Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
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ISSN-L : 0915-7352
23 巻, 131 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
ミニレビュー
  • Shinya Hanashima
    原稿種別: ミニレビュー
    2011 年 23 巻 131 号 p. 111-121
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/28
    ジャーナル フリー
    シアル酸は哺乳動物の細胞表面に存在するシアリル化糖鎖の非還元末端に広く存在している。それらのシアル酸は細胞間の相互作用や病原性の細菌、ウイルスの感染に重要な役割を果たしている。シアリル化糖鎖の化学合成は20 年以上もの間研究されてきており、立体選択的なシアル酸のグリコシル化反応において興味深い手法が開発されている。化学酵素法に関しても立体選択的なシアル酸の導入に用いることが可能である。このミニレビューでは、ごく最近報告された化学的手法を用いた立体選択的シアリル化反応と、それらの新しい反応を用いた天然型のシアリル化糖鎖、特にオリゴシアル酸やポリシアル酸の合成に焦点をあてて紹介した。
  • Hidetoshi Yamada
    原稿種別: ミニレビュー
    2011 年 23 巻 131 号 p. 122-133
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/28
    ジャーナル フリー
    ピラノース環の立体配座を、アキシアル配向した置換基がより多い立体配座に固定して行ったL-O-ラムノシル化反応とD-O-グルコシル化反応について述べる。本稿では、このような立体配座をアキシアル・リッチな立体配座と呼ぶ。どちらの糖も、隣接したトランスジオールに嵩高いシリル基を導入すると、そのピラノース環をアキシアル・リッチな立体配座に固定できた。このように立体配座を束縛したL-ラムノース誘導体は、トリクロロアセトイミデート体としてグリコシル化反応を行うと、β体のラムノシドを優先して与えた。ただし、α:β比が最高で1:4であり、実用性を唱えるレベルではなかった。一方、アキシアル・リッチなグルコース供与体を用いた場合は、アノマー位での立体選択性が最高でα:β = 2:98の、高β選択的な反応が進行した。この場合、ピラノース環の立体配座がイス形ではなく、アキシアル・リッチなねじれ舟形であることが、選択性発現の鍵であった。この方法は、β-O-グルコシド結合の構築法として長く利用されている2位アシル保護基の隣接基関与に基づく立体選択性の発現法を用いない方法であり、隣接基関与法では合成しにくい構造形式である2位配糖型β-O-グルコシド合成に、その特徴を活かすことができた。
  • Akihiro Imamura, Todd Lowary
    原稿種別: ミニレビュー
    2011 年 23 巻 131 号 p. 134-152
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/28
    ジャーナル フリー
    多くの細菌類、真菌類、寄生虫、植物はO-フラノシド結合含有グリカンを産生する。これらの複合糖質はそれら生物の生存において不可欠である場合が多く、近年、フラノース含有糖鎖の化学的合成に着目した研究は増加の一途を辿っている。しかしながら、その合成研究分野の発展はピラノースグリコシドのそれと比較して決して十分とは言えない。本稿では、フラノースグリコシド合成において内在する課題を明らかにすると共に、これまでの成果をまとめ将来的な方向性について論じる。
グライコトピック
学会報告(アクセス自由)
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