Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
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25 巻, 142 号
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ミニレビュー
  • Jun-ichi Kadokawa
    原稿種別: ミニレビュー
    2013 年 25 巻 142 号 p. 57-69
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/25
    ジャーナル フリー
    非天然型のオリゴ糖は、糖鎖科学において新しい機能や応用を発現することが期待されている。そのような研究において酵素的グリコシル化反応は構造明確なオリゴ糖を得る有力な手法である。例えば、α-(1→4)-グルコシド結合は、α-D-グルコース1-リン酸(Glc-1-P)をグリコシル供与体に用いるα-グルカンホスホリラーゼを触媒とする酵素的グルコシル化によって構築できる。この酵素は、ある程度の基質認識の緩さを有しているので、Glc-1-Pのアナログ基質を用いるα-グルカンホスホリラーゼによるグリコシル化反応の開拓は新規な非天然型オリゴ糖を得る有力な手法である。上記の観点から、本総説では、このようなアナログ基質、すなわち種々のヘキソース1-リン酸をグリコシル供与体に用いたα-グルカンホスホリラーゼによる酵素的グリコシル化反応による非天然型オリゴ糖の簡便な合成について紹介する。α-D-キシロース、α-D-マンノース、2-デオキシ-α-D-グルコピラノース、3-あるいは4-デオキシ-α-D-グルコース、α-(N-ホルミル)-D-グルコサミンおよびα-D-グルクロン酸1-リン酸がグリコシル供与体としてα-グルカンホスホリラーゼに認識されることでマルトオリゴ糖(グリコシル受容体)の非還元末端への対応する糖残基の転移反応が起こり、非天然型のオリゴ糖が得られることが見いだされた。このようなことから、α-グルカンホスホリラーゼ触媒による異なった糖残基を非還元末端に有する新しいオリゴ糖鎖の構築は非天然型糖素材の新しい応用開拓につながると考えられる。
  • Takayoshi Wakagi
    原稿種別: ミニレビュー
    2013 年 25 巻 142 号 p. 71-81
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/25
    ジャーナル フリー
    生体内でアルドール縮合反応を可逆的に触媒するアルドラーゼのなかで、フルクトース1,6-ビスリン酸アルドラーゼ(FBPA)は、古典的な研究では二つの類型に分けられる。近年、生命の起源に関連すると考えられる古細菌や超好熱菌などが独立栄養で生育するときに糖新生系で働く酵素としてFBPAを探索し直したところ、古典的類型には当てはまらないFBPAがあいついで発見された。とりわけ、新規な二機能性酵素FBPA/Pの微細構造変換の発見は「一酵素一反応」の常識を破るものである。これらのFBPAの研究について概括する。
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