東北森林科学会誌
Online ISSN : 2424-1385
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14 巻, 2 号
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論文
  • —ケヤキ林縁からの距離と幼樹密度との対応関係—
    國崎 貴嗣, 小川 瑞樹
    原稿種別: 論文
    2009 年 14 巻 2 号 p. 43-49
    発行日: 2009/11/30
    公開日: 2017/07/27
    ジャーナル フリー
    ケヤキ幼樹が高密度で生立している,オウシュウトウヒ(以下,トウヒ)強度間伐人工林1林分(1.1ha)を対象に,ケヤキ林縁からの距離がトウヒ人工林内の局所的なケヤキ幼樹密度に及ぼす影響を調査した。間伐されたトウヒ人工林と無間伐の広葉樹天然生林(1.2ha)は,ケヤキ林冠木にほぼ同様に隣接しているにも関わらず,トウヒ人工林内のケヤキ幼樹密度が有意に高かった。これは,間伐・集材作業による林床撹乱と林内光量の増加が主な要因と考えられる。トウヒ人工林内のケヤキ幼樹密度は,ケヤキ林縁から離れるほど,低かった。ただし,ケヤキ林縁から近い範囲でも,ケヤキ幼樹密度は2,220〜16,250本/haと,局所的に大きく異なると推定される。
  • —十和田八幡平国立公園十和田八甲田地区を事例として—
    山本 信次, 石場 圭太, 土屋 俊幸
    原稿種別: 論文
    2009 年 14 巻 2 号 p. 50-54
    発行日: 2009/11/30
    公開日: 2017/07/27
    ジャーナル フリー
    アクティブレンジャー(以下ARとする)は,行政側の国立公園における現場での人手不足の解消と,国立公園に関わっている多様な主体のコーディネーター役を目的として,2005年の6月に導入された制度である。2006年の段階で,ARは国立公園・野生鳥獣保護区など計52地区に,65名配属されている。国立公園には,全28国立公園中25国立公園にARが配属されており,現場での管理業務に従事している。本研究では,十和田八幡平国立公園十和田八甲田地区において,ARが実際どのような業務を行い,それらの業務が公園管理においてどのような位置づけにあるのかを調査した。その調査の結果,ARの業務が現場業務に大きく貢献している一方で,導入目的の1つであるコーディネーターとしての機能は果たせていないことが明らかになった。
  • —大開・仁鮒・岩川の3事業区における施業案の分析から—
    比屋根 哲, 尾崎 佑介
    原稿種別: 論文
    2009 年 14 巻 2 号 p. 55-64
    発行日: 2009/11/30
    公開日: 2017/07/27
    ジャーナル フリー
    戦前期に旧秋田営林局で採用されたスギの択伐天然更新作業は,学会等の場で施業方針の是非をめぐって活発な論争が行われたことで知られている。本研究は,戦前期秋田営林局で提唱されたスギ択伐天然更新作業が,戦前から戦後にかけて実際に管内の国有林でどのように展開されたかを,主として大開,仁鮒,岩川の3事業区の一連の施業案説明書の記述をもとに分析,検討したものである。3事業区とも大正時代までは皆伐作業によるスギの人工林施業が採用されていたが,大正14年度の大開事業区の施業案をかわきりに天然更新補助作業を伴わない択伐天然更新作業に相次いで転換されている。その後,施業案の検訂に際しても択伐天然更新作業はそのまま継続したが,昭和15年度の岩川事業区の施業案では,スギの更新不良箇所に坪刈り等の更新補助作業を行うべきことが盛り込まれた。また,戦後昭和20年代には,戦前の択伐作業を基本的に継承しながらも,更新不良な箇所に天然更新補助作業を加えるべきことが明記される等,いずれの事業区でも更新を確保する方向で一定程度の施業方針の見直しが行われた。
研究資料
記録
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