北海道ではブナの豊凶予測技術がすでに確立しており,それによると豊作になる条件は500個/m
2以上の雌花が開花し,かつその前年比が20以上になることとされている(種子食生昆虫による食害回避のため)。しかし,開花や食害昆虫の活動は気候条件等に依存すると思われるので,結実条件はどこでも同じとは限らない。山形県では,結実条件として350個/m
2以上の開花があれば豊作になると指摘されている(90〜350個/m
2で並作,90個/m
2以下で凶作;山形版条件とする)。2013年は,県内16林分の間の結実に著しい地域差が生じ,豊作,並作,凶作のそれぞれの作柄がみられたので,山形版の条件を検証するのに適した年であったと言える。そこで,同年にシードトラップで得られた各地の開花データを山形版の条件に当てはめて作柄を推定した。この結果,山形版条件は実際の作柄を簡便かつ高い精度で推定できることが明らかになった。
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