Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
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ISSN-L : 0915-7352
20 巻, 115 号
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ミニレビュー
  • Kamerling Johannis P., Carvalho de Souza Adriana
    2008 年 20 巻 115 号 p. 229-244
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/03
    ジャーナル フリー
    海綿の細胞における認識・接着は Ca2+ に依存する糖鎖と糖鎖の相互作用によって始まる。海綿の一種である Microciona proliferaでは 2×104 kDa の日輪型をしたプロテオグリカン様の巨大分子複合体の一部である 200 kDa の N 結合型グリカン(g-200)が凝集要素として自己認識に関わる。自己相互作用のエピトープとなる糖鎖の一つは β-D-GlcpNAc3S-(1→3)-α-L-Fucp という硫酸化された二糖の断片である。この二糖のエピトープを合成し,牛血清アルブミン・金ナノ粒子・金薄膜と結合することによって多価の g-200 同士の自己認識を二糖レベルで模倣することを試みた。タンパク質との複合物は UV および SPR 実験に用い,金ナノ粒子との複合物は TEM を用いた観察に,糖結合金薄膜は AFM を用いた実験に用いた。すると,10 mM の CaCl2 存在下においてどの状態の二糖も,Microciona proliferaの細胞や凝集因子でコートしたビーズの場合のようにポリマーレベルで行った結果と完全に一致が見られた。
  • Bovin N. V., Huflejt M. E.
    2008 年 20 巻 115 号 p. 245-258
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/03
    ジャーナル フリー
    糖鎖チップ技術を使ってみたいという研究者がまず尋ねてくるのは「いくらかかるか分からない投資の見返りに,一体何が得られるのか?」ということである。我々は端的にこう答える。どのようなアプリケーションが可能かというと可能性は無限大であるが,初期投資額は取り組む課題やその課題の範囲によるところが大きい。糖鎖アレイのやり方は今なお開発の初期段階であり,自在に変えることができるので,研究者は実際に課題を解決するために労力と費用の上で最適な技術を選択できる。言い換えれば糖鎖アレイの設計は複数の異なるアプローチで現在開発中であり,最も進んでいる有名な 「printed glycan array (PGA)」の他にも,いくつかのタイプの糖鎖アレイが開発されている。この総説では,糖鎖チップのデザインにおいてどのような技術的な解決法が過去に取られ,もしくは取られつつあるのか,糖鎖の固定化にはどのような化学的方法が最も適しているのか,糖鎖ライブラリーをどこから得るのかという点について述べたい。さらに糖鎖チップの使用例を示し,この傑出した装置の無限の研究の可能性と最新の具体的応用例を説明したい。
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