東北森林科学会誌
Online ISSN : 2424-1385
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13 巻, 1 号
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論文
  • (英文)
    鈴木 まほろ, 柳原 千穂, 藤井 忠志, 由井 正敏
    原稿種別: 論文
    2008 年 13 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2008/03/31
    公開日: 2017/07/27
    ジャーナル フリー
    青森県の白神山地と南八甲田,秋田県の森吉山において,既知の10本のクマゲラ営巣本と3本のねぐら木の形態を調べ,4つの営巣地周辺に0.25haのプロットを設けて胸高周囲15cm以上の毎木調査を行った。さらに過去の本州のクマゲラの営巣本およびねぐら木に関する知見をあわせることによって,本個体群のハビタット要求性に関する知識を整理した。すべての営巣本およびねぐら本は生きたブナであり,日本海型のブナ純林の中にあった。営巣木の胸高直径の平均は68cm(SD:±9.8cm),92%は50cm〜80cmの範囲にあった。ねぐら木の平均は66cm(SD:±6.2cm)で同様の範囲にあった。巣穴の入り囗の方位は一定でなく,斜面方位とほぼ一致しており,両者の間には有意な相関があった。69%の営巣本が,3年以上繰り返し繁殖に使用されていた。
  • 杉田 久志, 猪内 次郎, 昆 健児, 岩根 好伸, 田口 春孝, 大石 康彦
    原稿種別: 論文
    2008 年 13 巻 1 号 p. 8-15
    発行日: 2008/03/31
    公開日: 2017/07/27
    ジャーナル フリー
    強度間伐と重機による地表攪乱が行われたカラマツ人工林におけるウダイカンバの更新状況を解析した。ウダイカンバ母樹が散在する39年生のカラマツ人工林において,本数伐採率約50%の間伐が実施され,中下層木,林床植生は除去された。一部でホイールトラクタにより枝条除去が行われたため,地表の落葉層が剥ぎ取られた部分がかなりの面積で生じた。間伐14年後にはウダイカンバ,ミズナラ,ホオノキ,ヤマグワ,ウワミズザクラなどの更新木が下層を形成し,二段林を呈した。そのうちウダイカンバは最も優占し,旺盛な成長を経て樹高10m前後に達していたが,ほとんどはカラマツの林冠下にあり,梢端がカラマツ上木樹冠に接触しているものもみられた。ウダイカンバの更新木は試験区域の全域に166本/haの密度でみられ,ホイールトラクタによる枝条除去を行った部分では行わなかった部分に比べて密度が有意に高かった。以上のように,重機による地表攪乱の実施は結果的に地掻きの効果をもたらしており,ウダイカンバ母樹の散在するカラマツ人工林において強度間伐により疎開した林冠下で地表攪乱処理を行うことは,ウダイカンバの更新に有効であると考えられる。
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