Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
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ISSN-L : 0915-7352
24 巻, 138 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
ミニレビュー
  • Akihiko Kameyama, Yu-ki Matsuno
    原稿種別: ミニレビュー
    2012 年 24 巻 138 号 p. 137-151
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/09
    ジャーナル フリー
    ムチンのO-結合型糖鎖のがんに関連した構造変化は古くから報告されてきた。ムチンは巨大な分子である上、多量体の形成、多数のO-結合型糖鎖、プロテアーゼ耐性などの理由により、プロテオミクスなどの現代的な技術を用いた高スループットな分析ができない。ムチンを対象としたバイオマーカー探索を進めるためには、簡便な新規分析法が必要である。分子マトリクス電気泳動(SMME)はPVDF膜のような多孔性の膜に含浸させた親水性ポリマーを分離担体とする膜電気泳動である。セルロースアセテート膜電気泳動において利用される泳動条件がほぼそのままSMMEにも利用できる。この方法ではアルカリによる糖鎖のβ脱離反応を行っても、膜からヘキソースオリゴマーなど、糖鎖分析を妨害する副産物が生じない。我々はSMMEを用いて3種の細胞株(T47D、HPAF-II、BxPC3)が産生するMUC1の特性解析を行った。
  • Natsuhisa Oka, Kazuki Sato, Takeshi Wada
    原稿種別: ミニレビュー
    2012 年 24 巻 138 号 p. 152-168
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/09
    ジャーナル フリー
    糖-1- リン酸繰り返し構造からなるホスホグリカンは、病原性細菌や寄生性原虫に対するワクチンなどとしての需要から、化学合成のターゲットとして注目を集めている。本総説では、このホスホグリカンを中心とする糖-1- リン酸誘導体の化学合成に関する最近の研究について、リン酸ジエステル結合の合成法に焦点をあてて述べる。
  • Yayoi Yoshimura, Hidenori Tanaka, Norman J. Dovichi, Ole Hindsgaul, Mo ...
    原稿種別: ミニレビュー
    2012 年 24 巻 138 号 p. 169-178
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/09
    ジャーナル フリー
    スフィンゴ糖脂質(GSLs)は細胞表面に存在し、多様な生体内作用に関わる重要な分子である。GSLの代謝解析は重要視されているものの、構成成分が複雑なため未だ困難な面も残されている。我々は単細胞レベルでのGSL解析を目指し、蛍光標識GSL類似体とレーザー誘起蛍光検出キャピラリー電気泳動法を用いた分析法の開発に取り組んできた。これまでに本手法を用い単細胞レベルで糖脂質の代謝解析に成功している。本稿ではその方法論、化学酵素的手法による糖脂質類縁体の合成、単細胞の糖脂質解析例を紹介する。
  • Akihiro Ishiwata, Ayaka Sakurai, Yukishige Ito
    原稿種別: ミニレビュー
    2012 年 24 巻 138 号 p. 179-189
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/09
    ジャーナル フリー
    O-グリコシル化反応をp-キシレン中凍結条件で行ったところ、非凍結条件に比べて顕著な反応促進効果があることが見いだされた。凍結反応条件下グリコシル化の立体選択性に関し、反応機構についても、溶媒、濃度、糖供与体のアノマー位の立体化学及び保護基、などの種々の要因の効果を検証し、立体選択性は、凍結、非凍結どちらの反応条件においても基質濃度によって影響をうけることが明らかとなり、凍結条件下における反応加速は高濃度環境によると示唆された。また、溶媒凍結による基質濃縮効果は50倍程度であろうと見積もられる。凍結反応を利用した生物活性分子や複雑な糖鎖の合成への応用例についても、あわせてまとめた。
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