Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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9 巻, 47 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • R. Peterková, J. Turecková, H. Lesot, J.-L. Vonesch, M. ...
    1997 年 9 巻 47 号 p. 253-265
    発行日: 1997/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    骨形成因子 (BMP) は、発生過程においてさまざまな機能を発揮している。BMPは歯の発生と修復における上皮-間充織間相互作用においてシグナルを伝達する役割を果たしていると考えられている。この総説は、歯の上皮におけるBMPの発現及び正常な歯牙発生において不可欠と考えられる後退という現象に関するBMP-4の役割に重点をおいて、これまでの研究を紹介する。歯の発生過程、特に間充織細胞においては、その凝集及びその後の分化にBMP遺伝子の活性が関わっているようである。しかしながら、歯の上皮におけるBMP転写産物の発現は胎仔期の発生の過程に時間的にも空間的にも限られている。マウスではBMP-2、BMP-4、BMP-7の転写産物のほとんどは、歯の特異的な上皮細胞集団が減少したり除去される過程で、アポトーシスが起こっているところと一致して存在する。例えば、i. マウスの予定歯隙領域の中の未発達な歯原基、ii. エナメル結節、iii. エナメル芽細胞、iv. 歯堤 (エナメル器官の導帯) 痕跡組織などである。これらのデータは歯牙発生において、BMP-4はアポトーシスの促進にも関与していることを強く示唆する。BMP-4と他のBMPとの関係や後退の過程におけるBMP-4の正確な役割については今後さらに研究されるべき課題である。
  • Karen J. Colley, 川口(北爪) しのぶ
    1997 年 9 巻 47 号 p. 267-282
    発行日: 1997/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    糖転移酵素はゴルジ装置の特異的な嚢に区画化されることによって、基質となる糖質及び糖ヌクレオチド供与体への接触が調節され、ゆえに細胞により作られる糖鎖構造タイプも制御される。糖転移酵素活性の調節手段としての区画化のへの興味はもとより、どのようなメカニズムによりタンパク質がゴルジに局在されるのか、といった普遍的な興味のもとに、糖転移酵素のゴルジ局在化を支配するシグナル及びメカニズムが研究されている。数年間に及ぶ研究にもかかわらず、この複雑な機構の大部分は依然として謎に包まれている。現在、幾つかのタンパク質に関して明らかにされていることがある。例えば、β1,4-ガラクトース転移酵素は膜貫通領域を主要なゴルジ保留のシグナルとしているのに対し、N-アセチルグルコサミン転移酵素I、及びα2,6-シアル酸転移酵素は、効率的にゴルジに保留するためには膜内腔領域及び膜貫通領域の両方が必要であったり、独立した保留シグナルとして機能しうる領域を2カ所以上有していたりする。ゴルジ保留における細胞質領域の役割は論争を呼ぶところであり、この領域をないがしろにできないという新たな知見も得られている。ゴルジ保留に必要な配列が多様性に富むことから、2つの作業仮説が提出されている。一つ目は、ゴルジ保留には脂質二重膜の厚さが重要であるという説 (bilayer thickmess 機構) であり、これは多くのゴルジタンパク質の膜貫通領域が局在に重要であるという事実に基づいている。二つ目は、ゴルジ保留におけるオリゴマー形成/似たもの同士を認識するメカニズム (oligomerization/kin recognition 機構) であり、これは非膜貫通領域もしくは複数の領域がゴルジ保留に必要である際の説明に用いることができる。本総説ではこれらの説を支持する知見、これらの説がゴルジ保留のためにどのように両立し得るか、そしてこの領域における将来の方向性についで論ずる。
  • M. Vinson, S. Mucklow, A. P. May, E. Y. Jones, S. Kelm, P. R. Crocker, ...
    1997 年 9 巻 47 号 p. 283-297
    発行日: 1997/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    シアル酸はヒトの細胞表面に豊富にあり、負の電荷を持つことにより、好ましくない細胞間相互作用を妨げる働きを助けている。免疫グロブリンスーパーファミリーであるシアロアドヘシンサブセットの最近の発見により (これには、シアロアドヘシン、CD22、ミエリン関連糖タンパク質 (MAG) やCD33が含まれる)、シアル酸が、変化に富んだ生理システムの中で、細胞間相互作用を促進させる手段でもある可能性が出てきた。これら膜タンパク質のそれぞれは、認識されるシアル酸の種類と一つ内側の糖への結合の両方に対して、明確な特異性を表す。これらは、保存されたジスルフィド結合によって保持されるNH2末端側の二つのIgドメインにおいて、高い度合いで似通った配列を持っている。ドメインの1と2 (NH2, 末端より数えて) は遺伝子複製を通じて、ファミリーの中の現メンバーを生み出した先祖遺伝子を表しているように思われる。端を切り取った組換えタンパク質作成と、部位特異的変異誘発によって、シアロアドヘシンとCD22のNH2末端にあるVセットドメインのCFC′C″面が、シアル酸の結合部位を含んでいることが示された。最近になって、リガンドとして用いた3′-シアリルラクトースと複合体を作っているシアルアドヘシンのVセットドメインの構造がX線結晶学によって確かなものになった。シアロアドヘシンとそれ以外のシアル酸結合タンパク質によるシアル酸の認識における類似性及び差異について述べる。
  • 石原 雅之
    1997 年 9 巻 47 号 p. 299-300
    発行日: 1997/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • 近藤 昭宏
    1997 年 9 巻 47 号 p. 301-302
    発行日: 1997/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 9 巻 47 号 p. 310-311
    発行日: 1997/05/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
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