グライコミクスにおける方法論の確立や,糖タンパク質ならびに疾患関連糖鎖バイオマーカーの探索では,タンパク質の糖鎖修飾を迅速かつ高感度に解析できる技術が要求される。我々は,還元末端を保持した
O-結合型糖鎖をコアタンパク質から高速に遊離させる装置,AutoGlycoCutter (AGC) の開発を行った(Matsuno
et al.,
Anal. Biochem., 362, 2007, 245-257. Yamada
et al.,
Anal. Biochem., 371, 2007, 52-61)。本総説では,AGC を用いるムチン型糖鎖やプロテオグリカン型糖鎖の解析例を紹介しながら,本法の性能と有用性を紹介する。さらに AGC を応用した最近の研究成果として,培養癌細胞株中のムチン型糖鎖プロファイルの比較解析や,AGC と MS スポッターの連結による分析の高スループット化についても報告する。
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