Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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6 巻, 32 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • Elieser Gorelik, 荒田 洋一郎
    1994 年 6 巻 32 号 p. 435-445
    発行日: 1994/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    様々な植物レクチンの生物活性はこの30年間盛んに研究されてきた。レクチンがヒトや他の動物のリンパ球の増殖を誘導できることが1960年代に発見されてから、レクチンに対して世界的に関心が高まってきた。植物レクチンがマイトジェン活性だけでなく、Tリンパ球に対し細胞傷害活性を誘導させることも示された。こうして誘導されたTリンパ球の細胞傷害活性は抗原非特異的であり、様々な正常細胞や悪性化細胞に対して発揮される。LDCC (細胞を介したレクチン依存的細胞傷害活性) のメカニズムは最近明らかにされた。レクチンがT細胞レセプターに結合して、細胞内情報伝達系の引き金を引くことにより、様々な遺伝子が活性化され、様々なリンホカインが産生されることによりLDCCが生じる。レクチン自身が細胞傷害活性をもち、リンパ球非存在下で様々な正常細胞や悪性化細胞を破壊する場合もある。レクチンが直接に細胞毒性を発揮するメカニズムは今のところ不明である。プログラムされた細胞死 (アポトーシス) を誘導することによりレクチンが細胞を殺す、という実験データもある。この総説ではレクチンの細胞傷害活性とそのメカニズムの研究についてまとめ、そのことの動物における生物学的重要性について考察する。
  • D. Néel, S. Lemaire, C. Derappe, 伴野 純代, 吉田 友昭
    1994 年 6 巻 32 号 p. 447-452
    発行日: 1994/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    Tリンパ球が活性化すると細胞膜糖タンパク質の糖鎖に重要な変化が誘導されるという報告が最近複数なされている。N-およびO-結合糖鎖のいずれにもみられるこの変化は、β1-6結合のラクトサミン分岐の著明な増加を中心としたものである。他の結合様式のラクトサミン分枝と異なり、β1-6ではこの分枝がタンパク質の骨格に向かって折れ曲がりやすいためにタンパク質の立体構造や活性に影響を与える可能性がある。この総説は人のTリンパ球の活性化によって誘導される糖構造の変化についての最新の知見を総括し、それらの変化がリンパ球の生理や免疫応答においてどのような機能をはたしていると考えられるかを議論する。
  • チロシンキナーゼ・レセプター間の相互作用
    R.J. Fallon, M. Danaher, A. Saxena, 三浦 広美
    1994 年 6 巻 32 号 p. 453-463
    発行日: 1994/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    コーテッドピットと呼ばれる特殊化した形質膜のドメインが、糖タンパク質の生物学において重要な制御部分である。そこでは糖タンパク質は、細胞内に取り込まれるかあるいはそれ自身が糖タンパク質であるレセプターに結合するかが決定される。糖タンパク質は、細胞内への内部化のために塊を形成して集合しプロセシングを受ける。コーテッドピットに働きかける構造的な構成成分と制御機構は、競争の激しい研究対象となっている。アシアロ糖タンパク質 (ASGP) のレセプターに関する研究は、これらの機構の多くを明らかにしてきた。例えば、迅速な細胞内への内部化に関与している選別シグナルやレセプターの往来に関与している細胞内の区画などについてである。このレセプターに関する最近の知見では、チロシンキナーゼの活性が特にレセプターの細胞内内部化速度に影響を与えることが示唆されている。したがって、糖タンパク質の細胞内取り込みのモデルにおいて、チロシンキナーゼはシグナル伝達に関する役割だけでなく、初期の細胞内取り込み経路の制御においても機能していることが示唆された。
  • H. Tachibana, H. Murakami
    1994 年 6 巻 32 号 p. 465-475
    発行日: 1994/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    免疫グロブリンは重鎖及び軽鎖からなる糖タンパク質であり、その糖鎖は重鎖の定常領域に存在している。通常、軽鎖には糖鎖は存在しないが、なかにはその可変領域に糖鎖が結合しているものがある。本総説では免疫グロブリン軽鎖に結合した糖鎖の構造、機能及びその改変について述べる。我々はそうした軽鎖をハイブリドーマの産生するヒトモノクローナル抗体の中に見いだした。この抗体は肺腺がんと反応し、その軽鎖の超可変領域に糖鎖が結合していた。この軽鎖のグリコフォームの一つに、ヒト免疫グロブリンでは稀なハイブリッド型糖鎖が結合していた。こうした可変領域に結合した糖鎖の役割を明らかにするために、軽鎖に結合する糖鎖の修飾を試みた。コンカナバリンA耐性ハイブリドーマで産生された軽鎖の糖鎖変異、およびそのグリコシダーゼ処理は、抗体の抗原結合性に変化をもたらした。軽鎖の糖鎖を改変することで、抗体の抗原結合性を修飾すべく、培地中のグルコース利用性の影響を検討した。ハイブリドーマの培地中での単糖利用性を制御することで、産生抗体の抗原結合性が増大した。一方、動物細胞による糖タンパク質の糖鎖修飾はその培養環境の影響を受けるので、その糖タンパク質糖鎖の正真性、均一性を維持することは特に重要である。軽鎖の糖鎖修飾において培地中のグルコースレベルの変動に寛容な細胞株をレクチン耐性変異細胞の中に見い出した。
  • 久保 英夫
    1994 年 6 巻 32 号 p. 477-478
    発行日: 1994/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • 藤本 浩
    1994 年 6 巻 32 号 p. 479-481
    発行日: 1994/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • ポディマ カタジナアンナ, 山形 達也
    1994 年 6 巻 32 号 p. 483-484
    発行日: 1994/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • Diana L. Blithe, 大江 泰雄
    1994 年 6 巻 32 号 p. 487-489
    発行日: 1994/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
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