Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
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ISSN-L : 0915-7352
24 巻, 139 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
ミニレビュー
  • Tadashi Satoh
    原稿種別: ミニレビュー
    2012 年 24 巻 139 号 p. 193-202
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/29
    ジャーナル フリー
    N型糖鎖は、様々な細胞内レクチンとの相互作用を介して、糖タンパク質の運命を決定する重要な役割を担っている。多くの細胞内レクチンは、マメ科レクチンもしくはマンノース6リン酸受容体(MPR)と相同な糖鎖認識ドメインを有している。これらレクチンはL型もしくはP型レクチンに分類される。最近、L型レクチンに加えて、フロンタルアフィニティークロマトグラフィーおよび糖鎖マイクロアレイのデータの蓄積により、P型レクチンおよびMPRと相同なドメイン(MRH)を持つタンパク質がそれぞれ異なる糖鎖結合特異性を示すことが明らかになってきた。さらに最近では、糖鎖認識メカニズムの原子レベルでの理解も進んでいる。本総説では、分泌経路においてN型糖タンパク質のフォールディング・輸送・分解を制御するP型レクチンおよびMRHドメインを有するタンパク質による糖鎖認識の分子構造基盤の知見の現状を概説する。
  • Toshiki Nokami
    原稿種別: ミニレビュー
    2012 年 24 巻 139 号 p. 203-214
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/29
    ジャーナル フリー
    グリコシルスルホニウムイオンはアノマー炭素に結合したイオウ原子上に正電荷が局在化したカチオン性の有機イオウ化合物であり、グリコシル化反応の立体選択性制御の観点からグリコシル化反応中間体として注目を集めている。特に最近、グリコシルスルホニウムイオンの新しい調製方法がいくつか報告され、その反応性は水酸基の保護基のみならず、イオウ上の置換基などによっても調整可能である。様々な検討から、反応性の制御が自在なグリコシル化反応中間体であることが分かってきた。
  • Kiyotaka Fujita, Kanefumi Kitahara, Toshihiko Suganuma
    原稿種別: ミニレビュー
    2012 年 24 巻 139 号 p. 215-224
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/29
    ジャーナル フリー
    β-アラビノオリゴ糖鎖は、植物細胞壁に含まれる糖タンパク質であるエクステンシンのハイドロキシプロリン(Hyp)結合型糖鎖である。しかし、β-L-アラビノフラノシド結合が植物に広く分布するにもかかわらず、その分解酵素はこれまで報告されていなかった。2011年に、我々はβ-アラビノオリゴ糖鎖を分解する酵素群のBifidobacterium longumからのクローニングと性質決定に初めて成功した。本酵素群は、Arafα1-3Arafβ1-2Arafβ1-2Arafβ-HypからL-arabinoseを遊離するGH43 α-L-arabinofuranosidase (HypAA)、Arafβ1-2Arafβ1-2Arafβ-HypからArafβ1-2Araf (β-Ara2)を遊離するGH121 β-L-arabinobiosidase (HypBA2)、遊離されたβ-Ara2をL-arabinoseに分解するGH127 β-L-arabinofuranosidase (HypBA1)によって構成されていた。本酵素群はB. longumゲノム上で一つの遺伝子クラスターを形成していたが、他の腸内細菌のゲノム上には保存されていなかった。また、B. longumはβ-アラビノオリゴ糖鎖を資化することができた。本総説ではβ-アラビノオリゴ糖鎖分解酵素群の機能性とB. longumで予想される代謝経路について紹介する。
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