されている動物種は少ないので、さらに研究を進めることで糖脂質を利用した分子系統学によって動物種の分類につなげていきたいと考えている。
  • 速度論的および熱力学的解析による作用機序のモデル
    横山 三紀
    2005 年 17 巻 93 号 p. 27-28
    発行日: 2005/01/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • 小林 厚志, 森 俊明, 天野 麻穂, 松原 輝彦
    2005 年 17 巻 93 号 p. 31-32
    発行日: 2005/01/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
feedback
Top