Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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6 巻, 30 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • T. Okazaki, N. Domae, R.M. Bell, Y. Hannun
    1994 年 6 巻 30 号 p. 278-285
    発行日: 1994/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    1α, 25ジヒドロキシビタミンD3による分化誘導時に活性化されるスフィンゴミエリンサイクルが、ヒト骨髄性白血病HL-60細胞において発見された。一方、スフィンゴミエリンの水解産物であるセラミドは、脂質セカンドメッセンジャーとして増殖、分化、アポトーシスなどの細胞機能において重要な役割を果たしている。セラミドを介した情報伝達系の上流におけるキーエンザイムとして、未知のマグネシウム非依存性、中性、細胞質性スフィンゴミエリナーゼが同定された。細胞透過性のセラミドを使用し、セラミドを介した情報伝達系の下流におけるタンパク質リン酸化と脱リン酸化および核内転写因子について検討された。ここでは、まったく新しい脂質を介した情報伝達系の意義について言及したい。
  • K. Miyamura, K.B.M. Reid, U. Holmskov, 荒田 洋一郎
    1994 年 6 巻 30 号 p. 286-309
    発行日: 1994/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    コレクチンとはコラーゲン様領域をもち、血漿及び肺サーファクタントに見出される可溶性レクチンのことである。コレクチンはこれまで哺乳類及び鳥類で解析されており、このグループには3種類の血漿タンパク質 (マンナン結合タンパク質、ウシコングルチニン、ウシコレクチン-43) と2種類の肺サーファクタントタンパク質 (SP-AとSP-D) が含まれる。これらは互いによく似たサブユニット構造と3次元構造を持つ。コラーゲン様三重らせん構造を持つ茎部分とそれに続く球状頭部を持つという点で補体成分C1qとも似ている。コレクチンの球状頭部は病原体上の糖構造を認識し、エフェクターの機能が発揮されたり、コラーゲン様茎部分を介して細胞への結合が起こったりする。コレクチンは抗体に依存せずに病原体の糖鎖を認識するので、幼児や抗体産生不能者の先天免疫に重要な役割を果たしているかもしれない。
  • Seng Hui Low, Wanjin Hong, 太田 稔久
    1994 年 6 巻 30 号 p. 310-327
    発行日: 1994/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    ゴルジ体は、新しく合成されたタンパク質を細胞表層に輸送する細胞外輸送や分泌の経路上にある、主なオルガネラの一つである。ゴルジを通るタンパク質は、ゴルジのそれぞれの副区画にある酵素により厳密に定められた一連のグリコシル化修飾を受け、ゴルジを出る際に最終的な目的地別に仕分けされる。それゆえ、ゴルジ内タンパク質は激しい表層への輸送に接しながらも、自分の位置を保てなければならない。最近、タンパク質をゴルジのそれぞれの区画に保持するための配列が解明され、糖転移酵素を保持する機構が、再利用タンパク質がトランスゴルジ網に蓄積される機構とは異なることが明らかになった。前者は膜貫通ドメイン内の配列によって起こり、隣接した細胞質ドメインや内腔ドメインによって促進される。一方、後者は急速なエンドサイトーシスやバソラテラルへのターゲッティングシグナルに見られる、チロシンを含んだ細胞質側の配列によって起こる。
  • Andrew A. Gooley, Anthony Pisano, Keith L. Williams, 中野 泰子
    1994 年 6 巻 30 号 p. 328-338
    発行日: 1994/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    グリコホリンA(GPA)は35kDaの糖タンパクで、ヒト赤血球上のシアリル化糖タンパクの中で最も豊富なものである(~0.2-1x106分子/赤血球)(1)。これは全配列が決定された最初の膜タンパクで131個のアミノ酸よりなり、今でも一度膜を貫通する型の膜タンパクの中で最も良く研究されたものの一つである(2、3)。GPAが糖化学者を惹き付けるのは、その細胞外ドメインに多くのグリコシドを持ちシアル酸含量が異常に高いためである(4-9)。
    ヒト赤血球グリコホリンのGPA遺伝子解析やその多型(10)、GPA抗原の構造と機能(1)に関する総説が最近いくつか出ている。本総説ではGPAのグリコシル化やグリコシル化サイト、GPAやその多型に存在する糖鎖の型、そして糖鎖のGPAの機能に果たす役割について調べた研究をまとめてみたい。さらに、グリコシル化サイトの同定、特にGPAやムチンに典型的な多くのO-グリコシドの結合したドメインの解析に関した技術の進歩についても述べたい(11)。
  • Masayoshi Oh-eda, Tetsuzo Tanaka
    1994 年 6 巻 30 号 p. 340-341
    発行日: 1994/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
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