Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
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ISSN-L : 0915-7352
22 巻, 128 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
ミニレビュー
  • Hironobu Hojo, Hidekazu Katayama, Yoshiaki Nakahara
    原稿種別: ミニレビュー
    2010 年 22 巻 128 号 p. 269-279
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    近年、均一な糖鎖を持つタンパク質の合成に関する報告が増えている。これらは、糖鎖、およびポリペプチド調製技術の進歩によって達成されてきた。ここでは、ペプチド科学の観点から、これらの糖タンパク質合成結果を取り上げて、私見を交えて議論してみたい.
  • Takuya Tashiro, Kenji Mori
    原稿種別: ミニレビュー
    2010 年 22 巻 128 号 p. 280-295
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    ナチュラルキラー (NK) T細胞は、自然免疫と獲得免疫の橋渡し役を担っており、感染防御ならびに免疫抑制反応の双方において重要な役割を果たしている免疫細胞である。NKT細胞による免疫反応は、糖脂質と、免疫系における抗原提示蛋白質の一種であるCD1dとの複合体を、T細胞受容体を用いて認識することにより誘導される。キリンビール(株)により1995年に開発されたKRN7000は、特異なα-ガラクトシルセラミド構造を有し、NKT細胞を強力に活性化して多量のサイトカイン産生を誘導するため、NKT細胞研究における標準試薬として使われている。当初、KRN7000は抗腫瘍活性剤として開発されたが、免疫賦活活性を誘導するヘルパーT(Th)1型サイトカインを産生誘導すると同時に、免疫抑制活性を誘導するTh2型のサイトカインも同時かつ大量に産生誘導してしまうため、治療薬としての適用疾患は制限されているのが現状である。KRN7000の開発が報告されてから今年で15年が経過したが、KRN7000よりも効率よくNKT細胞を活性化する新規医薬品候補化合物の開発研究が世界中で続けられている。さらには、NKT細胞が糖脂質をどのように認識し、サイトカインの産生を行っているのかを解明しようとする研究も盛んに行われている。以下、NKT細胞を効率的に活性化する新規糖脂質の構造活性相関研究について概説する。
  • Kiichiro Totani
    原稿種別: ミニレビュー
    2010 年 22 巻 128 号 p. 296-307
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    小胞体内腔に導入される新生ポリペプチドは、Asn-Xaa-Ser/Thr モチーフのアスパラギン残基に高マンノース糖鎖修飾を受け、その糖鎖プロセシングがタンパク質品質管理に重要な役割を果たすことが知られている。このプロセスは多くのレクチン、シャペロン、糖鎖プロセシング酵素が複雑に関与して成り立っている。例えば、カルネキシン (CNX) やカルレティキュリン (CRT) はモノグルコシル化高マンノース糖鎖を認識する分子シャペロンである。グルコシダーゼIIはふたつの独立したグルコース切断活性を有し、変性糖タンパク質をCNX/CRTへ受け渡してタンパク質の配座を修正後、これを回収する機能をもつ。またUDP-グルコース:糖タンパク質グルコース転移酵素 (UGGT) は折り畳み途上のタンパク質に結合した高マンノース糖鎖のみをグルコシル化し、糖タンパク質をふたたびCNX/CRTに受け渡す折り畳みセンサーである。最近の研究によってこれらの糖鎖認識タンパク質の性質は明らかになりつつあるが、ほとんどの研究は構造が不均一な生物試料由来のオリゴ糖を用いて成されている。我々はより厳密な理解を目指して、まずタンパク質品質管理に関わる高マンノース糖鎖の網羅的な化学合成を行った。また人工糖タンパク質の創製研究を通して、UGGTの非ペプチド性基質を初めて開発した。これらの合成糖鎖プローブを駆使して、UGGT、グルコシダーゼII、CRTの定量的な活性や特異性の評価を行った。
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