千葉県旭市における「津波による地下水影響調査」では科学調査・研究の過程で市民から協力の申し出があり、データ取得を市民が行う形での協働調査となった。市民の熱意と測定者に測定精度が依存しない測器の存在により協働が成立した。本調査では少ない費用で時空間密度の高い自然の塩淡境界水質変化のデータ取得が可能となった。調査結果への市民の高い関心により科学調査が直接社会貢献に結びついた。
一方、都市公園池であるじゅんさい池の「自然再生活動に伴う地下水調査」では目前の問題に対し、池の生態系に関する知識を深めながら水文学が解決に役立てる方法を探る必要があった。市民、行政、複数の教育機関が参加するプロジェクトが立ち上がり、立場や意見の異なる主体が、池の将来に関する共通認識をもつことにより協働が成立した。参加者全員が立場や役職に関わらず完全に並列に並ぶこと、そして同じ方向を向くことが協働成功条件の一つと考えている。
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