Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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8 巻, 44 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • Peter J. Delves, 城戸 正開
    1996 年 8 巻 44 号 p. 377-389
    発行日: 1996/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    β1,4-ガラクトース転移酵素(β1,4-GalTase)は、糖転移酵素の中で、最も幅広く研究されてきた。その遺伝子は幾つかの動物種よりクローニングされ、調節因子も部分的に解明されてきた。β1,4-GalTaseには分子長の異なる2種類の酵素が存在するが、何れもトランスゴルジに同じように局在しているのかどうかが争点になっている。細胞表面に存在するβ1,4-GalTaseの役割として、細胞間認識や細胞間情報伝達に関与している可能性が考えられている。β1,4-GalTaseはオリゴマーを形成したり、他の分子と結合したり、また燐酸化されることで翻訳後の制御を受けていると思われる。
  • Erika Staudacher, 西原 祥子
    1996 年 8 巻 44 号 p. 391-408
    発行日: 1996/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    受精、発生、リンパ球の移動などの生理学的現象や免疫反応、癌転移などの病理学的現象に結びついた細胞間相互作用や細胞の移動において、フコシル化反応は重要な機能を果たしている。ヒトのゲノムには、少なくとも5種類の異なるα1,3-フコース転移酵素がある。また、その他にもいくつかの異なるα1,3-フコース転移酵素やその産物が、ヒト以外の哺乳類、昆虫、軟体動物、植物、ある種の細菌など、ほとんどすべての生物にに見出されている。これらのα1,3-フコース転移酵素は、基質特異性や組織分布などの様々な生物学的パラメーターが、相互に異なっている。α1,3-フコース転移酵素に対する簡単なレビューを想定される機能もふくめて紹介する。
  • Hiroshi Yasuda
    1996 年 8 巻 44 号 p. 409-417
    発行日: 1996/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    本総説は、細菌によって形成されるバイオフィルムとは何か、それが我々とどう関り合っているのか、物質的にはいかなるものなのか、等について概説するものである。細菌バイオフィルムは、本来、細菌が環境に順応して生き延びて行くために形成する細菌集落のありかたの一つであって、細菌自らが分泌する粘性の多糖類と菌体とからなる構造体である。自然界に存在するほとんどの細菌バイオフィルムは人間とは無関係であるが、時々それらは人間が構築した構造物の中に、あるいは、それらの表面に形成され、構造物の機能をそこなう場合がある。また、人間の体内で、感染という形で侵入した病原菌によって形成されるバイオフィルムは結果的に抗菌剤や生体の防禦機構から病原菌を護るように作用し、感染症からの回復を妨げる。種々の細菌によってバイオフィルムは形成されるが、人体での「感染症」を考える時、特に問題となるのは緑膿菌と表皮ブドウ球菌である。緑膿菌はバイオフィルムを形成することにより、しばしば難治性の呼吸器感染症や尿路感染症の原因となる。また、表皮ブドウ球菌は、種々の病気の治療目的でしばしば人体に挿入されるカテーテルやカニューレといった異物体の表面にバイオフィルムを形成し、異物体周辺感染症の原因となる。緑膿菌が産生する多糖類はアルギン酸であり、構造や合成経路、産生の制御機構などについて非常に良く研究されている。表皮ブドウ球菌については良く分かってはいない。最後に、バイオフィルム感染症に対するいくつかの対処策についても触れる。
  • 化学的、生物学的、臨床学的概説
    Gregory I. Frost, Tony Csóka, Robert Stern, 山形 貞子
    1996 年 8 巻 44 号 p. 419-434
    発行日: 1996/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    ヒアルロニダーゼは最近まで説明することなど必要ないと考えられていた酵素群である。これらの酵素の基質であるヒアルロナンは、徐々に重要性が増し、今や細胞の運動性、傷害治癒、発生のような基本的な過程において主要な役割を果たしており、また癌の進展にも関与していることが認められている。ヒトを悩ます下等生物においてもヒアルロニダーゼは、下等生物が侵入する際や体の中に広がっていく時に関与している、即ち細菌の有毒因子として、ガス壊その組織切開に対する病毒因子として、梅毒においてトレポネーマの広がる手段として、寄生生物ネマトーダが皮膚や内蔵へ潜り込む方法としてヒアルロニダーゼは使われている。またヒアルロニダーゼはハチ、スズメバチ、クモ、サンショウオ、ヘビ、トカゲ等多くの生物の毒液の成分でもある。これらの毒液のヒアルロニダーゼのあるものとほ乳類の精子の細胞膜に見出される酵素との間に相同性のあることは特に興味深く、酵素タンパク質の300アミノ酸の36%が保持されていることから古いタンパク質であることが分かる。明らかにヒアルロニダーゼは、多くの重要なヒトの病気の病態に関与した生物学的に興味深い酵素である。最近までなおざりにされてきたこれらの一群の酵素についてさらに研究を進めていかなくてはならない。
  • 高等植物の細胞分裂におけるその役割
    南 栄一
    1996 年 8 巻 44 号 p. 435-436
    発行日: 1996/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • 山下 洋, 福田 恵温
    1996 年 8 巻 44 号 p. 437-438
    発行日: 1996/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • 菅野 憲一
    1996 年 8 巻 44 号 p. 439-440
    発行日: 1996/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • 松岡 浩司
    1996 年 8 巻 44 号 p. 441-442
    発行日: 1996/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • 円谷 陽一
    1996 年 8 巻 44 号 p. 443-444
    発行日: 1996/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • 北爪 しのぶ
    1996 年 8 巻 44 号 p. 445-446
    発行日: 1996/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
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