本論文は、これまでに報告されてきた
C-グリコシド結合を有するシアル酸誘導体の合成と機能評価についてまとめたものである。合成については、単糖誘導体と2糖誘導体に分けて、現在知られている方法論をまとめた。また我々が開発したIreland–Claisen転位を利用する
C-シアロシド結合構築についても解説し、さらにこの方法論を用いたガングリオシドGM4アナログの合成についても紹介する。
C-シアロシド誘導体は、シアリダーゼによって分解されないシアロ糖アナログとしての利用が期待されてきた。しかしその合成論文数に比べ、機能評価に至っている化合物の構造多様性は限られており、そのポテンシャルはいまだ充分に明らかにはなっていない。本稿ではこれまでに報告されている機能・生物活性について概観し、今後の課題について述べる。
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