Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
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ISSN-L : 0915-7352
20 巻, 113 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
ミニレビュー
  • Yohko U. Katagiri, Ban Sato, Kenji Miyado, Hidenori Akutsu, Hajime Oki ...
    2008 年 20 巻 113 号 p. 131-139
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    SSEA-1, -3, -4 は胚発生に伴い発現が変化することで知られている糖鎖抗原マーカーである。SSEA-1 は糖タンパク糖脂質どちらにもみられるが,SSEA-3 と -4 は通常はスフィンゴ糖脂質のみにみられ,ラフトマイクロドメインの構成分子となる。ラフトマイクロドメインの生化学的解析や共焦点レーザー顕微鏡による観察は,これまで主に培養細胞でなされており,哺乳動物初期胚でのラフトマイクロドメイン像は検出されていない。筆者らは,新規抗 SSEA-4 単クローン抗体(Mab)6E2 を使って生きたままのマウス初期胚の SSEA-4 の動態を解析した。SSEA-4 は割球表面を自由に且つ迅速に動く一方で,一部は細胞内部へも取り込まれるなど,その動きはダイナミックである。胚表面の SSEA-4 を中心とするラフトマイクロドメインの時-空間的変化は,マウス胚初期発生においても,ラフトマイクロドメインが重要な働きをしている事を示唆するものである。
  • Hiromune Ando
    2008 年 20 巻 113 号 p. 141-158
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    グリコシル化反応における立体選択性の確度は,オリゴ糖合成で最も重要視される事柄である。最近,我々は,遠隔置換基効果を利用した α シアリル化反応,α ガラクトシル化反応の新しい手法を開発し,それらは,生物学的に重要な種々の天然糖鎖の効率合成に非常に有用であることが示された。
グライコデビュー
  • Hideyuki Takeuchi, Haltiwanger Robert S.
    2008 年 20 巻 113 号 p. 159-170
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    Notch シグナルは広く細胞の運命決定を制御している。このシグナル経路における新規因子の同定を目的とした遺伝学的なスクリーニングにおいて,我々は温度感受性の新規遺伝子 rumi を発見した。28-30℃ において,rumi 変異体は調べたすべての組織において本格的な Notch 表現型を示したが,18℃ においては穏やかな Notch 表現型が見られた。rumiに変異をもつ細胞において Notch 蛋白質は,細胞内,および細胞外に蓄積し,Delta に対して野生型と同程度に結合したものの,プロセシングの異常を示した。Rumi は高度に保存された CAP10 ドメインを持つ,小胞体蛋白質であった。Rumi は Notch 蛋白質の細胞外部位の EGF ドメイン中のコンセンサス配列(C1-X-S-X-P-C2)のセリン残基に O-結合型のグルコースを付加する蛋白質グルコース転移酵素であることが判明した。我々の研究により,Rumi は,小胞体において Notch 蛋白質にグルコースを付加することにより,そのフォールディングおよびトラフィッキングを全うなものとし,細胞表面における Notch シグナル伝達を制御していることが明らかとなった。本稿では,Hugo Bellen 博士のグループとの共同研究を通じて,どのように Rumi が発見されたかを紹介すると共に,Notch 蛋白質上の O-結合型糖鎖修飾の機能的な重要性について論じたい(1)。
グライコトピック
誤植
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