Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
Print ISSN : 0915-7352
ISSN-L : 0915-7352
9 巻, 50 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • Yu-Teh Li, Su-Chen Li, 山形 達也
    1997 年 9 巻 50 号 p. 421-432
    発行日: 1997/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    GM2アクチベータタンパク質はガングリオシドGM2の分解に密接にかかわっているタンパク質性の補助因子として見出された。GM2アクチベータタンパク質の生理的重要性はこのアクチベータタンパク質の欠損により、脳に大量のGM2が蓄積することからも分かる。しかし、このアクチベータタンパク質の作用機構と生物学的機能は未だ完全には分かっていない。このエッセイでは、このGM2アクチベータタンパク質に私たちが個人的にどの様にかかわってきたかを思いだし、かつこの興味深いタンパク質性の補助因子の作用様式と特異性についての未解決の四つの問題点を論じようと思う。
  • Paola Brocca, Sandro Sonnino, 小倉 美佐
    1997 年 9 巻 50 号 p. 433-445
    発行日: 1997/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    膜ガングリオシドの特性の研究に適した水環境中での界面モデルが開発されつつある。このモデルは、高分子量のガングリオシドミセルとともに、ガングリオシドとホスファチジルコリンの低分子量混合ミセルや、中間分子量のセラミド修飾ガングリオシドミセルから成る。これらの界面モデルに挿入したガングリオ系列ガングリオシドのコンフォメーション的および立体的特性に関する実験情報について論じ、マルチラメラ凝集モデルを用いて得られた情報と比較、総括する。
    結果から、鎖のコンフォメーション特性は、シアル酸とN-アセチルガラクトサミンユニットとの残基間相互作用によって決定され、全体のオリゴ糖構造や、セラミドの構造、可能なリン脂質極性基やCaイオンとの相互作用、高いガングリオシド含量の環境、膜コレステロールの存在や温度変化に無関係であることが示された。さらにオリゴ糖鎖は限定された平均的コンフォメーションおよび運動の程度で、二重膜表面を越えて巧みに伸長していると思われ、これは調べた全てのガングリオシドに共通している。
  • Mark Kester, 坂口 圭史, 沖野 望
    1997 年 9 巻 50 号 p. 447-460
    発行日: 1997/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    スフィンゴ脂質は普遍的に存在する複合脂質で、膜構造の維持に寄与している。ここ数年、スフィンゴ脂質誘導体は細胞内情報伝達分子として同定されてきた (1-3)。スフィンゴミエリンの連続的な異化作用によって生じる代謝産物は、生物学的に正反対の作用を示す。つまり、セラミドは細胞分裂を抑制し、スフィンゴシンは細胞増殖を促進する。これらの作用を伝達する細胞内情報伝達経路は、現在でも不明のままである。この総説では、特にスフィンゴ脂質由来のセカンドメッセンジャーによる細胞内キナーゼカスケードの制御に重点を置き、スフィンゴ脂質が関与する情報伝達系における最近の進歩に焦点を合わせたいと考えている。スフィンゴ脂質代謝産物によるMAPK(mitogen-activated protein kinase) カスケードの選択的活性化は、部分的にではあるが、細胞の表現型を決めるかもしれない。
  • Giuseppina Di Stefano, Luigi Fiume, 渡辺 恵史
    1997 年 9 巻 50 号 p. 461-472
    発行日: 1997/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    抗ウィルス核酸誘導体 (NAs) を肝臓ヘターゲティングさせる目的は、慢性肝炎の際に起こるこれらの薬物の肝臓外での副作用を減らすことにある。このためにNAsをガラクトース末端を持つ高分子に結合させた。この複合体は、肝実質細胞上に多量に存在し、ガラクトースに強い親和性を持つレクチン (アシアロ糖タンパクレセプター) と結合した後、これらの細胞に選択的に取り込まれる。細胞に取り込まれた後はライソソームに運ばれ、そこでキャリアーと薬物の結合が切れ、薬物のみが細胞内に濃縮されることになる。これまでのNAsの肝臓へのターゲティングは主にラクトース化したヒトアルブミンと、B型肝炎ウィルスに有効なリン酸化NAであるアラビノシド-リン酸 (ara-AMP) を使って行われてきた。この複合体はB型肝炎患者に投与すると、フリーのara-AMPの投与で見られるような神経毒性を示すことなく同等な抗ウィルス活性を示した。
    肝指向性キャリアーとしてラクトース化したポリ-L-リジン [(Lac-poly (LYS)] を用いた複合体が前臨床段階にある。この新規の複合体はヒトアルブミンを用いたものに比べ、いくつかの利点があげられる。すなわち、(a) 筋肉注射が可能、(b) 完全に化学合成が可能なため、血液を使う際の問題が避けられる、(c) 薬物保持量が多いため、少量の投与ですみ、ライソソームでの分解が容易になる、(d) より多くの薬物を肝実質細胞中に導入できる。2種類の Lac-poly (LYS) 複合体、つまりara-AMPとリバヴィリン (C型肝炎に有効)、を用いた実験結果から、アシアロ糖タンパクレセプターを介した肝臓へのターゲティングの有効性がさらに支持されている。
    まとめると、ガラクトース末端を持つキャリアーとNAsのカップリングは肝実質細胞内への有効なデリバリー方法であり、副作用のために使えない薬物の使用を可能にするものであると思われる。
  • 川口(北爪) しのぶ
    1997 年 9 巻 50 号 p. 473-474
    発行日: 1997/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 匡
    1997 年 9 巻 50 号 p. 475-476
    発行日: 1997/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • 南 栄一
    1997 年 9 巻 50 号 p. 477-478
    発行日: 1997/11/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
feedback
Top